チェンジマネジメント(組織変革)プロジェクト

〜私立中高のチェンジマネジメントプロジェクト〜

学校へのコンサルティングプロジェクトです。組織変革、教員募集戦略の立案等、当初あったコンサルタントへの反発を乗り越え、最終的にクライアントと一丸となって変革をやり遂げる、感動秘話です!

【背景】

少子化が進む中、入学者が激減し多くの私立中高の経営が危機的状況にある。そのような環境の中、有名私立中高が隣接し、一段と苦しい状況に置かれていた都心の女子中高(C校)の改革を依頼された。

C校の教職員達は理事会との長年の対立の中で疲弊し、士気が下がっていた。生徒の下校と同時に、逃げるように学校を飛び出して行ってしまう教師も珍しくはない状況だった。

教職員は、理事会が雇い入れたコンサルタントに対しても、強烈に反発した。学校の実態を把握するためのアンケートやインタビューさえも拒否した。コンサルタントが入ったときには、教職員のほとんどは学校をたてなおすことをあきらめてかけていた。

【プロジェクト概要】

組織変革プロジェクトの目的の概要は以下の通り。

目的:C校教職員・理事会メンバーに勇気と誇りを与え、教育理念実現にむけた士気の高い組織風土をつくること
概要:
  • 教育理念(経営ビジョン)の策定(第1フェーズ 6ヶ月)
  • 行動変革による教職員の意識変革及び募集戦略立案(第2フェーズ 6ヶ月)
  • 人事制度改革(第3フェーズ 6ヶ月)

【教育理念の策定(第1フェーズ)の詳細】

前述したようにコンサルタントに対する反発が強かったため、まずコンサルタントと教職員の信頼関係を構築するため全教職員一人一人と面談を行うこととした。「組織構成員の一人一人のやる気を高め、組織を変革する」コンサルティングスタイルを理解して頂き、同時に各教職員がどのような学校にしたいのか意見を徹底的に聞いた。集団でいたときは反発をしていた60名近い教職員のほとんどが「実は改革をしたいが、どのようにして良いのか分からないから助けて欲しい。」と切実に思っていることが分かった。またコンサルタントを驚かしたのが、「昔のように誇りを持って仕事をしたい。」「今まで自分の言う意見に真剣に耳を傾けてもらえたことがなかった。」と面談中にボロボロと泣き出す教職員が数多くいたことであった。

教職員との小さな信頼を築いた後、コンサルタントが取り組んだことは、本プロジェクトの肝である「教育理念案」の策定であった。学校改革プロジェクト担当メンバー(教員5名)とコンサルタント(3名)で教職員のインタビュー内容と学校設立時の文献をもとに、C校の現代における意義、目指すべき姿について議論を行い、教育理念の仮説を固めた。

仮説を検証するため、受験生の父母、C校在校生父母、C校のOGらステークホルダーに対するアンケートとインタビューを実施し、期待を把握した。

ほぼ検討してきた内容の教育理念と戦略がステークホルダーの期待をも満足させるものであることを検証し、そのデータをもとに全教職員と数度にわたる会議を行い詳細を詰めた。この場は、内容自体を検討する目的であると同時に、この教育理念自体に対する全教職員の思い入れを持たせる場でもある(後述の「組織変革プロジェクト実施の具体的な視点」参照)。

最終案を理事会に提案し承認を得、立案された戦略を元にその後の組織変革がこの理念の実現にむけて実施されることとなった。
現在は、教育理念に基づいたカリキュラム策定や教職員の行動変革運動、組織人事制度の変革が行われている。

【組織変革プロジェクト実施の具体的な視点】

多くの人は会社や組織がこのまま潰れていっても良いとは本気では思っていない。日常、同僚や上司のやる気のない態度を見ていたり、顧客(生徒・父母)から寄せられるクレームに追われるうえ、低迷する業績について延々会議が行われ、提案にはあげ足とりの意見が必ず出る。こんな経験の中で士気が萎えてしまっているだけの場合が実に多い。

組織を変革する上でのポイントは組織構成員に「感動」を「誇り」を与えることにある。一度、「誇り」を取り戻せば改革にむけて前向きに動き出し、その結果得られる成功体験が組織を良循環に導く。問題は一歩目をどうやってスタートさせるかである。コンサルタントはプロジェクト運営のいたるところで、組織構成員に「感動」と「誇り」を与える工夫を行う。前述した全教職員面談も功を奏したが、本プロジェクトにおいて最も印象的だったのは卒業生(OG)の声を教職員へフィードバックしたことであった。

「柴田先生(仮称)が国語の授業中に話してくれた一言が私を勇気づけ、そのおかげで夢をかなえることができました。お礼を言ったことは一度もなかったけど、私は今でも先生に感謝しています。」卒業生へのインタビューの時、スチュワーデスのOGがコンサルタントに話した一言だった。この卒業生の感謝の声を伝えると、頑なな態度だった教職員が次々ともらい泣きをしはじめた。「確かに、当時の私達はやる気に満ち、一生懸命だった。私達はその気持ちを忘れてしまっていた。」「もう一度、がんばろう。私達にはそれができるはずだ。」経営者の命令や第3者の語る理屈では動かなかった教職員の中に、卒業生の感謝の声が勇気を与え変革への力が生まれた瞬間であった。

コンサルティングにおいて大事なことは、通り一辺倒のプロジェクト運営をすることではなく、常にクライアントの心、気持ちにどのようなインパクトがあるのかを考えながら緻密にプロジェクトを進めていくことである。

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