movin:

なるほど。先ほどはブレイクスルーした際、当時の先輩の方に色々とアドバイスを頂いたというお話しがありましたが、ローランドベルガーにおけるコンサルタント育成の方針や仕組みなどに関して、具体的にどのようなものがありますでしょうか？

藤原様：

ローランド・ベルガーにはITC（インターナル・トレーニング・コミッティ）という社内研修の企画や運営を担うコミッティがあり、私がリーダーを務めています。たとえば、「ジェダイ制度」というものがあります。元々は新卒のコンサルタント向けのプログラムで、新卒社員が入社後3ヶ月くらいの間、シニアコンサルタントあるいはプロジェクトマネージャーと一緒に仕事をしながら学ぶ徒弟制度のようなものです。昨年からは、中途入社の方に対しても、一定期間「ジェダイマスター」が付いて、コンサルタントとしての立ち上がりを支援する、という仕組みにしました。また昨年からは、入社時に実際のプロジェクトに近い形でのケーストレーニングを実施しています。プロジェクトマネージャーと一緒に、ケース課題を解くというものなのですが、これまでは1週間かけてやってきたものを、3日間で、自発的にマネージャーを使いながら、アウトプットを進化させて行くという、より実践に近い形のトレーニングを取り入れて充実させてきました。

movin:

そういったそういうトレーニングの内容は、どのレベルの方で決めていらっしゃるのですか？

藤原様：

プロジェクトマネージャーレベルで決めています。

movin:

ということは、藤原さんが主導して色々とアイデアを出されているのですね。

藤原様：

そうですね。ITCメンバーのプロジェクトマネージャーで議論して作り込みます。

movin:

なるほど。

藤原様：

このような活動を通じて、やはりトレーニングというものは、とても大事だと思うようになりました。もちろん、実際のプロジェクトの中でOJTという形で学ぶのが最も成長できるとは思うのですが。

movin:

そうですね、やはりプレッシャーが違いますからね。
ここ数年でトレーニングの方法をガラっと変えたとのことですが、それにはどのような背景があったのでしょうか？

藤原様：

私自身が学んだことを、プロジェクトの枠を超えて、共有したいと思っただけですね。特に、どのように頭と時間を使うのか？といったコンサルタントとしての動き方やコミュニケーションに関する部分ですかね。効率と品質を上げられるようなトレーニングにしていきたい、という思いで見直しをやっています。

movin:

その見直しについても藤原さんが手を挙げて率先されたのですか？

藤原様：

そうですね、ITCで社員育成にコミットするので是非やらせて下さい、という形で手を挙げました。
いかにジュニアメンバーを育成して行くか？ということは、私個人としても課題だと思っていますし、東京オフィスの組織上の課題だと思っています。このような課題解決に対してコミットしているという感じですかね。

movin:

なるほど、ありがとうございました。ちなみにジュニアなコンサルタントの方々は、ご自身が今後どのようなコンサルタントになりたいのか？といった方向性をメンターや上のクラスの方と相談し、またそれによってアサインされるプロジェクトが決まることもあると思うのですが、そのような長期の育成を考えた際のメンター制度やアサインメント仕組みについてはいかがでしょうか？

藤原様：

はい、メンター制度はプロジェクトマネージャー以下のコンサルタントに適用されています。私も入社直後から今現在に至るまで、メンターには本当にお世話になってきました。思い悩んでいたときは頻繁に飲みにいって、どうすれば改善できるのか、メンターのご経験の中から色々とアドバイスを頂いておりました。ポストコンサルとしてのキャリアパスの相談というよりは、コンサルタントとして力をつけて行くためには、どうすれば良いのかといった相談が多かったですね。メンターとは家が近かったこともあり、また、私自身がその方に憧れてローランド・ベルガーに入社したので、本当によく飲みに連れて行ってもらいました。いつも真面目な話は最初の30分だけでしたが…（笑）。まぁ、こうしたメンター制度も、組織の風通しの良さの1つの実証かもしれないですね。

movin:

ありがとうございます。プロジェクトのアサインメントについては具体的にどのような形で行われているのでしょうか？

藤原様：

アサインメントについては、基本的に希望は言える、もっというと、希望を言うべきである、というカルチャーですね。私自身もそう教わってきましたし、今もそのような考え方は変わっていないと思います。

movin:

なるほど。アサインメントも自由な雰囲気なのですね。

藤原様：

こういう業界のプロジェクトに携わりたい、こういうテーマのプロジェクトに携わりたいというのは、アサインメントパートナーに言うこともできますし、また、社内では月次でどのようなプロジェクトが始まりそうかといった情報が共有されているので、興味のある仕事があれば、その担当パートナーやプリンシパルのところに行って、「この仕事をやりたいです、是非プロジェクトに入れて下さい！」と自由に言えますし、言うべきだと思っています。