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バチカン市国、マッキンゼーとKPMGをアドバイザーに採用-広報と財務構造改善に

バチカンは19日、広報力の向上と財務構造の改善のため、米コンサルティング会社マッキンゼーとKPMGをアドバイザーに採用した。教皇庁は世界のローマカトリック教徒12億人に影響を与える機能の近代化に取り組んでいる。

　両社は当面、バチカン市国の経済構造や行政機構の調査を進める。契約金額は開示しなかった。

　バチカンでは既に財務の不透明性の改善などにアーンスト・アンド・ヤング（E＆Y）やプロモントリー・フィナンシャル・グループが取り組んでおり、それに今回契約を結んだ2社が加わる。財務面の不透明性が前法王のベネディクト16世の退位の原因の1つと言われている。

バチカンは「この決定は、現在進行中の重要な（中央行政の）改革を継続するため、世界で最高の専門性を持つと評価されている企業を誘致するというフランシスコ法王の強い願いを確認するものだ」と述べた。

　マッキンゼーは、バチカンが「一段と機能的、効率的で、近代的」となるために、新聞、テレビ、ラジオなど数多くのメディアを統合する任務にあたる。

　このコンサルティング業務では一般人7人と聖職者1人から成る委員会が、よりよい情報伝達について法王フランシスに進言することができる。
　KPMGは、バチカンに国際基準に沿った会計慣行を根付かせるため支援を行う。
　世界最小の市国であるバチカンは、マネーロンダリング（資金洗浄）との戦いや金融機関の規制をめぐっては他国の規則にならった基準の導入に時間がかかっていた。
　欧州評議会の「反資金洗浄・テロ金融への対応評価専門家委員会」（Moneyval）は先週、2012年に16項目の半分で不合格だった財務構造に著しい改善がみられたと称賛した。
　ミラノのMIPポリテクニックの財務担当教授マルコ・ジョルジーノ氏は「バチカンは小国だが、世界の大国すべてと重要な関係を持っており、財務や会計において最善の慣行や透明性を導入することは極めて重要だ」と述べた。

　教皇庁は先月、 E＆Yを「バチカン行政庁」と呼ばれるバチカン行政の財務を「確認し、これに助言を与える」役に選んだ。バチカン行政庁は観光客で混み合うバチカン美術館などの収入源となっている活動を管掌する。

　法令順守に関するコンサルティング会社プロモントリー・フィナンシャル・グループは現在バチカン銀行にある約1万9000口座を見直している。宗教事業協会という名称でも知られるバチカン銀行で、プロモントリーの仕事は14年に完了する見通し。

　この数週間にバチカン銀行はプロモントリーの幹部ローランド・マランチ氏を頭取に指名した。同行と関係のあった聖職者による金融スキャンダルのなか、前任者は今夏辞任した。

　ジョルジーノ氏は「バチカンにコンサルティング大手や監査法人が関わるのは奇妙な感じがするが（財務において）バチカンがさらに開放的・近代的になるためにそれが必要なら、それでいい」と述べた。