マーサー グローバル年金指数ランキング (2014年度) を発表 日本の年金制度は25カ国中23位

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーは、2014年度グローバル年金指数ランキング「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」を発表した。 当ランキングは、世界各国の年金制度を比較したもので、全世界的に年金制度を比較した最も包括的な調査であるといえる。・「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(2014年度)」 は25ヶ国を対象に実施し、対象範囲は世界の人口の約60%に拡大
・デンマークが3年連続首位を堅持、最下位はインド
・ 日本の指数・ランキングは変化なく下位に留まる
・ 日本は少子高齢化の進展に伴う問題解決など根本的な改善が求められる


東京 2014年10月15日

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーは、2014年度グローバル年金指数ランキング「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」を発表した。
当ランキングは、世界各国の年金制度を比較したもので、全世界的に年金制度を比較した最も包括的な調査であるといえる。
今年度の調査結果でも、世界共通で適用可能な完璧な年金制度は存在しないということが明白になったが、個々の国におけるより良い制度構築のために共有されるべき、多くの共通した特徴が明らかになった。

「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」は今年で6年目になり、2014年の対象国はフィンランド、アイルランド、南アフリカ、イタリア、オーストリアが追加され、
2009年実施当初の11ヶ国から25ヶ国に拡大、全世界の人口の60%近くをカバーしている。各国の公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価をしている。

ランキング首位はデンマークで、2012年より首位の座を保ち、総合指数は82.4であった。また、同国は2012年より最高ランクAの評価を得た唯一の国である。
十分に積み立てられた年金制度や、多くの加入者数、優れた資産構成と掛金の水準、十分な給付レベル、および法令の整った個人年金制度が首位となった主な理由である。
デンマークと共にオーストラリア、オランダは3年連続トップ3の順位を維持している。

日本の年金制度については、昨年2013年より指数・ランキング共にほぼ変化がなく、制度の安定性はみられるも、高齢化社会をめぐる課題に対する取り組みなど、引き続き改善の余地があることが明らかになった。
日本の総合指数は2012年、2013年、2014年ともに44.4であった。各項目の指数にもほぼ変化はなく、最も低い項目である持続性(Sustainability)は28.5、十分性(Adequacy)の項目は48.0、健全性(Integrity)の項目指数は60.9であった。

マーサージャパンの年金コンサルティング部門シニア・アクチュアリーの塩田強は以下の通りコメントしている。

「日本の年金制度の総合評価は前年度と同じであり、ランキングは世界の対象国の中で、前年度と同様に下位に位置づけられる結果となりました。
さまざまな項目の中で、総合評価への影響が大きい所得代替率(現役世代の年収と年金給付額の比率)が低いことが、総合評価が下位となる要因の一つとなっています。
本年度に公表された日本の公的年金の平成26年度財政検証(厚生労働省)では、現状の制度を変更しない場合、少子高齢化の進展に伴う所得代替率の低下が不可避であることを示唆する結果となっており、
将来的に総合評価が良くなることは難しいかもしれません。」

「現在の日本の年金制度には、マクロ経済スライドの見直し、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、高齢期の就労と年金受給の在り方等、数々の課題があります。
今後、永続的に持続可能となる年金制度を構築するためには、これらの課題解決も含め、年金制度の改革を速やかに実行していくことが必要です。
世界各国の年金制度を毎年評価している当指数が、今後の年金制度の改革にあたり少しでも参考になれば幸いです。」

日本の年金制度は、どのように改善しうるか?

マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキングは、各国に対して改善の余地のある部分を提示している。
参考にすることによって、より多くの退職給付金の支給が可能となり、持続可能性が増し、年金制度への信頼も増すことが期待される。

日本の年金制度の総合指数は、下記の方策により向上が可能だと考えられる
・家計貯蓄額の増加
・年金給付額の引き上げに伴う、所得代替率の改善
・(企業年金などの)退職給付の一部を年金所得として取得するよう定める規制の導入
・平均余命の延びに伴い、公的年金制度の支給開始年齢のさらなる引き上げ
・政府債務残高のGDPに対する比率の引き下げ

調査対象国の多くで共通している課題は下記の通り

・平均余命の延びを反映した、退職年齢の引き上げ
・高齢層の労働機会の創出促進
・個人貯蓄の推奨
・強制的および自動加入要素を持つ私的年金制度のカバレッジ増加
・私的年金制度のガバナンスの向上とより高い透明性の追求





「年々平均指数が上昇しているのは喜ばしいことで、年金改革を世界中に提案してきたことが成果に結び付いてきているのを感じます。
2010年における14ヶ国の平均指数は61.7だったのに比べ、2014年に同じ国々を対象とした平均指数は、64.3にも上昇したのです。」


適切なガバナンスが、世界を変える決定的要素となる

2014年のマーサー・メルボルン・グローバル年金指数調査結果からは特に、退職所得制度の信頼性と透明性の重要性が見えてきた。

「多くの国において、退職時の経済的安定を保証する責任は、国家や雇用主から個人へと移行してきています。この傾向は、平均余命が延び続け、多くの政府が高齢層における一人当たりの支出を減らしているため、
今後も続くものと考えられ、あらゆるステークホルダーの関心を引き付けています」とマーサーのシニア・パートナーであり当レポートの責任者でもあるデービッド・ノックス博士は話す。

「透明性を確保し、個人の信用を得ることが、ますます重要になってきています。年金制度において、社会の信用を失うことは、制度の有効性を失う危険性につながります。
行政機関や業務監査機関、金融業界は、適切なガバナンス・フレームワークとその実行のために、明解なコミュニケーション、給付見込額の明確化、比較可能情報へのアクセス等の推進を費用効率の高い方法で確立しなければなりません。」

「年金業界は、全ての利害関係者に対して透明性が高く有意義かつ効果的なメソッドを創出する必要があり、それ以外の選択肢がないという時代になっているのです」とノックス博士は語る。
FACT SHEET ? 調査方法

「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」は、2009年に11カ国を対象として調査を開始。6年目の2014年の対象国はフィンランド、アイルランド、南アフリカ、イタリア、オーストリアが追加され、2009年実施当初の11ヶ国から25ヶ国に拡大、全世界の人口の60%近くをカバーしている。
・対象国の様々な年金制度への取り組みが指数として表される。

・公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価をしている。

・調査では、対象国の年金制度に0から100までの評価が付けられ、「十分性 (Adequacy)」、「持続性 (Sustainability)」、「健全性 (Integrity)」の平均評価値が指数として表される。

・各国の老後の所得保障制度における50以上の質問項目から構成され評価付けされている。

・各項目の評価指数における構成は次の通り
・十分性 (Adequacy)  40%
・持続性 (Sustainability)  35%
・健全性 (Integrity)  25%

定義

・十分性 (Adequacy)  の項目において高い評価を得ている国は、平均以上の最低年金額によって貧困の緩和がみられ、中所得者の所得代替率がよく、老後の所得として定期的に給付を受け取れるシステムがあり、その他の制度が制定されている。
例えば、公的年金が老後の生活に十分なだけ支払われているか、老後のための貯蓄は十分になされているか、等が評価対象になる。

・持続性 (Sustainability)  の項目において高い評価を得ている国では、年金制度に優良なカバレッジ (通常、年金制度の義務化および自動登録などによる)、対GDP年金基金運営資金高比率が達成され、制度の義務化、政府債務が低いことが挙げられる。
例えば、年金が支払われるのに十分な環境が整っているか、平均寿命と支給開始年齢の関係はよいか、国家の破綻のリスクがなく持続可能なものか等が問われる。

・健全性 (Integrity)  の項目では、包括的な規制を設け、年金制度のガバナンスおよび政府と国民間のコミュニケーションにおいて数ヶ国が高評価を得ている。例えば、年金制度をうまく運用するための見直し機能や透明性が担保されているか、また私的年金のスキーム等が評価される。
なお、昨年より世界銀行が発表している世界ガバナンス指数を評価に加えている。

 


マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(2014)
総合指数によるランキング


ランキング   国名   総合指数

1 デンマーク 82.4
2 オーストラリア 79.9
3 オランダ 79.2
4 フィンランド 74.3
5 スイス 73.9
6 スウェーデン 73.4
7 カナダ 69.1
8 チリ 68.2
9 英国 67.6
10 シンガポール 65.9
11 ドイツ 62.2
12 アイルランド 62.2
13 米国 57.9
14 フランス 57.5
15 ポーランド 56.4
16 南アフリカ 54.0
17 オーストリア 52.8
18 ブラジル 52.4
19 イタリア 49.6
20 メキシコ 49.4
21 中国 52.8
22 インドネシア 45.3
23 日本 44.4
24 韓国 43.6
25 インド 43.5
平均 60.6

2014年 10月15日
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