取締役会は「監督型」が最適か、意見分かれる有識者会議

日本企業の取締役会は、米国企業に多くみられる経営陣を監視する「モニタリング型」にするべきか──。政府が成長戦略の一環として策定を目指すコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)のあり方を議論する有識者会議(座長・池尾和人慶応大教授)で、対立する意見が真っ向からぶつかりあった。

海外投資家も注目するポイントだけに、どのような結論になるか市場も注目度を上げていくとみられる。

上場企業の取締役会の機能について、見解の相違が明らかになったのは、20日に開かれた第4回会合だった。

まず、出てきたのは、取締役会は業務執行の監督に重点を置き、膨大な業務執行に関する議論や決定に時間を割かず、収益力の向上に努めるべきだとの意見だ。この主張は、経営共創基盤の冨山和彦・最高経営責任者(CEO)が展開した。

冨山氏は「相当大きな会社でも、実際の決議事項が毎月せいぜい3つか4つしかない会社と、20も30も出してくる会社とがある」としたうえで、取締役会では細かな執行業務についてまで議論するのではなく、会社法の許す範囲で監督と執行を分離し、取締役会は業務の執行状況を監督する役割に徹するべきだと述べた。冨山氏は会議で示したメモの中で「取締役会の中心的な役割・責務は、最高経営責任者その他の経営幹部の選解任と、これらの者に適切な企業家精神の発揮を促すようなインセンティブ付けを行うこと」と指摘した。

また、監査役のあり方にも一石を投じる意見を表明した。日本企業では、内部通報など、さまざまな情報が常勤監査役に集まりやすいとしたうえで、カネボウ粉飾決算、オリンパス(7733.T: 株価 ニュース レポート)事件、大王製紙(3880.T: 株価 ニュース レポート)事件のような経営トップによる不祥事を防ぐため、監査役の候補が最高経営責任者の意向によって指名されないような仕組みづくりを求めた。

この見解に対して、反論を展開したのは日本監査役協会の太田順司会長だった。冨山氏の主張する「監督型」の取締役会のシステムが優れているという前提に立つべきではないと主張した。

経営幹部の選解任や経営者評価が取締役会の中心的な機能だと断定することに「非常に違和感を持っている」と表明。取締役会で何を扱うかは、各企業の実情に合わせて決められるべきだとした。両者の見解をわかりやすく比較しようと「行司役」を務めたのが、東京大学大学院・法学政治学研究科の神田秀樹教授だった。

神田教授は、取締役会の機能について、経営陣の業務執行を監督する「モニタリング型」、業務決定を中心に行う「マネジメント型」、双方の色彩を持つ「ハイブリッド型」に分類。

欧米諸国でもかつてはマネジメント型が一般的だったが、米国では「モニタリング型」が増えていると指摘。その最大の理由は「株式市場の目」が及んだためだと話し、日本でも「株式市場の目」を入れたときに取締役会の機能がどうなっていくべきなのか、コードで記述するべきだとした。

この日の議論では、どちらの見解がより合理的かという結論は出なかったが、米欧の市場参加者はモニタリング型に慣れ親しんでおり、ここでの議論がどのようになるのか注目している。

有識者会議ではこのほか、株主との対話のあり方についても討議され、日本版スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)について、意見が出た。

このコードは金融庁が今年2月、機関投資家による投資先企業との対話促進を狙ってまとめられ、8月末時点で内外160機関投資家が受け入れを表明した。

だが、同コードに関する有識者検討会のメンバーでもある野村総合研究所の堀江貞之・上席研究員は、同コードに関し「弊害が出ていると聞いている」と主張した。

堀江氏によると、機関投資家から事業会社に安易な質問が多数寄せられ、事業会社の担当者の業務に支障が出たり、コード受け入れを理由に面会を求められたりするケースが出ているという。こうした弊害に対応すべく、事業会社は基本的な経営指標を開示すべきだと堀江氏は提案した。

2014年 10月21日
ロイター

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コンサルティングファーム出身者や金融機関出身者、弁護士・会計士等のプロフェッショナルが在籍しているファーム。特定テーマのみならず、事業面・財務面・組織面の課題が連動した全社テーマにも対応し、ハンズオンスタイルで、長期間のコミットを伴うコンサルティングに携わることができる類まれなファームでもある。代表の冨山氏はBCGからCDI設立に参画、その後同代表になり、その後経営共創基盤を設立した。

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