セキュリティ事故の原因、従業員と退職者で4割 投資意欲4割増も世界の半分--PwC調査

プライスウォーターハウスクーパースは5日、「グローバル情報セキュリティ調査2015(日本版)」の結果を発表した。調査の結果、企業の情報セキュリティ投資額は、世界全体平均の年間4.2億円に対して、日本企業の平均は年間2.1億円と2倍の差があることが分かった。また、日本企業の4割以上がインシデントの発生要因を把握できていないことが明らかになった。


 本調査は、PwCがCIO MagazineおよびCSO Magazineとともに、経営層を対象に実施した情報セキュリティや最新のサイバーセキュリティに関するオンライン調査。調査は3月27日から5月25日にかけて、世界154か国の企業のCEOやCFO、CIO、CISO、CSOなど9700人を対象に行われた。日本の回答は219人だった。

 調査によれば、昨年1年間の情報セキュリティ投資額は、世界全体平均の年間4.2億円に対して、日本企業の平均は年間2.1億円と世界全体と2倍の差があることが分かった。

 一方、「今後1年間の情報セキュリティ投資は前年に比べ増加しますか」という問いに対して、「増加する」と回答した日本企業の割合は前回の調査結果(19%)と比べ、約4割増の27%となり、投資意欲は増加していることが明らかになった。

 また、インシデントの発生要因は、外部のハッカーのほか、現行の従業員や退職者、委託業者などが高い割合を占めた。世界全体の結果と比べると、日本企業は「退職者(11%)」や「委託業者(5%)」の回答数が少ないことが分かったものの、インシデント発生要因を「わからない」と回答した企業は、世界全体では18%に対して、日本企業は半数近くの43%に上った。

 さらに、「情報セキュリティの重要性を積極的に訴えかける役員クラスのリーダーがいる」と回答した企業は、世界全体では64%だったのに対し、日本企業の回答は41%だった。
 今回の調査を受けて、プライスウォーターハウスクーパースでは、日本企業が強化すべきセキュリティ上のポイント3つを提言した。

 1つめは、適正なセキュリティ投資。日々複雑化し増大するサイバー攻撃やデジタルデバイスの多様化を考慮すると、「日本企業における情報セキュリティ投資が十分な水準にあるとは考えにくいのが実情」という。企業が自社にとって適切なセキュリティ対策を行うためには、「重要な情報資産の棚卸し」、「社内外にいる潜在的な攻撃者の目線でのリスク評価」、「既存のセキュリティ対策の効果測定」の3点が必要であるという。

 2つめは、内部犯行への対策。日本では近年、退職者や委託業者による個人情報や機密情報の漏えいが数多く発生していることを考えると、発生要因が「わからない」と回答した中には、これらの内部関係者が含まれていた可能性があると同社ではみているという。内部犯行への対策として、退職者や委託業者を含めた内部関係者の範囲の再定義、脅威シナリオの再考、内部犯行に対するモニタリングの環境整備が必要であるとした。

 3つめは、セキュリティ管理のリーダーシップ。2014年7月10日に開催された情報セキュリティ政策会議における「サイバーセキュリティ2014」に、「金融庁において、上場企業におけるサイバー攻撃によるインシデントの可能性等について、米国の証券取引委員会(SEC)における取組等を参考にしつつ、事業等のリスクとして投資家に開示することの可能性を検討し、結論を得る」ことが明記された。今後、サイバーセキュリティ対策は役員全員が取り組むべき重要な経営課題となる。企業は、セキュリティ対策を担当する役員クラスのリーダーを任命し、内部犯行やサイバー攻撃に立ち向かう企業の姿勢を社内外に示すことが求められるようになるという。

 なお、グローバルの調査結果については、大きく3つの特徴があった。

 1つめは、世界全体のセキュリティインシデントの発生件数および被害額の平均はともに大幅増となったこと。1社あたりの年間平均インシデント数は前回の調査結果の3741件から32%増の4948件だった。また、被害額の年間平均は前回の調査結果の2億円から34%増の2.7億円となった。インシデントの中でも、敵対国家によるサイバー攻撃の標的になっているのは、石油・ガス(11%)、航空宇宙・防衛(9%)、テクノロジー(9%)、情報通信(8%)などの業種であり、重要インフラ事業者や知的財産を多く保有する企業が狙われやすいことが分かった。

 2つめは、情報セキュリティ予算は年間平均4.2億円で、前回の調査結果より微減となったこと。セキュリティインシデントの発生件数や被害額が増加しているにもかかわらず、情報セキュリティ投資額は前回の調査結果の年間平均4.4億円よりも4%減少し、年間平均4.2億円だった。業界別では特に、航空宇宙・防衛(25%減)をはじめ、テクノロジー(21%減)、自動車(16%減)、小売業・消費財(15%減)において昨年に比べ投資額が減少した。

 3つめは、セキュリティインシデントの主要発生要因は現行の従業員と退職者だったこと。昨年発生したセキュリティインシデントの主な要因は、現行の従業員(35%)、退職者(30%)、ハッカー(24%)という結果になった。サイバー攻撃のような新しい脅威だけではなく、内部犯行という旧来型の脅威も依然として軽視できないことが分かった。

2014年 11月5日
ビジネス+IT

プライスウォーターハウスクーパース
世界151カ国に163000人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム。、PwCアドバイザリー株式会社が、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社(旧ベリングポイント)、プライスウォーターハウスクーパースHRS株式会社を経営統合し、社名を「プライスウォーターハウスクーパース株式会社」に変更した。M&A/フィナンシャルアドバイザリー、監査、税務を含め、戦略から業務、ITまでトータルで一貫したコンサルティングサービスを提供している。

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