コンサルティング業界が再編成、新生PwCの狙いは

IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の日本企業適用を前に、日本のコンサルティングファームが新しい競争に入りつつある。

 PwC アドバイザリーとプライスウォーターハウスクーパース コンサルタント(旧ベリングポイント)、プライスウォーターハウスクーパース HRSの3社は2010年1月1日に経営統合し、社名を「プライスウォーターハウスクーパース株式会社」に変更すると12月3日に発表した。PwC アドバイザリーはM&Aや事業再生を担い、PwC コンサルタントは経営戦略の立案からITシステム導入までのコンサルティング業務を担当。PwC HRSは組織・人事関係のコンサルティングを提供してきた。

 3社は統合で国内約1600人の人員を抱え、規模では国内有数のコンサルティングファームとなる。監査法人である、あらた監査法人や、税理士法人プライスウォーターハウスクーパースとも協力し、顧客に総合的なサービスを提供する。

 12月3日に会見した新生プライスウォーターハウスクーパースの代表取締役社長内田士郎氏は日本のコンサルティング業界の流れを振り返り、新生PwCを「時代の要請だ」と説明した。同氏によると、1990年代はビジネスコンサルティングとアドバイザリー、テクノロジソリューションが個別に提供されてきた時代。2000年代はビジネスコンサルティングとテクノロジソリューションが融合し、コンサルティングファームやシステムインテグレータ(SIer)から提供されることが多かった。

 しかし、2010年以降は、「複合サービス案件の実行力」「クロスボーダー案件の実行力」「世界で通用する能力」の3つが必要と指摘。「ビジネスコンサルティングとディール、ITの機能を統合するPwCは時代の要請にあっている」と説明した。

 確かにビジネスコンサルティングとITソリューションの提供は多くのコンサルティングファームやSIerが行っているが、加えてM&Aの支援やコーポレートファイナンス、事業再生などを手掛けるディールアドバイザリー部門を抱えるコンサルティングファーム、SIerは多くない。内田氏は新生PwCのライバルとしてアクセンチュアやIBM、そして監査法人系のグループを挙げた。ただ、アクセンチュアやIBMは「メンテナンスやアウトソーシングが主体」(内田氏)といい、新生PwCが狙う「顧客の中に入り込んで一緒に経営課題を解決する」というスタイルとは異なるとの認識だ。

 監査法人系のグループはディールアドバイザリーでぶつかる相手といえる。あらた監査法人以外の大手監査法人(新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、あずさ監査法人)はいずれもグループ内にコンサルティングファームやディールアドバイザリーのファームを抱える。監査報酬の伸びが期待できない中で、各グループともコンサルティングやディールアドバイザリーの業務に力を入れたいところだ。あらた監査法人は「4大監査法人の中で一番小さい」(内田氏)といえ、監査対象企業数は多くない。結果としてコンサルティングサービスの新規顧客を開拓しやすいことも(皮肉なようだが)メリットといえる。

 ただ、国内は市場の低迷もあり、M&Aや事業再生は減少。「2006年をピークにディール件数は減っている」(新生PwCの代表取締役副社長三橋優隆氏)。そのため、新生PwCは顧客数を広げるのではなく、少数の企業に深く入り込み、確実に利益を上げる戦略を採る。内田氏によると新生PwCの顧客数は約150社。そしてそのうち50社で全体の売り上げの8割を占めているという。経営課題が起きてから対応をするのではなく、「すべてのビジネスサイクルに応じてサポートするデマンド−プル型のサービスを提供する」。新生PwCは上位50社に集中することで、今後3年間に年率15%の成長を目指す。陣容も1600人から2500人に増やし、ほかのコンサルティングファームと差別化する考えだ。

2009年 12月5日
atmarkIT

プライスウォーターハウスクーパース
世界151カ国に163000人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム。、PwCアドバイザリー株式会社が、プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社(旧ベリングポイント)、プライスウォーターハウスクーパースHRS株式会社を経営統合し、社名を「プライスウォーターハウスクーパース株式会社」に変更した。M&A/フィナンシャルアドバイザリー、監査、税務を含め、戦略から業務、ITまでトータルで一貫したコンサルティングサービスを提供している。

プライスウォーターハウスクーパースについて

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