監査法人が行っている医療コンサルティングサービス キャリアコンサルタント特集コラム

決算書のチェックを行う「会計監査」や、情報処理システムの分析・評価を行う「IT監査」などの監査業務をメイン事業とする監査法人ですが、近年はアドバイザリー事業に力を入れる企業も増えてきました。中には、アドバイザリー事業部の中にライフサイエンス・ヘルスケア業界に特化したユニットを持つ監査法人も存在し、医薬品メーカーや医療機器メーカー、病院・介護事業者などに対してアドバイザリーサービスを提供しています。

まずよく勘違いされることですが、監査法人は監査クライアントに対してコンサルティングサービスを提供することは禁止されています（公認会計士第24条）。そのため、監査法人のアドバイザリー事業部では非監査クライアントに対してコンサルティングサービスを提供しています。
またコンサルティング内容は多岐に渡ります。ガバナンス方針の策定、コーポレート・ガバナンス体制の構築、内部統制支援、リスクマネジメントなど、主業務である監査業務に近しい分野のコンサルティングもあれば、M&Aにおける財務デューデリジェンス、中期経営計画の策定支援、販売組織体制構築支援、新規事業創出支援など、ビジネスに寄ったコンサルティングも行っています。
製薬や医療機器は人の命に直結する重要な役割を果たす商材ですから、新規事業創出や営業・マーケティング改革、臨床開発など、どの分野においてもリスクは重要なイシューになります。そのため、その分野に強みを持つ監査法人のアドバイザリー事業部に依頼が来るケースも多いようです。リスクマネジメントからビジネスまで幅広い領域でコンサルティング業務に関わりたいとお考えの方にとって監査法人のアドバイザリー事業部は魅力的な環境と言えるでしょう。

査法人なので会計士の方が多く在籍していると思われがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。もちろん公認会計士（CPA）や米国公認会計士（USCPA）の資格を持つ方も在籍していますが、他コンサルティングファーム出身者や製薬会社のMR、薬剤師、医療機器メーカーのカスタマーサポート、メーカーの法務出身者など、幅広いバックグラウンドを持った方が在籍しています。
転職を考える際に、俎上に乗らないことも多い監査法人のアドバイザリー事業部ですが、この機会に一度検討してみてはいかがでしょうか？