宮沢 孝夫氏

東京大学大学院工学系研究科(航空学)を修了後、野村総研に入社。技術系リサーチ・コンサルティングを担当した後、UCLAビジネススクールに社費留学。帰国後は同社経営コンサルティング部にて主に製造業界の経営コンサルティングに携わったのち、ボストン・コンサルティング・グループに転職。戦略コンサルとして大手企業の営業マーケティング戦略・新規事業戦略策定など数多くのプロジェクトを手掛けたのち、TMJに取締役で転職。

航空エンジニア志望から戦略コンサルへ

movin'

今日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。

宮沢 孝夫氏

こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。

movin'

では早速ですが、大学を卒業されてからどのような経緯で今のような仕事をされるに至ったのか伺わせて下さい。

宮沢 孝夫氏

では、昔から順を追ってお話しますね。
まず、'80年に東大工学部の航空学科を卒業して、同大学院に進学し、飛行機やエンジン、ロケットなんかの勉強をしてました。
82年に修士課程修了後は、野村総研に入社して技術系のリサーチやコンサルティングを手掛けていました。

movin'

えっ!?、ちょっと待ってください、航空学科ならそのまま航空業界や製造業に行く人が多かったのではと思いますが、何故またシンクタンクへ就職しようとお考えになったのですか?

宮沢 孝夫氏

当時の航空業界にはあまり魅力を感じませんでしたね。重工系企業は私には官僚的過ぎたし。
本当は技術者になりたかったんですよ。
でもビジネスとか経営というのも面白そうだったので、「技術的なものを完全に捨てるのでなくビジネスとか経営について学べるところはどこか?」ってことで探していて、縁あって野村総研に決めたわけです。
自由な雰囲気も気に入りましたしね。

movin'

なるほど。

宮沢 孝夫氏

その後'85年から87年までの2年間、社費留学でUCLAにMBA留学してきました。

movin'

社費留学ですか、それは羨ましいですね(笑)ちなみに、留学前にはどのようなキャリアビジョンをお持ちだったのでしょうか?

宮沢 孝夫氏

一言で言いますと、「技術系の新しい会社の社長になる!」ということです。
これは野村総研入社当時から持っていたビジョンで、いつか自分の組織や商品を創って育てることをやってみたいと思っていましたね。
このMBA留学は、いわゆる"経営系"の考え方や知識の基礎を身に付ける上で、役に立ちました。

movin'

なるほど。そのビジョンが今に繋がっているわけですねそしてご帰国後は?

宮沢 孝夫氏

留学前は技術系のリサーチ・コンサルティングプロジェクトが多く、例えば自動車技術の予測や人工衛星を使った航空機事故・海難事故の捜索救難システムのフィージビリティ調査のためにアメリカに調査に行ったりしていました。
帰国後は野村総研に戻り、経営コンサルティング部門に異動になったのですが、その当時はバブル景気の真っ只中にあったせいか、長期ビジョン作りや新規事業開発などが流行っていましたね。
その後'92年に、縁があってボストン・コンサルティング・グループ(以下、BCG)に転職しました。

movin'

BCGではどんな仕事をされていたのですか?

宮沢 孝夫氏

BCGでは'96年までの4年間で、業種業界としては通信会社・医薬品・タイヤメーカー・文房具・タバコ会社・セメント会社などなど、そして内容的には営業戦略やマーケティング戦略策定、意思決定を早くするための組織変革などなど、ホント様々なプロジェクトに携わりましたね。

movin'

戦略コンサルタントを経験して良かったこと・学んだことなどありましたら教えて下さい。

宮沢 孝夫氏

そうですね、プロセスではとても大変なことも多かったですが、結果としてはもの凄く勉強になりました。
まず何と言っても、「経営とは何か?」ということをとことん突き詰めて考えることが多く、「モノの見方・考え方」が相当鍛えられたと思います。
また、インタビューや説得、分析や発想、レポート作成・プレゼンなどを通じて、経営実務のノウハウを叩き込まれたと思います。

「もっと感情移入できる仕事を」~戦略コンサルからの転身~

movin'

その後、ご自身のビジョン達成の大きな一歩として、現在のTMJに転職をされたということですね。

宮沢 孝夫氏

そうです。戦略コンサルの仕事はそれはそれでとてもやりがいのある面白い仕事ではありましたが、やはり自分としてはもっと感情移入のできる仕事をしたかったわけです。
先程も申しましたが、自分の組織や商品を創って育てる面白さを是非実現したいと考えました。

movin'

TMJのどんなところに魅力を感じたのでしょうか?

宮沢 孝夫氏

転職先選びの基準としては、
1. 自分が興味を持てて、これから伸びる分野の事業で、
2. 組織がまだ小さくて自分で自由に動ける環境があり、
3. 一緒に働きたいと思える人がいる
という3つの基準を持っていました。
テレマーケティングという分野には非常に興味がありましたし、会社や事業の規模も当時は現在の3分の1ほどでしたので、自分が創造できる余地が大きいと感じました。
また、現在の社長がまさに「一緒に働きたい」と思わせるような人物だったのです。

movin'

TMJ入社後はどんな仕事を手掛けてこられたのですか?

宮沢 孝夫氏

最初の2年は、経営本部長として直接的には経営企画や人事、経理・財務、総務の責任者をしてました。
ただ実際には、営業戦略の立案や、R&D室を創設して、コールセンター部門のレベルアップ、トレーニングプログラムの開発などをリーディングしてました。
また、金融業界が伸びそうだったので、3年目はDRM(Direct Relationship Marketing)事業本部という、金融向けコールセンター事業を展開する新組織を作り、事業本部長をしましたが、今ではオンライン証券業界ではNo1 というまでに事業が成長しております。

movin'

ご活躍のようで何よりです。
ただ、コンサル業界から移られた当初は様々な苦労があったのではないかと思うのですが・・・。率直なご感想を聞かせて下さい。

宮沢 孝夫氏

自分自身に戸惑いはなかったですが、社内で多少反発はありましたね。
仕事の進め方やキャラクターなどカルチャーの違いがあったからなのでしょうか。入社当初は社内を説得して回ることが大変でした。
自分の指示系統下にない人達を説得し動いてもらうのには本当に苦労しましたね。
でもコンサル業界で嫌と言うほど揉まれてきましたし(笑)、自分が展開しようとすることを社長が支持してくれていたので助かりました。

movin'

現在はいかがでしょうか?

宮沢 孝夫氏

現在は、事業を考える、組織を動かす難しさというのを実感しています。
市場も大きくなってきて、スマートな先行企業もいるし、新規に競合も参入してきていますので、絶えず自分達のやっていることややろうとしていることを見直して、自分達を変革し続けていかないといけませんよね。
今は「CRM」が一つのトレンドになっていますが、システム専門の人がCRMという言葉を使いながらデータウェアハウスを作ったりCRMパッケージソフトを入れることが目的になってしまっていますよね。
でも本来CRMというのはマーケティングのことなんですよね。
BCGが以前使っていた「セグメント・オブ・ワン」(注:顧客一人一人に合わせて、提供する製品やサービスなど付加価値の内容をカスタマイズする戦略のこと。BCGの登録商標)のことですよね。
ですから、コールセンター業務も単にかかってきた電話に応対するだけといったような「処理業務」から、見込み客を顧客に変える、一度お客様になった方を維持するための方策を仕掛けるという「マーケティング業務」に変わってきているわけですよ。

movin'

なるほど。そのような変化の激しいビジネスを展開していく中で、自分自身を支えてくれている「モチベーション」とは何なのでしょうか?

宮沢 孝夫氏

ビジネスでは、自分の考えや行動が結果として反映されてきますし、その過程で社員が共感してくれたり、変わって行ったり、潜在力のある人が成長する姿を見られるという面白さがモチベーションになっていると思います。
こういうのはコンサルではなかなか経験できるものではないですね。

ポストコンサルキャリアを目指す方へのメッセージ

movin'

今後のキャリアビジョンはどうお考えなのでしょうか?

宮沢 孝夫氏

今のところで失望することのない限りは、ここでこのまま骨を埋める覚悟でやって行きますよ。
より長期的には、ひょっとすると自分で焼き鳥屋をやるとか、技術はあるけどビジネスができないITベンチャーなどをいい会社にすることなんかもありかなと思いますね。
いずれにしても、自分は原始的な事業を"企業"に変革していくということに強い興味がありますので、そういったことをやり続けていきたいと思っております。

movin'

なるほど。今後は事業をどうして行きたいとか、どんな人と一緒に働いてみたいといったお考えを聞かせて下さい。

宮沢 孝夫氏

今後は、企業規模ではまずは業界第3位になるとともに、今の組織をもっともっとマーケティング志向の組織に変革していきたいと思いますので、チェンジリーダーとして自分で企画を立てて、それを着実に推進できるパワーのある人にとても興味を感じます。
このような資質を持っていて、かつ戦略などのコンサルタントして2年以上の実務経験、もしくはプロマネ経験がある方なら、今後会社をより強い会社に変革していくための戦略立案と実行のリーディングや、アライアンス、海外進出などの企画・推進を担って頂きたいと思っています。

movin'

それでは最後に、ポストコンサルキャリアを目指す方へのメッセージをお願いします。

宮沢 孝夫氏

自分の興味のあるもの・好きなことや、「自分は何になりたいのか?」ということを突き詰めて考えるべきだと思います。
そういうことをはっきりと自分で認識していて「信念」と呼べるようなものを持っている人は迷いがないので、目先の条件に振り回されたりして不幸になることはないですよね。
信念のある人は最後に負けることはないと思いますよ。 でも、コンサルでは最低2年は頑張ってみた方がいいね。できればもう少しいた方がいいけどね。

movin'

宮沢さん、セミナー講演の合間のお忙しいところにお時間頂き、どうも有難うございました。

宮沢さんのプライベート

movin'

ストレス解消法は?

宮沢 孝夫氏

体を動かして汗をかくこと。テニスをやったり、ジムで走ったりしてます。

movin'

お薦め書籍は?

宮沢 孝夫氏

15年以上前に読んだ大前研一さんの「経営参謀」。あれはあの当時目からウロコでした。

movin'

もし人生やり直せるとしたら・・・???

宮沢 孝夫氏

日本の大学には行ってなかったですね。アメリカかヨーロッパか分かりませんが。
日本での(大学・大学院時代の)6年間は「レジャー」だったから、ちょっと無駄だったかもしれないね(笑)
BCGにも、もっと早く入りますよ。短期間で集中的に学べるから。

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コンサル1年目の転職 求人特集

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特集 外資系コンサルの転職先

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