日本国内のMBAは意味がない？

MBAは特定の国家資格のような独占業務がありません。弁護士や税理士のような士業が典型的な例でしょう。
例えば弁護士は、法律に関する幅広い知識を持ち、さまざまな業務ができます。弁護士が法律に関する業務を行えるのは、弁護士資格を持っているからです。そのため、資格を持っていない人は、弁護士と同じような業務ができません。
MBAは修士であり、弁護士のような資格ではありません。MBAがあっても会社経営においては経営知識が必要になるものの、MBAの有無は関係ありません。そのため、「独占業務がある資格と比べて意味が薄いのでは？」と思われがちです。

MBAを取得すれば年収がアップするのか、昇進できるのか、というと保証はありません。士業の資格のように取得すればすぐに効果が発揮されるようなものでもありません。
もちろん多くの知識をインプットすることが可能であり、それらを実際の業務に活かすことや、多様性のある環境で様々人と出会うことが出来、将来的にはビジネスで何かコラボレーションが生まれるかもしれませんが、目に見えた結果、というところを見ると具体的なメリットが分かりにくいかもしれません。

国内でMBAをフルタイムで取得する場合、入学金だけでも30万?100万円、授業料は年額で50万?200万円ほどかかります。フルタイムではなく、パートタイムやオンラインでの取得も可能ですが、それでも上記の7割から8割程度かかります。
ビジネススクールが忙しく現職やプライベートとなかなか折り合いがつかず仕事を休んだり、辞めて取得される方も中にはいらっしゃいますが、そうなれば収入も減ってしまい、「お金」という負担が残ってしまい、その大きさを考えた際にMBA取得に意味があるのか？というと疑問視される原因になっています。

費用面と同じですが、仕事をしながらビジネススクールに通うことは、どうしても労力がア掛かります。予習復習や日常のレポートはもちろん、ディスカッション・発表など過密なスケジュールを送り、普段の業務をこなしながら、勉強の時間を確保しなければなりません。物理的に時間も犠牲になるでしょう。
過密スケジュールで苦労したのに得られるメリットが不明確のため。労力と見合わないと思われてしまいます。

キャリアを考えた際に、MBAが転職に有利か、というと実際には限られた会社のみであり、且つ評価の一部になっており、その企業でも選考においては、これまでの実務経験を重視しします。
また机上の空論ではないですが、勉強で得る知識より、実際に現場で体験した方がより成長できるといった考えもあります。MBAにより志向が固まってしまい、現在目まぐるしく変わるビジネス情勢において柔軟な思考が出来なくなってしまうといったケースもあり、MBA取得のメリットを感じないという面があるようです。

ビジネススクールでは基本的な経営学やマネジメントにプラスして時代に合ったカリキュラムが用意されているため、幅広い内容の学習をこなすとともに、未知の問題を解決する実践的な力が養われます。
ビジネス環境変化のスピードが激しい現在において、決まった手法ややり方もない中、どのような視点で解決していくべきなのか、という力を身に着けることができます。

ビジネススクールでは経営に重要なヒト・モノ・カネの3要素から経営戦略やマーケティングなど、経営に関わるスキルを習得できます。
もちろん、すぐに経営が出来るかと言われればイコールではなく、実際の現場経験も重要になりますが、必要な素養が学べることで、普段の業務においても経営者目線で従事することで自身のスキルや成長にもつながります。

MBAの科目では思考・コミュニケーションがあり、ロジカル力や様々な人たちと関わることでコミュニケーション能力も鍛えられます。コンサルスキルとしても注目されているロジカル、論理的思考能力ですが実際のビジネスにおいても様々な場面で活用できるほか、ビジネスにおける決断力も磨かれるかと思います。

MBAには様々なバックグラウンド持った方が集まっています。お互いに切磋琢磨することにより「学習仲間」というわけではなく、ビジネスにおいても大きな人脈ネットワークになります。もちろん大きな刺激にもなりますし、例えば将来起業したときにビジネスパートナーにもなりうる可能性もありますので、人生においても大きな財産になります。

MBA取得により、業績向上から昇格、昇給などの変化がある方も多く、さらには外資系企業をはじめ、企業によってはMBA歓迎の企業も多いためキャリアチェンジ、キャリアアップを経てビジネスプロフェッショナルとしてのキャリア形成が出来ている方も多いです。また中には、起業した人もおり様々なキャリアの可能性が広がっています。