movin:
本日はお時間をいただきありがとうございます。
早速ですが、三治様が所属されている産業戦略グループの概要についてお伺いできますか?
三治様:
産業戦略グループは、事業戦略ユニットの中の1グループという位置づけで、新しい産業を興していくことを先導者として導いていくことをミッションとした組織です。私自身が当初1名からスタートしたのですが、現在はコンサルタントも10名を超えて、スタッフを含めて20名規模の組織になっています。
主なお客様は経済産業省、NEDOを中心とした官公庁と、ロボットや再生医療など最先端の産業に関わる民間企業の大きく二つに分かれます。官公庁のお客様ですとリサーチ等を通じてファクトを積みあげていくことが求められますが、民間企業様ですと仮説をもとに説得力を持った形でストーリーを提供してくことが求められます。つまり、産業をベースにした政策を立案していくことに貢献していくのか、金銭的価値を生み出していくことに貢献していくのかというところに大きな違いがあります。私たちは、産業を起点に官公庁と民間の両方を対象にすることをコンセプトに活動しています。その中で、ロボットを中心としたものづくりと、再生医療や遺伝子検査等を中心とした先端医療の大きく二つのテーマを扱っています。
ものづくりにしても先端医療にしてもそうなのですが、新しく産業を立ち上げていこうとすると、資金需要の不足や目の前の業務に追われてしまって、本質的な部分にリソースが回らないということが往々にしてあります。私たちは国のリサーチをベースとして国の方針等に関与しながら、産業貢献するために民間企業のコンサルティングも行っています。
movin:
官公庁と民間の割合はそれぞれどの程度でしょうか?
三治様:
3月は一時的に官公庁の案件が増えますが、全体で言うとおおよそ半々です。官公庁分野で培ったネットワークを民間企業のコンサルティングに活かしたり、民間企業のコンサルティングをする中で我々NTTデータ経営研究所のコンサルタントの一人一人が現場のリアルなニーズを持ち帰って政策にフィードバックしたり、お互いにシナジーを生み出すことができています。私たちはものづくりの中でも技術を起点としたコンサルティングを手掛けており、その中で官公庁と民間企業双方のコンサルティングを継続していくことでより力強い組織になっていくと考えています。知的財産など、ある特定のシーズを他の事業にどう展開していくかといったコンサルティングも手掛けられるようになってきました。
movin:
官公庁案件と民間案件の双方での生まれるネットワークがうまくシナジーを生んでいるわけですね。
三治様:
そうですね、私たちは産業をベースにコンサルティングを行っているので、あらゆる学会や講演会に足しげく参加するようにしています。業界団体を対象としたコンサルティングを手掛けることもあります。
movin:
具体的には、どのようなテーマのプロジェクトが多いのでしょうか?
三治様:
事業戦略のコンサルティングです。特に新規事業戦略が多いです。シーズをもとに、他社とのアライアンスなどを通じて、具体的な事業をプランニングして実行フェーズまで持っていくことができるのが我々NTTデータ経営研究所の強みです。
movin:
異業種参入のような案件も多いのでしょうか?
三治様:
異業種参入案件も多いですね。自分たちの価値って自分たちでは気づかないことも多いんです。その技術を必要としているマーケットを指摘したり、具体的に事業化するための提携先を提案したり、といったことを行っています。
ただし異業種参入にこだわっているわけではありません。強み・弱みをしっかり分析させていただいて、どのマーケットでどのように戦っていくのが良いのかを提案させていただいております。
movin:
その場合、技術的な知見もやはり必要になりますでしょうか?
三治様:
そうですね。技術オリエンテッドでコンサルティングさせていただけるところは我々NTTデータ経営研究所の強みの一つです。例えば、技術的な価値を評価させていただくといったことですね。
私はこの業界に何年もいますので、我々が特許や論文等を分析しご提案することが可能です。
movin:
再生医療とロボットでは必要とされる技術知見はかなり異なると思うのですが、それぞれの分野で専門家のような方も在籍されていらっしゃるのでしょうか?
三治様:
はい。ものづくりと先端医療でそれぞれ専門とするコンサルタントが分かれています。一方で、知財や技術価値評価といった横串で連携を取るメンバーもいます。より深い知見を獲得していくことができる組織体制を取っています。
movin:
官公庁向けとしてはどのようなテーマのプロジェクトが多いのでしょうか?
三治様:
研究開発のプロジェクトが多いですね。ロボットやIoTなど幅広くものづくり分野に関わります。他のシンクタンクやコンサルティングファームでそういった領域に手を出している会社はまずないと思いますので、その点は我々NTTデータ経営研究所の特徴の一つです。実際にNEDOの先導調査研究のプロジェクトでも我々が採択されています。それは業界団体とアカデミアを結んで新しい素材開発を行っていくプロジェクトだったのですが、NTTデータの冠を付けたある種半官半民的なNTTデータ経営研究所だからこそ、中立的な立場で事業推進できると考えています。
movin:
他に、他社との違いや特徴といった点はありますか?
三治様:
私自身、ロボット業界のコンサルティングを10年以上続けていますので、過去の失敗、成功体験を多く持っているのが特徴です。もう一つは、グローバルでのナレッジが豊富な点です。展示会も含めて毎年のように中国・アジアや欧州、アメリカに足しげく通い現地で見た情報をもとに提言しているので、その点ではクライアントから信頼を得られていると感じています。
また一企業のコンサルティングにとどまらず、産業全体として盛り立てていくという視点は我々NTTデータ経営研究所ならではの面白さだと思っています。一企業からロボットというテーマで新規事業立ち上げのプロジェクトを任せられるという話は他のコンサルティングファームでも聞きますが、それだと産業全体の視点のあるコンサルティングはできないんです。我々NTTデータ経営研究所は官公庁からの依頼も請負い、大きいドライビングフォースがどうなるのかを予見しながら、民間企業のコンサルティングもさせていただくので、一企業にとどまらない視点を提供させていただくことができると考えています。
movin:
ロボットなどのものづくりと再生医療や遺伝子検査などの先端医療の両方を手掛けているというのも珍しいですよね?
三治様:
そうですね。今は、一つの業種だけで事業展開している企業様も少ないので、ヘルスケアやものづくりといった視点で業界横断的な仕掛け、仕組みをご提案させていただけるところは我々NTTデータ経営研究所の強みですね。
movin:
先ほど海外へ足を運ばれるケースも多いとのお話しがありましたが、海外関連のプロジェクトも多いのでしょうか?
三治様:
海外関連のプロジェクトも非常に多く手掛けています。最近はタイのマヒドン大学やティーセルズという政府機関とパートナーシップを結び、タイのロボット産業やヘルスケア産業に貢献するということを行っています。何故タイなのかというと、タイはロボット開発を進めており実証の場としてロボットを使ってみたいという方が多いんです。そういったモチベーションをうまく活用させていただいてパートナーシップを続けています。
このように、今後もグローバルな活動を志向しています。
movin:
タイでロボットを活用することに対してのモチベートが高いのは何故なのでしょうか?
三治様:
タイの現地の方々が、ロボットなどの先端産業を活用してみたいという意欲が高いからです。日本人の場合あまり感覚がないかもしれませんが、例えばアメリカ人の場合、ロボットを見たときに「自分の労働を奪うかもしれない」と思う方が多いんです。そのような国民性の違いがあります。
movin:
国によってそのような違いがあるのですね。それはいろいろな国を見てきている御社だからこそわかることですね。海外関連ですと、他にはどのようなプロジェクトがありますか?
三治様:
海外進出支援もありますし、日本への技術導入支援などもあります。日本の良いものを海外にという側面と、日本を実証の場として使ってもらうために海外から技術を日本に持ってきてもらうという両側面で支援を行っています。行ったことのない国がないというぐらい多くの国々へ実際に足を運んでいます。
他に特徴的なプロジェクトとして、オリンピック関連のテーマも扱っています。現在はロボット国際競技大会のロボットの新戦略に挙げられている協議体の運営事務局支援を行っています。
movin:
旬なテーマも扱われているわけですね。
現在は最先端の産業分野の中でもロボット、再生医療、遺伝子医療といった領域が多いようですが、今後注力されていかれるテーマは決まっていらっしゃるのですか?
三治様:
ロボットや再生医療に限らず、ものづくり、先端医療といった枠組みで広くテーマ設定していこうと考えています。例えば、先端医療の適用に際しての規制の枠組みなど、産業の立ち上がり時期というのは制度面が整っていないことが多いので、そういった部分からコンサルとして入っていくことも多いです。
制度面からもコンサルティングできるのは、官公庁からの依頼も受けることが多いNTTデータ経営研究所ならではです。ただし、民間企業の皆様の活動を阻害しないニーズをしっかり提供していくことも意識しています。
movin:
新産業や最先端といった領域ですとベンチャー企業のクライアントも多いのでしょうか?
三治様:
そうです。
movin:
その場合、コンサルティングを依頼できる資金余力がない企業様も多いと思うのですが、その点はいかがでしょうか?
三治様:
それは誤解です。ベンチャー企業もお金をかけてより高い価値を付加していきたいと考えていますし、本気であればあるほどお声をかけていただくことが多いです。
また資金調達の支援を行うこともあります。ベンチャーキャピタルのようなところをご紹介したりもしますし、官公庁のプロジェクトに応募していただくようなこともご提案させていただきます。
movin:
逆にベンチャーキャピタルからの依頼などもありますか?
三治様:
あります。技術、デューデリ部隊もいますので、大企業からのM&Aに関わる依頼にも応えられますので、機会があれば今後積極的に関与していきたいと思います。
movin:
プロジェクトは掛け持ちで担当されることが多いのですか?
三治様:
掛け持ちもありますが、大型のプロジェクトもありますので、専任でやってもらうということもあります。常駐支援でのコンサルもあります。
また再生医療とモノづくりでそれぞれ10名ずつのチーム編成を行っており、なるべく関連するプロジェクトで複数経験を積み、より深い知見をご提供できるようにしています。もちろん協働でプロジェクトチームを組むこともあります。
地方のクライアントが多いのではないかと聞かれることもありますが、多くは都内をベースとした企業様です。
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