VMwareとの連携強化でバックアップ操作を簡素化

　日本ヒューレット・パッカードの「HP Data Protector software」は、仮想環境やデータベースなどにも対応したバックアップソフトである。最新版の「6.2」で仮想環境への対応強化と操作の簡素化、 TCO削減のためのライセンス体系変更を実施した。

　システムの構成要素は、大きく分けて三つある。（1）「Cell Manager」はバックアップのプロセスを集中管理するサーバーソフト。（2）「Disk Agent」はバックアップ対象となる業務サーバー上で稼働し、データを転送するエージェントソフト。（3）「Media Agent」はバックアップ先のストレージを接続したマシン上で動作するソフト。このうちDisk AgentとMedia Agentは、同一サーバー上で動作させることもできる。

　オプションで、業務システムの稼働中にバックアップする「オンラインバックアップ」が可能。対象となるサーバーアプリケーションは、SQL Server、Oracle Database、DB2、Sybase、Informix、Exchange Server、Notes/Domino、SAP R/3、VMware vSphereなど。

　最新版ではVMware環境への対応を強化した。仮想マシンの稼働状況を一覧表示し、1回でバックアップ設定が完了する。これにより、複雑化する仮想環境全体を把握し、仮想マシンのバックアップ漏れを防止する。VMware vStorage API for Data Protectionに対応しており、仮想マシンの増分/差分バックアップや、バックアップ/リカバリの並行実行が可能。また、VMware環境の各アプリケーションのファイルを個別にリストアできる。

　操作を簡素化するために、バックアップ対象となる物理/仮想マシン、ストレージ、アプリケーションなどを一元管理できる管理画面を用意した。この管理画面から、ワンクリックでバックアップ/リカバリを実行できる。特に災害復旧のために、異種ハードウエアへのリストア機能や、Linuxにフル対応した拡張自動障害復旧機能（EADR）を提供する。また、Exchange 2010 Data Availability Group（DAG）との連携によるシンプルなバックアップのほか、無停止バックアップ機能やインスタントリカバリ機能を拡張した。

　導入費用を抑えるために、無制限のクライアントライセンスを無料で提供し、物理/仮想サーバーの台数やCPUコアの増加に影響されないライセンス体系を採用している。最新版からは「スターターパック」を基本ライセンスとし、管理サーバーのプラットフォーム別に使用権を設定するようにした。

2011年 4月14日
Itpro

日本HP
2007年に総売上高で1000億ドルを超え世界第1位のIT企業となったコンピュータ関連企業。1963年に日本の横河電機とヒューレット・パッカードとの合弁企業、横河ヒューレット・パッカード (YHP) として設立。最近では、データセンターを中心とするIT基盤、および企業、個人、公共・公益におけるITサービスの変革に向けて『HP Cloud』を展開しており、その中で、クラウドを取り込みながらITサービスの最適化を実現する『HP Hybrid Delivery』ソリューションを提供している。また、クラウド環境の設計・構築・管理・運用のアーキテクチャの提供だけでなく、クラウドの企画段階までをサービスで体系化している。

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