中国進出企業のマーケティング戦略、欧米系と日系で異なる―アビーム調べ

コンサルティング会社の アビームコンサルティング株式会社 は2005年3月28日、中国に進出する外資消費財メーカーについて、販売・マーケティング活動の実態調査を行い、その結果を発表した。

調査対象は、中国で国内販売を行っている日系・欧米系消費財メーカー72社。内訳は、日系企業43社、欧米系企業29社。

日系企業の業種は、飲食料品33%、繊維/アパレル/履物19%、医薬品/化粧品7%、電気/機械製品9%、輸送機器5%、家具/陶器2%、生活用品/雑費5%、その他21%。

欧米系の業種は、飲食料品31%、繊維/アパレル/履物10%、医薬品/化粧品21%、電気/機械製品14%、輸送機器3%、家具/陶器7%。

調査の結果、中国市場に進出する欧米系企業と日系企業では、販売戦略やマーケティング戦略で、ターゲットとする市場や顧客層、投入製品群に顕著な相違があることがわかった。

欧米系企業と日系企業が中国国内で内販を開始した時期は、欧米系企業では1991年から1995年までの5年間が多いが、日系企業は2001年以降が21%だった。

これら企業のうち、欧米系企業の69%が「中国全域」を対象に「中級品」「普及品」を販売しているが、日系企業の63%は「大都市部中心」「都市部」で「高級品」「中級品」を中心に販売している傾向がある。

また、マーケット動向調査の情報収集方法として「街頭などでのアンケート」「イベント会場でのアンケート」を、欧米系企業の41%が重視しているが、日系企業の14%、19%しか重視してない。

顧客とのコミュニケーションも、欧米系企業の69%がコールセンターを利用しているが、日系企業は21%に留まっている。一方、販売チャネルからの情報を重視すると回答したのは日系企業44%で、欧米系企業の14%の約3倍となっている。

このことから、情報収集において欧米系は直接的、日系では間接的と対照的なアプローチをとる傾向にあることがわかった。また、収集した情報は、欧米系企業の半数前後が電子データとして社内で共有しているが、日系企業では僅か10%台に留まっていることがわかった。

1年間に投入した新製品の比率が3割以上を占める欧米系企業は52%だが、日系企業では31%だった。欧米企業の5割以上が「新製品の現地でのテスト販売やモニターを重視する」と回答しているが、日系企業では24%だった。さらに「現地での製品企画開発を重視している」のは、欧米系企業の41%、日系企業では僅か12%だった。

現地での販売・マーケティング活動に関わる意思決定に関しても、60%の欧米系企業が「現地における経営ガバナンスが整備されている」ことを挙げ、さらに47%が「本国で現地をモニタリングできる仕組み」を挙げている一方、日系企業は「現地主導の基本方針」を挙げているところが全体の50%に達している。

中国語が母国語でないトップマネジメントを対象にした中国語のスキル調査では、欧米系企業71%が、ビジネスに必要な中国語を話せると回答したが、日系企業は16%に留まった。

調査を担当したアビームリサーチのディレクター、木村公昭氏は、「中国消費財市場で日系企業は出遅れており、欧米系企業との格差は一目瞭然だ。……今回の調査結果は、中国内販ビジネスの拡大を狙う日系企業は、中国戦略を早急に見直し、本格的な事業展開に向けた取り組みを開始すべき時にあることを示している」と、コメントしている。

なお同社はNEC と2004年11月に資本提携を含めた戦略的な提携関係で 合意 しており、NEC は約100億円を出資して、同社の議決権付き株式の3分の1強を保有している。

2005年 11月7日
Yahoo News

アビームコンサルティング
1981年4月に等松・青木監査法人(現有限責任監査法人トーマツ)マネジメントサービス部門より独立、等松・トウシュロスコンサルティングとして設立された。その後、2003年に監査法人トーマツと資本関係を解消、デロイト トウシュ トーマツからも脱退し、同時にデロイトコンサルティンググループから離脱した台湾オフィスと共同で独立したコンサルティングファームを形成する。外資系コンサルティングファームとは異なり、意思決定は全て日本で行い、日本特有の文化・慣習を熟知したコンサルティングファームとして、多くの日本企業の経営改革や海外進出をサポート。特にアジア圏におけるグローバル戦略において、幅広い実績を挙げている。

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