臨床医から産業医へ転職する方も多くなっています。
特に、産業医は長時間労働や不規則な勤務形態ではないので、ワークライフバランスを重視できる点は、多くの医師にとって大きな魅力といえるでしょう。
また、医療知識と企業の労働環境に関する専門知識を融合させたスキルが求められるため、キャリアアップのチャンスも豊富です。
本記事では、産業医の最新の採用動向や転職するメリット・魅力などについて詳しく解説いたします。

産業医とは、企業において従業員の健康管理や職場環境の改善を専門的に行う医師のことです。
企業は、従業員の健康を守り安全な労働環境を提供するため、一定規模の企業には産業医を設置する義務があります。過労による健康被害が問題視される現代社会において、産業医の役割は非常に重要となっており、医師としての新たなキャリアの選択肢としても注目されています。
ここでは産業医の採用動向や業務内容について解説いたします。

産業医の設置義務もあり、採用する企業も多いです。
加えて企業におけるメンタルヘルス問題や、労働環境の改善に対する意識が高まっている背景から、産業医の役割が拡大しています。
また、リモートワークの普及に伴い、従業員のメンタルケアや労働時間管理がより重要視されるようになり、専門知識を持つ医師が企業に求められるようになっています。
特に、産業医としての経験や専門的な資格を持つ医師に対するニーズは高く、キャリア転換を検討している医師にとっては追い風です。

産業医の業務は多岐にわたりますが、主な役割は従業員の健康管理と職場環境の改善です。
産業医には専属産業医と嘱託産業医の2つに分けられます。

専属産業医は、主に従業員数が1,000人以上の大規模な企業に常勤として雇用され、企業内でフルタイムで従業員の健康管理や労働環境のチェックを行います。
企業の一員として日常的に労働現場の視察や従業員との面談を定期的に行うことが多く、従業員の健康状態や職場のリスク要因を把握し、改善の提案をすることも仕事の1つです。

嘱託産業医は、主に従業員数が50~999人規模の中小企業に非常勤で雇用されることが多く、企業の外部から定期的に訪問して業務を行います。
非常勤として働く産業医で勤務時間が限られているため、健康診断の実施や職場視察、従業員との面談、メンタルヘルスケアなどが基本的な業務です。
必要に応じて、労働環境改善の助言を行うほか、労働災害や健康被害が発生した際に対応をサポートします。