AI開発・生成AI導入が本格化する中で、企業の現場では「PoC止まりで終わる」「業務に定着しない」といった課題も増えています。 そこで注目されているのが、要件整理から業務設計、モデル活用、システム実装、運用改善までを一気通貫で支援するAI開発・導入支援企業です。 本記事では、AI領域への転職を検討している方向けに、AI開発・導入支援企業を「受託開発／AIコンサル／SIer／ベンチャー」の切り口で一覧化し、 それぞれの特徴や身につくスキル、キャリアの広がりもわかりやすく整理します。

受託開発タイプのAI開発・導入支援企業は、クライアントの業務課題を起点に、要件整理→PoC（検証）→本番実装→運用改善までを“手を動かして”前に進める点が強みです。
特に生成AI領域では、環境構築やセキュリティ設計、社内データ連携（RAG等）まで含めて短いサイクルで成果を出すことが求められます。
転職先としては、プロジェクトで実装経験を積みたい人（AI/MLエンジニア、データエンジニア、PM、AIコンサル寄りPM）に相性が良いカテゴリです。

代表的な受託開発企業4社
・Laboro.AI
・Ridge-i
・AVILEN
・ブレインパッド

オーダーメイドのAIソリューション「カスタムAI」を掲げ、課題に合わせて個別最適でAIを設計・開発するスタイルが特徴です。 実装寄りのプロジェクトで「業務に効くAI」を形にしたい人に向きます。

生成AI活用に向けたDX戦略の構築からAIシステムの設計・開発、オペレーション構築、人材育成までワンストップで提供と明記。 PoCだけで終わらせず、実装・定着まで進める案件で経験を積みやすいタイプです。

「AI搭載のソフトウェア開発」と「AI/DX組織構築支援」をセットで打ち出しており、開発だけでなく“使われる状態”まで見据えた支援が特徴です。 実装＋業務側の巻き込みもやりたい人に合います。

生成AI/LLM活用に向けて、手軽にLLM環境を構築しつつ、将来構想に合わせて拡張できる「生成AI／LLMスタータープラン」を提供。 基盤づくり＋伴走で、導入初期の“立ち上げ”経験を積みたい人にフィットします。/ナレッジ検索などの共通ユースケースを全社へ広げやすい。

コンサル系のAI開発・導入支援企業は、まず「どの業務で、何を、どこまでAIに任せるか」を整理し、 投資対効果やリスク（ガバナンス、セキュリティ、利用ルール）まで含めて、全社変革として設計・推進するのが強みです。

単発のPoCだけで終わらせず、現場定着・運用・人材育成まで踏み込む案件が多く、 転職先としては「業務×データ/AI」を軸にキャリアを作りたい人に相性が良いカテゴリです。

代表的なコンサル系のAI開発・導入支援企業6社
・アクセンチュア
・デロイト トーマツ
・PwC Japan
・KPMGジャパン
・IBM（IBM Consulting）
・野村総合研究所（NRI）
・EY Japan（EYストラテジー・アンド・コンサルティング）

生成AIの戦略・ロードマップ策定から、設計・構築、運用・実行までを一気通貫で支援するサービスを打ち出しています。 業務変革を前提に、部門横断でスケールさせるプロジェクトに入りやすいのが特徴です。

AI & Data領域として、データのモダナイゼーション、オートメーション導入、インテリジェントシステム構築などを支援する旨を明記しています。 生成AIの活用も含め「基盤づくり＋業務活用」をセットで進める案件に強いタイプです。

生成AIの市場参入判断から、利活用の導入支援、リスク管理支援までを提供しています。 経営判断・リスク・ガバナンスも含めて支援範囲が広く、ルール整備や統制設計とセットで進めたい企業案件で存在感があります。

生成AIを現場に浸透・定着させるための、ユースケース選定と将来を見据えたロードマップ策定を支援すると明記しています。 導入前の論点整理から「定着」までを強く意識した支援が特徴です。

生成AI導入による業務効率化を支援し、チームのAIスキル向上まで含めて支援するAIコンサルティングを掲げています。 加えて、エージェント型AIなどのテーマも前面に出しており、構想だけでなく実行支援まで踏み込みやすいのが特徴です。

日本企業の生成AI活用を段階的かつ包括的に支援する体制づくり（パートナー連携）を発表しています。 大企業の導入で起きやすい「社内調整」「段階導入」「全社展開」を進める案件に強みが出やすいタイプです。

生成AIやAIエージェントなどの先進技術を活用し、業務改革とテクノロジー面を融合して生産性向上を支援するサービス提供を開始しています。 業務改革寄りで、改善活動とセットで導入を進めたい企業にフィットします。

SIerは、生成AIを「試す」だけでなく、全社展開を前提にセキュリティや権限設計、既存システム連携、運用監視まで含めて落とし込む点が強みです。
部門横断の導入や大規模データ基盤とつながる案件も多く、ガバナンス（ルール・統制）を効かせながら、業務定着まで進めるプロジェクトに関わりやすいカテゴリです。

代表的なSIerのAI開発・導入支援企業6社
・NTTデータ
・富士通
・NEC
・日立製作所
・TIS
・SCSK

生成AIのサービス提供を掲げ、企業のイノベーションや成長を支援する立ち位置を明確にしています。 加えて、AI活用に伴うセキュリティだけでなく、法規制・倫理なども含むリスクを多角的に評価し、対策の計画・実行・運用までトータルで支援する「AIガバナンス」系サービスも展開しており、全社利用を想定した統制設計に強みが出やすいタイプです。

企業向けの安全な環境で、固有データなど外部知識の活用（RAGなど）も想定した「Fujitsu Generative AI」を、チャットアプリとAPIの2形態で提供しています。 PoCや短期利用にも適すると明記しており、エンタープライズ向けのセキュアな導入・展開を進めやすい点が特徴です。

AIプロダクト/サービス（BluStellar AI）として、導入実績を背景に生成AIを含む高度化を進める文脈で提供しています。 大企業の業務システムや顧客接点（例：チャット/自動応答など）に組み込み、運用まで含めて展開していくタイプの案件と相性が良いカテゴリです。

Lumadaの文脈で生成AIの利活用を推進しており、「Generative AIセンター」によって社内外での利活用を進め、事業での価値創出や生産性向上につなげる姿勢を打ち出しています。 全社規模・事業横断の取り組みと結びつきやすく、ガバナンスを意識した導入にもなじみやすいタイプです。

社内ナレッジ検索機能を標準搭載した「生成AIプラットフォーム」を提供し、個別開発型とSaaS型を用意しています。 全社で使える共通基盤や、業務に即したカスタマイズ導入に寄りやすく、導入後の展開スピードや運用まで見据えた案件に入りやすいのが特徴です。

Azure上の生成AI統合活用基盤として、RAGによる精度向上に加え、統一したセキュリティ、コスト最適化、容易な拡張性、生成AI利用におけるガバナンス実現を明記しています。 部門別環境の追加やアクセス制御など、企業内の統制を効かせた運用設計に強みが出やすいタイプです。

AI領域のベンチャーは、特定業務（例：外観検査、コンタクトセンター、社内検索、OCR、需要予測など）に強いプロダクトや実装ノウハウを持ち、短期間で業務に効く形まで落とし込むのが得意です。
新技術（生成AI、AIエージェント、RAGなど）を機動的に取り込みながら、業務フローの設計から運用改善まで一気に進める案件も多く、スピード感ある環境で経験を積みたい人に相性が良いカテゴリです。

代表的なベンチャー6社
・Preferred Networks
・ABEJA
・エクサウィザーズ
・PKSHA Technology
・AI inside
・FRONTEO
・HEROZ

生成AIのサービス提供を掲げ、企業のイノベーションや成長を支援する立ち位置を明確にしています。 加えて、AI活用に伴うセキュリティだけでなく、法規制・倫理なども含むリスクを多角的に評価し、対策の計画・実行・運用までトータルで支援する「AIガバナンス」系サービスも展開しており、全社利用を想定した統制設計に強みが出やすいタイプです。

ABEJA Platformとして、ブラウザ上でAIモデルの作成・運用を進められるAIプラットフォームを提供しています。 業務で使うAIを「作る」だけでなく「回す（運用する）」ところまでをプロダクトで支える立ち位置で、導入後の改善・継続運用を含めた価値提供に寄りやすいタイプです。

AI・生成AIを利活用したサービス開発を掲げ、産業課題の解決に取り組む企業です。 加えて「exaBase 生成AI」として、RAGやプロンプトテンプレート等の機能を備え、セキュリティ面も打ち出した生成AI活用プラットフォームを提供しており、企業の現場定着・利用拡大に寄った支援と相性が良いです。

AIエージェントの取り組みとして「PKSHA AI Agents」をローンチし、従来のチャット/ボイスの“ボット”群にエージェント機能を順次追加するなど、プロダクトを進化させながら適用領域を広げています。 既存のAI導入を「より業務で使える形」にアップデートする発想とも相性が良い企業です。

AI-OCR「DX Suite」を中心に、書類の受領〜仕分け〜読み取り〜出力格納までを自動化し、データ入力業務の自動化を“AIエージェント”として提供しています。 AI導入のインパクトが業務に直結しやすく、バックオフィスDX文脈の案件で強みが出やすいです。

自社開発AIエンジン「KIBIT」を用い、企業のテキストデータ資産から価値ある情報を導き出して、業務効率化や精度向上、経営判断まで支援すると明記しています。 非構造データ（文章）を扱う領域での強みが分かりやすく、特定業務特化型の支援・プロダクト提供として整理しやすい企業です。

生成AI SaaS「HEROZ ASK」として、社内データの検索・要約・翻訳や音声の言語化など、日々の業務をアシストする用途を明確にしています。 社内活用（ナレッジ活用、情報探索、文書作成支援など）に直結するため、生成AIの定着・活用促進に寄った文脈で紹介しやすい企業です。

生成AIの普及で「とりあえず試す」フェーズは終わり、現在は現場業務に組み込み、継続的に改善して成果を出すフェーズに入っています。
ところが実際には、PoC止まりになったり、セキュリティや社内ルールが整わず利用が広がらなかったりして、導入が進まないケースも少なくありません。 こうした壁を越えるには、業務要件の整理から実装、運用設計、ガバナンス整備までを一気通貫で支援できるパートナーが必要です。

その役割を担うのがAI開発・導入支援企業です。
企業側は「業務に効くユースケース設計」「既存システムやデータ基盤との連携」「情報漏えいを防ぐ運用設計」「継続改善（精度改善・利用定着）」まで求めるようになり、 技術だけでなく業務理解と推進力を持つ人材が強く求められています。
結果として、受託開発・コンサル・SIer・ベンチャーの各社でAI関連の採用が活発化し、転職市場でも注目領域になっています。

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