AIエキスパートには大きく分けて2つの意味があり、
1つは、専門家の知識や判断ルールを蓄積し、推論によって結論を導く仕組みである「エキスパートシステム」。
もう1つは、AIを業務で使える形にして成果につなげる「AIの専門家(人材)」を指します。
本記事では、エキスパートシステムを中心に、仕組みや活用例、導入のメリット、注意点について解説していきます。
また後半では、人材としてのAIエキスパートについても触れ、混同しやすいポイントや求められるスキル感についてまとめています。
AI業界への転職を検討している方や、今後AI業界でキャリアの選択肢を広げるために情報を集めているという方は、ぜひ参考にしてください。


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AIエキスパート(エキスパートシステム)とは、ベテランの判断手順や基準をルールとして登録することで、誰でも同じ基準で判断できるようにする仕組みです。
そのため、担当者が変わっても結論がブレにくく、属人化しやすい業務の安定運用に役立ちます。
一言でいうと「詳しい人の判断をルール化して再現するAI」であり、
結論にたどりつく道筋がある程度決まっている分野に強みを持ちます。
例としては、症状から原因候補を絞り込む、機械の状態から故障原因を推定する、規程に照らしてチェック項目を判定する、などが挙げられます。
生成AIとAIエキスパート(エキスパートシステム)はどちらもAIの一種ですが、得意な役割が異なっています。
| 項目 | AIエキスパートシステム | 生成AI |
|---|---|---|
| 目的 | 専門家の判断手順・ルールを仕組み化し、誰が対応しても同じ基準で結論を出せるようにする(判断の標準化・属人化の解消)。 | 文章や情報を扱う作業を効率化し、要約・作成・整理・対話などを通じて業務のスピードと質を上げる。 |
| 得意分野 | ルールに沿った判定(OK/NG)、診断・原因特定、切り分け、手順提示、規程チェックなど「条件に当てはめて結論を出す」仕事。 | 文章の要約、言い換え、文章作成、検索補助、情報整理、会話での案内など「言葉を扱う」仕事。 |
| ソースの明示 | どのルールを適用して結論に至ったかを示しやすい。説明責任が必要な業務との相性◎ | 参照元の提示やルールでの制約などを入れないと、回答の根拠が曖昧になりやすい。 |
| メリット・デメリット | ルール通りに一貫した結論が出やすい。一方、ルール外のケースや想定外の状況では判断が鈍る可能性がある。 | 柔軟に文章を生成できる一方、状況によって回答が揺れたり、もっともらしい誤りが混ざることもある。 |
| 判断に必要な材料 | 専門家の知識、業務ルール、例外条件、用語定義、優先順位など「判断基準の整理」が必要。 | 学習済みモデルに加え、社内文書やFAQなど参照させる情報(検索基盤/RAG)と評価・運用ルールが必要。 |
| 向いている業務 | 審査・判定、品質チェック、故障診断、規程に基づく分岐、事故を避けたい判断業務 | 文書作業(要約・ドラフト作成)、情報収集と整理、ナレッジ検索、問い合わせ一次対応、社内ヘルプの文章生成など |
| 考えられるリスク | ルールの漏れ・矛盾、例外追加による複雑化、メンテ不能化(誰も直せなくなる)。 | もっともらしい誤回答、情報漏えい、回答のブレ、参照元が不明なまま断定してしまうこと。 |
| 代表的な活用例 | 医療:診断支援/製造:故障診断・原因切り分け/IT:製品構成支援・整合性チェック/コンプラ:規程チェック・判定。 | 社内文書の検索と要約、FAQ自動応答、議事録作成、メール/提案書ドラフト、ナレッジ共有、問い合わせ対応の補助。 |
エキスパートシステムは、専門家の判断手順を「もしAならB」といったルールにして、同じ基準で結論を出せるようにした仕組みです。
1960年代に化学分野のDENDRALが登場し、開発に関わったエドワード・ファイゲンバウムは「エキスパートシステムの父」と呼ばれます。
1970年代の医療向けMYCINで注目が広がりましたが、誤りが出たときの責任問題などが壁になり、広く実運用には至りませんでした。
また、1980年代にはAIブームで活用が進み国家予算が投じられた一方、ルール作成・更新の負担が大きく、普及は限定的でした。
しかし、2010年代以降は機械学習や深層学習が主流になり、現在では「文章処理は生成AI、最終判断はルールで固める」など組み合わせて活用する手法が増加しています。
エキスパートシステムの得意分野は、判断の基準や手順がある程度決まっていて、結論のブレを減らしたい業務です。
AI領域の中でも特に「原因を切り分ける」「ルールに照らして判定する」「手順を案内する」タイプの仕事で活躍する傾向にあります。
下記では、各業界でどのように活用されているのかについて解説していきます。
症状や検査結果を入力すると、考えられる病名や原因の候補を絞り込み、次に確認すべき項目や注意点を提示します。 医師の代わりに結論を断定するというより、見落としを減らす補助や、判断の根拠を整理する目的で使われます。問診の進め方を標準化しやすい点も強みです。
設備のアラーム、ログ、測定値などから、原因候補と確認手順を順番に提示します。 ベテランの切り分け手順をルール化することで、担当者による判断のブレを減らし、復旧までの時間短縮につながります。 保全・点検の手順や、交換部品の判断支援にも応用できます。
申請内容が規程や条件を満たすかを、ルールに照らして判定します。
必要書類の不足チェック、例外条件の分岐、確認順序のガイドなど、ミスが許されない業務で効果が出やすい領域です。
どのルールでOK/NGになったかを示しやすく、監査や稟議にも対応しやすいのが特徴です。
ユーザーの状況を質問で確認しながら、原因の切り分けや対応手順を案内します。
たとえば「このエラーならまず設定Aを確認、次に再起動、それでも解決しなければ担当部署へ」といった流れをルール化できます。
新人でも一定品質で対応でき、引き継ぎやナレッジ共有の負担軽減にもつながります。
エキスパートシステムの最大の課題は、専門家の知識を人がルールとして整理し、入力し続けなければならない点です。
知識を「条件→結論」の形に落とす作業に時間とコストがかかり、現場の暗黙知や複雑な判断は単純にルール化しにくいこともあります。
さらにルールが増えるほど矛盾や例外が増え、管理や保守が難しくなりやすい傾向にあります。
加えて、当時は計算資源やインフラが弱く、大規模な推論処理や運用面でも限界がありました。
近年は機械学習やクラウドの進化で一部は改善していますが、「知識の整理と更新が重い」という本質的な課題が今も残っています。
人材としてのAIエキスパートとは、
AIツールを日々の業務に組み込み、「実際の成果」を出している現場側のエキスパート層です。
・生成AI(ChatGPT など)を前提に資料作成・リサーチ・文章作成を行うビジネスパーソン
・営業・マーケティングで、AIを使ったリスト作成・スコアリング・クリエイティブ生成を回している担当者
・企画・バックオフィスで、AI×スプレッドシート/BIツールを使い、レポートや分析を自動化しているメンバー
・部署内で「AI活用に詳しい人」「とりあえずあの人に聞けば何とかなる人」として、相談役になっている人 など
コードを書かなくても、生成AIや各種クラウドサービスに搭載されたAI機能を使いこなし、
「どう聞けば(どうプロンプトを書けば)欲しい情報やアウトプットが得られるか」
「自分やチームの仕事のどこにAIを噛ませれば効率化・高度化できるか」
を考えながら、実務レベルで成果を出している方々です。
活躍フィールドは、コンサル・ITに限らず、
メーカー、商社、金融、Webサービス、SaaS、スタートアップ、行政・教育機関まで、ほぼすべての業界・企業に広がっています。
営業部門の「AIに強いトップセールス」、マーケ部門の「生成AIを使い倒している担当者」、経理・人事・総務でAIを活用して業務を再設計している人など、肩書きはさまざまですが、どの会社にも少しずつ現れ始めている層です。
今後、企業は「AIツールをいかに全社的に使いこなせるか」が競争力を左右するため、AIエキスパートの重要性が高まっています。
「普段の業務で生成AIをかなり使っている」
「部署の中でAI活用の相談を受けることが多い」
もしこのような立ち位置にいるなら、すでに立派な「AIツールを実務で使いこなす人材」の一員です。あとはこの強みをどうキャリアや転職先選びに結びつけるか、というフェーズに入っていると言えます。
AI人材は、これからの企業にとって「外から一時的に借りてくる人」ではなく、「社内に必ず置いておくべき中核人材」になりつつあります。
AIは一度導入して終わりではなく、データや業務の変化に合わせて、継続的にチューニング・改善し続ける必要があります。
だからこそ、スポットでスキルシェアに頼むだけでは限界があり、自社の業務や現場を理解した社内のAI人材を内製することが重要になってきています。
実際にインディードリクルートパートナーズの調査では、AI関連求人が2017年度比でエンジニア系は約6.6倍、営業・企画・管理など非エンジニア系も約2.5倍に増えており、「社内側でAIを回せる人」を増やそうとする動きがはっきり数字に表れています。
こうした背景もあり、「AI人材=バリバリの研究者・実装エンジニアだけ」という時代ではなくなりつつあります。
重要なのは、「AIに精通しているかどうか」だけで線を引くのではなく、自分のこれまでの経験を棚卸しし、
「どのレベルのAIスキルと掛け合わせれば市場で評価されるか」を見極めることです。
高度な実装経験がなくても、AIへの関心や初歩的な活用経験を土台にキャリアの選択肢を広げられるタイミングだと言えるでしょう。
AI開発の経験がなくても、ソフトウェア開発、クラウド環境、データ処理のスキルなどAIエンジニアと親和性のある経験・スキルがあればポテンシャル採用される可能性が高い今が転職のチャンスです!
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