ドリームインキュベータ(DI) ビジネスプロデューサー 大野 秀晃氏インタビュー

対談 弊社キャリアコンサルタント 久留須 親

ドリームインキュベータに入社して

movin:

本日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですがドリームインキュベータに入られてからのお仕事の内容についてお話いただければと思います。

大野様:

ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

私はドリームインキュベータに2013年9月に入りましたので、半年強が経ちました。9月以降に関わった仕事は、主に事業系の仕事が多いです。弊社の子会社にリバリューという余剰在庫を流動化するというビジネスがありまして、こちらに半常駐で携わったり、国内外の投資案件についてデューデリして投資判断をしたりですとか、投資先のバイアウトなどにも手掛けております。海外には今まで2回出張して、来週も香港に行きますし、7月にはロスに行くのもあります。私は前職が外資系で香港オフィスに勤務したりもしましたので、それに比べて海外関連は少ないのかなと思っていましたが、結構海外案件多いなというのが個人的な感覚です。他には、今まさに携わっているのがある金融機関の香港の事業戦略案件でして、これは前職の仕事が本当に役に立っていると感じております。

movin:

その香港の案件は戦略コンサルティングですか?

大野様:

戦略コンサルティングですね。香港の人脈と日系金融機関の人脈をフルに使えるなと思って、この案件はダイレクトに自分の経験が付加価値として出せる珍しいケースだなと思っている次第です。

他には、弊社は「東京ガールズコレクション」というファッションショーの権利を60%ぐらい持っているんですが、その営業的なことをやったりもしています。ですので、どちらかといいますと戦略コンサルというよりは事業系に関わることが多いのかなと思います。これらは私が希望したというよりは、おそらく私の性格ややりたいことをふまえてアサインされているのかな、と思っています。

movin:

となりますと、大野さんがこういうのをやりたいという希望を言っているわけではないと?

大野様:

「こんなのあるけど、どう?」「やります!」みないな感じですね(笑)。

movin:

(笑)

大野様:

また、投資に関しては、私の友人のベンチャー企業に投資するかどうかを今弊社の山川と話していたりもしております。

movin:

え?それは大野さんが話を持ってきたんですか?

大野様:

はい。たまたま私の大学時代の後輩が面白い会社をやっているなあと思っていて、ドリームインキュベータがベンチャー投資をやるんだったら「むしろここにどうですか?この後輩達は信頼できますから」みたいな感じで話を進めたりもしていますね。

movin:

なるほど。

大野様:

いわゆる典型的な戦略コンサルティングはやっていないなと自分は思っていますし、私の友人などからも「ドリームインキュベータに入って一体何してるの?」「俺もよく分かんないんだけどね」みたいな状態です(笑)。でも、何といっても、とりあえず楽しいですね。

movin:

(笑)
楽しい?

大野様:

楽しい。楽しい。

movin:

何が一番楽しいですか?

大野様:

いや〜、それはもう、世の中に直にインパクトを出しているという錯覚に陥ることですね(笑)。

movin:

錯覚?(笑)

大野様:

いや、本当に出たかどうかは分かりませんよ。インパクトという点でしたら前職でリストラもしていましたから、社員が実際にいなくなったり、「あ、バランスシートが軽くなった」みたいな目の前に見えるものがありました。ですが、「東京ガールズコレクション」でお客さんが喜んでいるというのは非常に感覚的なものじゃないですか。私が携わっているリバリューの方ですと、今は弊社マネジャーの向笠が社長で入っていまして私はその下にいるのですが、実際に売上がどうだとか単黒どうなのみたいなマテリアルな数字が出てきます。しかし、このリバリュー以外のデューデリジェンスとか投資の話は直にインパクトがあるようには感じないんですが、おそらくインパクトは出ているんだろうな、という非常にふわふわっとした感じがあります。

で、まだ入社して半年なんですが、今私の中で思っているのは、2年を一つの区切りとしてやってみよう、ということです。前職とドリームインキュベータの一番の違いは、前職の場合はパフォーマンスが悪かったらリストラになりましたとか、下手したらビジネスごとクローズとかありましたが、ドリームインキュベータの場合は、上場もしているしキャッシュもしっかりしているので、よほどのことがないと会社が無くなることはないだろうということです。また、コンサルもあれば投資もあって事業経営もありますので、コンサルに向いていなかったから「じゃあ、さよなら」ってわけでもないし、じゃあ事業経営に向いていなかったらおしまいってわけでもありません。これは、ただ単純に私の中に前職の文化が少し残っていて、目標といいますか区切りを置いて全速力でがんばってみようという感じですね。「やべー、もう半年経ったよ!」というプレッシャーを自分に感じながらやっています。

movin:

なるほどですね。
今のところその進捗や進んでいるという実感などはいかがですか?

大野様:

そうですねー、ちっちゃな一歩一歩は進んでいる気はしますけどもね(笑)。

前職から転職したきっかけ

movin:

前職の文化が残っていて、ということでしたが、前職についてお話いただいてもよろしいでしょうか。

大野様:

前職は、ゴールドマンサックスという外資系の証券会社で人事部におりました。そこで、パンアジア証券部門の人事を担当しておりまして、2007年に新卒で入り、最初の1年間東京オフィスにいた後に3年間香港オフィス、それから2年強はまた東京オフィスです。仕事の内容としましては、アジアの証券部門で1,000人ぐらいいる社員をどのようにマネージするか、でした。パフォーマンスが良い方にはもっとパフォームできるための環境を作ったり、パフォーマンスがちょっと低い方には「ん〜、どうしようかな…」というのを考えたり、これから新しくどこの国に進出してくかどうか?や、進出する場合はどのような人をどこから採用するのか?、あるいは中国撤退するのかしないのか?というようなことを、証券部門のアジア代表やCOO的な方とダイレクトに色々やっていました。

movin:

人事とはいっても経営企画的な色合いが強いですか?

大野様:

そうですね。完全に証券部門のディーリング部門に座っておりましたし、人事といいながらもほとんど証券部門の経営企画のようなことをやっていたなと思います。ですが、別に人事部だからリストラされないということはなく、株主に対してリストラをコミットした時は、人事部でも10%の社員が切られたりしましたから、結果は求められていましたね。それも2年や3年という長いスパンではなく、この3ヶ月どうしようかな、というのを常に考えていましたね。

movin:

それは、成果を出さないと自分も危ないぞ、と?

大野様:

自分が危ないというよりは、なんか自分が情けないなって思っていました。"meet the expectation"、で相手の期待値に合うというのはもう前提で、"exceed"、相手の期待値を如何に超えるかというのが勝負だと自分は思ってやっていました。このように6年半やっていましたので、目標を置いて勝負していくというのが染みついているのだと思います。

movin:

なるほど。
しかし、世間一般ではゴールドマンサックスというと非常に憧れの会社だと思うのですが、それを転職されようと思ったのは?

大野様:

そもそもゴールドマンに入った理由ですが、私は学生時代に博士課程まで行くかどうかを真剣に考えていました。しかし、哲学を勉強していましたので、哲学で修士や博士まで行って、失敗したらどうしようかなと思ってしまいまして、それならまずは2〜3年死ぬ気で働けるところに行こうと思い、就職活動を始めました。ところが始めたのが遅かったため、外資系コンサルは全部終わっていまして、外資系金融機関もゴールドマンサックスだけが唯一空いていました。それで、受けたら受かりまして、ご縁がありましたので入りました。入ってからの仕事は全て面白かったです。私は1年間留学した経験はありましたけれども、帰国子女ではありませんので、業務がほぼ全て英語というのは特にチャレンジでしたし、人事部に新卒で入る人間はほとんどいなかったので、社会人としてのマナーから怒られたりしていました。 私が常に接していた方は会社のトップが多かったので、「俺の1分いくらだと思ってんだ」みたいに思われているんだろうな、とか推測しながら、できるだけメモを簡単にしたり工夫していました。オープンクエスチョンで聞くと「はぁ?何言ってるの?」ってなっちゃいますから、ほとんどYES/NOクエスチョンにするとか、30分のミーティングがエレベーターの10秒だったらどうする?、とかを常に考えたりしていましたね。「とりあえずこれだけ読んで下さい!3行ですから!OKだったらサイン下さい!」とかでサイン貰って「よし!アプルーブもらった!」、みたいなことをやっていました。

それで、こういうことをしばらくやっていますと、今更哲学で修士博士に戻るには遅過ぎるなぁという思いと、今までいた世界からするとあまりにもスピードが遅いなぁというのがありまして、じゃあこの先どうするんだろうと何となく考えていました。そうしましたら、ミッションを与えられて日本に戻ることになりましたので、そのミッションをコンプリートして上司の期待値を越えるまで絶対にやろうとは思っていました。その頃ですね、ムービンさんがドリームインキュベータのセミナーをやるのでどうですか?というお話を伺ったのは。

movin:

そうですそうです。2011年7月のセミナーです。

大野様:

そこに参加させていただいて、こんなこと言ったら会社に怒られそうですけど、「こんな会社あるんですか!?夢工房ですか!?」と思いました(笑)。「100人ぐらいしかいない会社なのに、こんなことを堂々と言う会社があるんだ」と思いましたね。

movin:

セミナーではどのようなお話を聞かれたんですか?

大野様:

当時のドリームインキュベータは産業プロデュースがメインでして、そのセミナーでは竹内や宮宗、島崎、宮内、石岡がいて、彼らが話したのは、我々は日本を変えようとしています、と。しかし、日本はひとつの企業やひとつの官公庁などを変えるだけでは変わらないので、我々は仕組みを作って、日本を変えて、日本を良くすることによって世界も良くしたい、というような話をしていました。セミナーの後半はいくつかの小グループに分かれてドリームインキュベータの社員に直接質問をすることができ、私は竹内と石岡とお話させていただいたのですが、「本気で考えているんだな」というのを肌で感じました。「大学生が就職活動で話すようなことを本気で言っている会社が本当にあるんだ」という衝撃を受けましたね。それでこの会社は面白そうだと思ったのが転職のキッカケです。

セミナーの後、「転職活動しますか?」という話をムービンさんとしましたが、当時は「すみません、仕事が忙しくてレジュメ作成するどころではありません…。人のレジュメ読むのに忙しいんです…。」という状況でした(笑)。その後、セミナーから1年くらいして与えられていたミッションの目処がある程度立ってきた時に、ムービンさんとはちょくちょくやり取りさせていただいていましたから、「じゃあ、始めてみます」という形で転職活動を始めた次第です。セミナーに参加してから入社するまでに2年ちょっとかかりましたけどね(笑)。

movin:

かかりましたね(笑)。
その2年間の間にドリームインキュベータが手掛けている内容が変わってきたと思います。仕組みを作って日本を良くしていきたい、世界に出て行く、というのは変わっていないと思いますが、セミナーの当時は産業プロデュースがメインだったのが、実事業経営・投資や新事業の創出になってきました。そこのところは特にギャップは感じていませんか?

大野様:

何も感じていませんね。おそらく弊社は、ドリームインキュベータという社名の通り、人々の夢を何とかして実現させますと言っているわけです。2011年の頃というのは、リーマンショックの傷跡も少し癒えてきましたが、一ベンチャー企業で大きなことはできません。であれば、官庁や大企業の力を巻き込んで組織と仕組みでがんばろうぜ、というのが産業プロデュースの発想のひとつだと思うのですが、今はあれから2〜3年が経ち、日本企業のBSもかなりきれいになりましたし、やる気もかなり戻ってきています。ベンチャーもどんどん出てきていますし、世界中ベンチャーブームです。このような中では、仕組みでやることも必要ですが、どんどん自分達がプレイヤーになっていかなきゃいけないという発想があるんだろうな、と私は理解しています。このような方向に踏み出している中で、ただの偶然なんだろうけども私が事業系の案件に関わっているということの意味を考えますと、私が事業系で色々動いて何か面白いことが起きたりすれば、会社に対して付加価値を出せたことになるのかなと思っております。

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