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2011年CEO交代率は世界的な景気回復の兆しを受け上昇

経営コンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニーは、世界の上場企業における時価総額の上位2500社を対象に、CEOの承継についての第12回となる年次調査をまとめた。

調査対象のうち2011年にCEOが交代したのは全体の14.2%で、前年の11.6%から急上昇し、過去7年平均の14%強にほぼ並ぶ水準となった。日本企業のCEO交代率は16.8%で、国・地域別に見て世界でも高い水準にある。調査対象に占める新興国企業の割合は全体の4分の1を占めているが、交代率はブラジル・ロシア・インドが最も高い22.0%である一方、政府系企業を含む中国は6.8%と、国・地域によってばらつきがある。

過去12年間の調査から次のような傾向が明らかとなった。

日本のCEO交代率は世界で高い水準　国・地域別に見ると、日本のCEO交代率（16.8％）は最も高いブラジル・ロシア・インド（22.0%）に続く高い水準にあった。その他先進国（16.4%）、欧州（13.9%）、北米（13.5%）、その他新興国（11.3%）と続き、中国（6.8%）が最も低い水準となっている。

大企業ほどCEO交代率が高い　企業規模別に見ると、CEO交代率（2000年～2011年の12年平均）は上位250社が14%強ともっとも高く、下位2000社（501位～2500位）の平均よりも2%近く高い。合併による交代率はこれまで同様、規模の比較的小さい企業で高く、下位2000社では2.2%と、上位100社の1.3%を上回っている。

交代率の高い業界はエネルギー、通信、公益事業　業界別に見ると、大きな市場変化に直面しているエネルギー（19%）、通信（18%）、公益事業（16%）の交代率が高い。

外部招聘CEOの就任が増加、業績では内部昇格CEOが上回る　過去5年間で外部招聘されたCEOの数は増加しているものの、内部昇格CEOのほうが業績では上回っており、より高い株主リターンをもたらし、在任期間も長い。2009-2011年に退任した内部昇格CEOの市場調整後株主リターンは平均より4.4%高い。これに対して、外部招聘CEOは0.5%上回るにとどまっている。

会長とCEOの「徒弟モデル」が拡大　新任CEOへの重圧を多くの企業が認識し、退任するCEOを会長職に就け、新任のCEOの指導にあたらせる「徒弟モデル」で対応している。北米では2011年に通常交代により退任したCEOの37％が会長に就任し、新たなCEOの指導役となっている。これが一般的な慣行となっている日本では、63%の企業が退任するCEOを会長職に就けている一方、欧州では17％にとどまった。

2012年 5月25日
PwCストラテジー（Strategy&）

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