ベンチャー転職の年収事情 ベンチャー企業への転職

ベンチャーで年功序列制度を採用している企業は皆無なので、基本的にはその方の能力（＝前職での年収）を考慮して現年収維持や、若干ダウン＋ストックオプションでの提示がされることがほとんどです。
会社としてもキャッシュが潤沢な状況ではないので、年収大幅アップなどを狙ってのベンチャー転職は非現実的と考えましょう。

資金調達直後
資金調達の直後は会社としても「攻め」のフェーズであり、事業拡大のために積極的に採用を進めます。
そのため、優秀な候補者であれば多少年収レンジを高くしてでも取りに行くという姿勢が明確になります。資金調達などにより積極採用を行っている活きの良いベンチャーがどこかというのはなかなか情報を取りづらいので、ぜひ業界のプロフェッショナルであるエージェントにご相談ください。

Slerのエンジニア
日本のIT業界では、中間マージンが何度も発生する多重下請け構造により、二次請け、三次請けのSlerで働くエンジニアの方は能力に見合った適正な年収をもらえていない場合が多いです。
このような方々は自社開発しているベンチャー企業に転職することにより中間マージンがなくなり適正な給与をもらえるようになる→結果的に給与アップという事例も多くございます。ベンチャーではエンジニア及びPM採用は非常に需要が強く、常に求人があるという状態です。

ベンチャーでは待遇及びモチベーションアップの手段として、ストックオプションを付与することも多くあります。ストックオプションというと「上場で一攫千金」といったイメージもあるかと思いますが多くは数百万円相当、多くても2～3千万円相当なので過度な期待は禁物です。
ただし、上記の価格はあくまで上場時の価値で算定した場合です。SOをもらったベンチャーが上場後も継続的に成長を続けた場合、長期保有すれば億単位の価値になるということも十分にありえます。通常株式投資はいざ買ってしまったら後はその企業の躍進を願うしかありませんが、ストックオプションの場合は自分が頑張って会社の業績を上げれば自分の資産価値もどんどん上げられるという点が大きな魅力です。

今まで見てきたように、例外はあれどベンチャー企業入って年収を一気に上げるというのは難しい場合が多いです。しかし、ベンチャー企業で得られる一番大きな資産は経験です。
大企業に在籍していたままでは得られなかったような裁量やチャレンジングな業務を経験することにより、ご自身の市場価値を大きく増大させることができます。そのため、ぜひ10年間のスパンで現職に在籍し続けた場合とベンチャーで市場価値を上げてさらなる転職をしたときの上がり幅を比べていただければと思います。

＜参考：大企業の経営企画（27歳、600万円）から現職ステイ/ベンチャー転職した場合のイメージ＞

現職ステイ：（合計4,350万円）
27歳：600万円
29歳：650万円
31歳：700万円
33歳：750万円
35歳：800万円
37歳：850万円

ベンチャー転職：（合計5,550万円）
27歳：550万円
29歳：600万円
31歳：800万円（メガベンチャーの経営企画に転職）
33歳：900万円
35歳：1,200万円（ミドルサイズベンチャーの執行役員に）
37歳：1,500万円