現役コンサルタントに聞いたSEとの違い - 現役ITコンサルタント達が語る -

SEとITコンサルの違いですか？
まぁ、前者が決められた要件に沿って正確にシステムを開発することを求められるのに対して、後者は顧客ニーズとシステム上可能なことを上手く調整しながら、最終的に顧客に満足してもらうことが求められるというところですかね。

SIerは、顧客の要件定義から携わったとしても結局はシステムを売ることが目的となるが、ITコンサルはクライアントにビジネス上のベネフィットをもたらすことが目的であり、その手段としてシステムが必要であればその導入を行うのです。

ITコンサルタントの場合は、クライアントの要望を実現するためのアプローチの提案から始まって、最終的にその成果を出すことが求められます。

例えば、最先端技術を使ったシステムを構築しても、それによって経営課題の解決にプラスのインパクトを与えられる成果が生み出されなければ成功とはいえません。
システムソリューションがビジネスソリューションとして効果を発揮することこそが重要なのであって、顧客にとってのベストパートナーとなることでビジネスを成功へ導くことが我々の仕事なわけです。

（ITコンサルとビジネスコンサルとの違いについて…）

我々はシステムコンサルタントで、既存のビジネスコンサルタントとどこが違うのか？
という疑問が出てきます。

まず一つには、システムコンサルティングは『チームワーク」がないと良い仕事ができません。
ビジネスコンサルタントと比べると、一つのプロジェクトに関わる人数が圧倒的に多く、基本的に共同作業が多くなりますからね。

次に、『具体化すること」が求められます。
例えば、システムコンサルタントはビジネスコンサルタントが書いたコンセプチュアルな絵も、あるいは経営のトップが言う業務のあり方・変え方が理解できて、それを具体的な業務設計・システム構築に落とし込めなければいけません。
いわゆるビジネスコンサルタントは、クライアントの様々な戦略や業務改善等のコンサルティングを手掛けますが、システムが絡んでくると細かいところにはほとんど手を出せないようです。
そんなところに外注のSEを連れて行っても、おそらくほとんど上手く物事が進まないわけです。

ビジネスコンサルタントとSEの考え方や文化は極端に違い、"絵に描いて終わる世界"と、"動かさなければいけない、完成させなければいけない世界"、この二つに決定的な差があるのです。
ですから、我々システムコンサルタントはここのギャップを橋渡ししなければいけない。
これがシステムコンサルタントに求められる最も大きな役割だと思います。
この役割を果たすためには、ITとビジネスのスキルを両方併せ持たなければなりません。