30代中盤からはじめる週刊少年ジャン〇的な戦略コンサル転職 転職成功体験談
コンサルティングファーム
30代中盤からはじめる週刊少年ジャン〇的な戦略コンサル転職
<学歴>有名国立大学卒
<年齢>男性 34歳
<前職>政府系金融機関
<転職後ポジション>外資系戦略コンサルティングファーム
まえがき
30代中盤。未経験からコンサルティングファームへの転職としてはボーダーラインと思っていた戦略コンサルに採ってもらうことができました。私と同じように、管理職手前くらいのポジションで、もやもやを抱えている中年ビジネスパーソンは少なくないと思います。そうした中で転職活動に取り組み、今までの人生を振り返り、再整理することには、お金では代えられない意味があると思います。どこかの偉い人がどこかで言っていましたが、人生は常に、今が一番若いのです。今の仕事や生き方にお悩みでしたら、是非、転職活動に取り組んでみて、自分自身と向き合ってみてください。
転職のキッカケ
いろいろありましたが、きっかけとしては、@金融政策が行き詰まり、金融の力に限界を感じることが多くなっていたことや、A管理職手前の微妙な年次に差し掛かり、今の仕事のやりがいや将来性(年収の伸び、自分の適性や同期との比較でみたときの出世の可能性、会社の事業の発展性など諸々)を考えた末、もっとチャレンジングでアップサイドのある仕事をしたいと思ったことです。
人材紹介会社選び、転職する業界選び
はじめは漫然と、「お金が稼げるから外銀(投資銀行)とかいけるといいなあ。」「お金もらえる、ってことは、世の中にお金をちゃんと回してる、ってことだし」と安直に考え、某仲介サイトに登録しました。
しかし、様々なエージェントに会ううちに、「その齢で未経験から投資銀行への転職は相当難しいです。」「外銀も苦しいので未経験者枠はいつオープンするか不透明な状況」という無慈悲な本音に直面し、意気消沈。
結局、その昔辞めた同期(現役コンサル)に泣きつき、「コンサルティングファームなら今の経験を活かせるんじゃないか」と促され、ムービンさんを紹介してもらいました。
志望動機書の作成を通じて自分自身と向き合う
ムービンに相談する前に、忙しい中、履歴書や経歴書を1〜2か月程かけて作成して他エージェント経由で応募しましたが数社はことごとく見送りでした。「ポジションがない」といった理由だったので、年齢がネックだったのだと思います。
担当の方に「齢が齢だから仕方ないけど、なんとかならないものでしょうか」と相談したところ、「ご自身がふわふわしている面もあります。コンサルの人事の方も、応募者が多いので1応募に対して隈なく時間をかけて書類を見ることができていない場合があるので、100%効き目があるという保証はできませんが、志望動機書を書いて、スタンスなどを整理してはいかがでしょうか」と諭されました。
「いや、だから忙しいんだってば」と一瞬反発しましたが、「確かにそうかもしれない」と思い直しました(転職において、周りのアドバイスをきちんと聴く素直さは大事です)。
良い志望動機の構成要素は次の3つとのこと。
-
@その人にしか書けないコアな原体験(家庭環境や人生のターニングポイントとなった出来事など)とそこから派生するその人の価値観(働く理由、生き方、実現したい価値、夢など)が書ききられていること
- A前職までの経歴が、原体験・価値観と整合的に説明されていること
- B前職では実現できない価値が、転職先では実現できることが説得的に説明されていること
これらがサクッと出てくる人は、もうとっくに転職の必要がないお仕事に収まっていると思います。私の場合、そこまで自分の人生があまり整理できていなかったので、ぬるい志望動機書を何枚か書いて、ことごとく赤ペンをつけられました。
泣きながらスクラップ&ビルドを繰り返すうちに、次第に、
「俺って、就職活動のときに、どんなこと考えてたんだっけ?」
「就職して何がしたいと思ってたんだっけ?」
「そもそも、なんで金融なんかやりたいと思ってたんだっけ?」
「それって、何が背景にあってそんなこと思うようになったんだっけ?」
と掘り下げられるようになってきました。
正直、30代も中盤になってからこんな青臭い振り返りをするのは、恥ずかしいというか、心が折れる思いがしましたが、ヒロ〇カやワ〇ピといった正統派ジャ〇プマンガで自分を鼓舞しながら頑張りました。
この作業は、確かに辛かったのですが、今になって振り返ってみると、極めて意義深い作業だった気がします。ヒ〇アカや〇ンピに感化されたわけではないのですが(いや、たぶん感化されたのですが)、やっていると、漫然と思っていた現在の仕事への不満が、本来自分がやりたかったこととのギャップとの関係できちんと整理されてきます。
そして、そのギャップが転職によってどう解消され、転職によって、自分が生きたい生き方ができるようになる、ということが紙の上でまとまってくると、コンサルタントとして働くことが、自分の生まれついてからの運命だったかのような気になってくるのです。
自己暗示的な側面もあると思いますが、志望動機書を書き終えた頃には、(まだオファーをもらっていない内からいうのもなんですが、)前職への未練とか、家族や周囲に転職を打ち明けることの心苦しさ、収入が減るかもしれないリスクからくる躊躇いは、完全に消えていました。
本当に、心の底から、コンサルタントになって、日本の企業の無駄を削ぎ、成長戦略を描き、この国の成長力を高めることが、私が幸せに生きて、満足して死ねる唯一の道だと確信し、胸を張って言える状態になっていました。
こうやって文字に落とすと、危ない人、クセがすごい人みたいな感じになりますが、自分の人生観に確りと根差した志望動機を、自信を持って、胸を張って言えることは、面接のみならず、オファー受諾後に、家族や現職の上司、同僚に退職を伝える際にも非常に重要なことです。
人生がかかっているのですし、周囲にも迷惑をかけるだから、当然といえば当然です。
逆にいえば、そこまで強い志望動機が書けず、強い思いが抱けないのであれば、いい歳こいたおじさんが、トップレベルの戦略コンサルなんて目指すべきじゃないのかもしれません。(←ここ重要です)
結果としても、志望動機書の作成は効果があったのかもしれません。その後は目に見えて書類通過率が上がりました。理系重視や年齢重視の先以外は、殆ど通ったんじゃないかと思います。
なお、志望動機は志望動機書の前半部分で、後半部分は「貴社に貢献できること」です。自分の能力や経験をこれまでの実績や成長エピソードを交えて2〜3個書き出し、それがどのようにコンサルに生きるか書いていきます。ここについても、戦略コンサルの仕事がよくわかっていなかったこともあり、志望動機以上に何度も書き直しました。これも辛い作業ですが、面接の際に突っ込んで聞かれるところでもあるので、実際の面接でどう説明するか、逆に、説明しやすい実績・エピソード、そこから導かれるコアコンピテンシーは何か、といった逆算も使いながら書いてください。(私はこれが甘かったので本番でやや苦労しました)
フェルミ推定、ケース問題で一安心
フェルミ推定、ケース問題については、「コンサルは地頭の良さ、ロジカルシンキングが全てですので、この2つで合否がほぼ決まります。定番書を3冊くらい、練習しながら熟読して、そのあと毎日やってください。やらなきゃ落ちます」と強く指導され、定番書を3冊読んだあとで、市販のフェルミ推定、ケース問題本を入手できる限り全部読みました(といってもkindleで5〜6冊くらいですが)。
合わせて10冊程度読んでみると、フェルミ推定については、パターンや受け答えのイメージがついてきて、あとは数字の操作の仕方や、ベースとなる数字の記憶で何とかなる、という印象を持てるようになりました。実際に手を動かして解いてみても、時間はかかるのですが、脳トレのような楽しさがあって、そんなに苦痛ではなかったです。
ケース問題は、市販の本が3冊程度しかないですし、面接官とやり取りして情報を引き出しながら作業しなくてはならないので、練習しにくかったです。それでも、ノートを前に、ぶつぶつと面接官とのやり取り(妄想)を呟きながら練習を続けました。
これらを一通りこなした後、模擬面接してもらい、「割とできている」という評価をいただき一安心しました。
フェルミ推定、ケース問題対策におすすめの書籍
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面接・筆記対策
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適性試験(SPIなど)で憂鬱になる
「トップファームはSPIで9割取らないと落ちる」とアドバイスされ、おそるおそる
「赤い本」(「これが本当のSPI3だ!」SPIノートの会)をとりました。
解いてみると割と何とかなりそうでしたので、正直なところ、やや油断しました。
やや余裕含みで赤い本を3周程度し、「まあ、仕上げに
「青い本」(史上最強SPI&テストセンター超実践問題集)」でもやってみるか、と着手して撃沈しました。
某外資系就活サイトで、「実戦レベル」「これが決定版」とうたわれていた本だったのですが、解いてみるとめちゃくちゃ難しくて、1問3〜4分かかって解けるか解けないか。
本番では1問1分で解かなくてはいけないので、これではとても無理だ、とげっそりしてしまいました。
結局、某トップファームのSPIは、期日ギリギリまで引っ張って準備したのですが、青い本は、Web SPI3の出題分野だけ1周するのが限界でした。
1問1問がかなり難しいので、赤い本の3〜4倍は時間がかかったんじゃないかと思います。
本番の試験は、(感覚値ですが、)正答率は7割程度、という感じでした。
終わった瞬間にガックリきて、「いろんな意味で終わりました」とお電話し、慰めていただきました。
※この試験、実は通ってました。webテストは解いている途中に難易度が上がり、解いた問題の難易度を考慮した統計的な基準で合否が判定されるそうなので、正答率それ自体はあまり気にしなくてもよいのかもしれません。
ちなみに、適性試験は、社によって種類が異なるので、別々の問題集をこなす必要があります。
私はこの他も2種類ほど対応しました。結局、適性試験では落とされていないので、しっかり対策すればなんとかなる、ということだと思います。
適性試験対策におすすめの書籍
それでも本番面接はうまくいかない
しかし、現実は甘くありませんでした。
初本番面接で、その時点での第一志望群の一社にチャレンジしたところ、あっさり落ちました。
振り返ってみると、やり取りが噛み合わない、求められているものが違う(社風に合わない?)、といった感触がありました。
「社風に合わないのであれば落ちてもよい」と割り切れるだけの心の強さや、合おうが合うまいが先方が絶対に欲しがるだけの頭脳があればいいのかもしれませんが、いざ落とされると結構グサッと来ます。勝ち癖を付けたいとか、絶対入りたい会社がある場合、面接先の事業や社風について研究し、面接のイメージを確り作って、合わせに行く必要があると思います。
その他、細かい敗因についても振り返ると、日ごろの仕事に考え方が引きずられてしまう面もあったと思います。
エクセルで緻密に計数を積み上げてシミュレーションすることが多いので、それに引きずられて、うっかりかなり細かい計算をしてしまい、ドツボにハマってしまいました。
社によって、求められるものが変わってくるとは思いますが、あくまで、クライアントや同僚の前で、誰でも理解可能な明快な枠組みと、お付き合いいただけるスピード感で、ざっくりとした数額をお示しする、というイメージを大事にした方がいいと思います。
また、当然ながら、
「なぜその枠組みをとることに意味があるのか」
「その枠組みを採用することが、売り上げや収益の改善を考える際に有効なのか」
「その枠組みで漏れや重複がないのか(漏れや重複なくシステミックにビジネスを把握できるのか)」
といった点は、絶対に外してはいけません。
苦し紛れに、MECEではないアイディアを出してしまいがちですが、MECEな枠組みで構造的に攻めていくことによって、(偶然や思い付きではなく、)必然的に新しいアイディアにぶつかる、という解法を徹底してください。(できなかったので落ちました)
志望動機書の意外な効果――新しい第一志望の発見
初戦の黒星を引きずりつつも、気を取り直して、面接に呼んでいただけた次の社の研究を始めました。負け癖が付くと全部負ける気がして、背水の陣の気持ちでした。
就活のときに、コンサルティングファームを受けていなかった私は、正直、マッキンゼーとBCG以外は、名前を聞いてもピンとこないレベルだったので、先方のお名前も、以前、ビジネスストラテジーの授業で耳にしたことがあるような・・・というレベルの認識度でした。(正しくも)やや本気でお叱りを受けました(汗)
しかし、ネットで下調べをしてみると、なんだか妙に、自分の志望動機書とマッチする先のような記載がそこかしこにあるような気がしました。気になって問い合わせてみると、「確かにそうですね」という反応。参考図書を推薦していただき、業務内容をみても、なんだか合っている気がします。
「ここ、かなりいいんじゃないか。いや、寧ろ、ここがベストなんじゃないか」
節操のない話ですが、一番好きな女の子に振られた直後に、別の子に一目ぼれする、といったことは、長い人生の中でままあるものです。
しかし、彼女と結婚することが自分にとって最高の選択肢だと判断し、全力を注ぎこんでトライするには、イメージ先行のひとめぼれ以上の、確たる理由が必要です。
私の場合、それが志望動機書で整理した、自分が生きたい生き方でした。
ビヘイビアも面接練習
幸運にも幾つかの面接をパスして、最終面接のチャンスをいただくことができました。
最終では、ビヘイビア(行動特性、考え方)が問われることが多い、とのこと。
ここしかない、と思っていたので、直前には、ビヘイビアだけの面接練習をお願いしました。正直、フェルミやケースはやっていても、ビヘイビアは訓練不足でした。
「意地悪な質問をあえてしてますから…」を枕にしつつも、激しいダメ出しをいただいて、最後には、コンサルの仕事のイメージをイチから復習する、といった有様でした。(対面練習後も、メールベースで考えの整理にご尽力いただきました。ありがとうございました。)
当日は、数時間前に会場に到着し、都心のおしゃれカフェで、セレブに囲まれながら3時間ほどブツブツと想定面接を繰り返していました。
直前練習がボロボロだったので、やってるうちに泣くんじゃないかと本気で思っていたのですが、そこは銀行で磨かれたソルジャーとしての気質というか才能が勝ったのでしょう。2時間目くらいからハイになってきて、面接直前には、完全にアドレナリンが出て、「俺の思いを全てぶつければ分かってくれる!」くらいの危ない状態になっていました。
最終面接
面接官は和製ショーンコネリーともいうべき圧倒的なオーラを放つ明らかに偉い人。
どんな鋭く厳しい質問をされるのだろうと身構えたのですが、ちょっと経歴などについてやり取りした直後、細かい質問は一切飛ばして、「日本の〇〇産業(基幹産業)の未来についてどう思う。そして何ができる」と、いきなり国家規模の質問。
やばい。この人、ほんとにビックな人だ。
アドレナリンが出ていたので、真っ正直に思いの丈をぶつけた結果、日本の未来について、時給に換算したらいくらになるかわからないレベルの方と、正味小一時間お話しさせていただく贅沢な展開になりました。
既に予定時間を超過していたのですが、「最後にせっかくだから」と逆質問の機会をいただいたので、アドレナリンに任せて聞いてしまいました。
「私は日本を建て直したいんですが、御社でそれができますか」
「だったらウチにこい」
〇ャンプかよ!
思わず叫びそうになりましたが、さすがにそれは堪えました。
いや、これ、本当にオファーだったんです。
翌営業日に本当にオファー面談の打診があり、即決しました。
転職を検討されている方への一言
30代中盤からでも、週刊少〇ジャンプ的な熱い転職はできます。
途中でも書きましたが、寧ろ、未経験としては厳しい年齢から戦略コンサルに転職しようなんて思い立つのであれば、その過程は週刊〇年ジャンプ的であるべきなのだと思います。
友情・努力・勝利
やれることは全部やる、悩み抜く、逆境からでも立ち上がる、時には友達に泣きつく、アドバイスを求める、刺激を受ける、そして最後には(ご縁次第ですが)、ベストだと信じる先からオファーをいただく。
本文ではあまり書きませんでしたが、転職活動中には、現役コンサルタントの元同僚や素敵外銀で働く留学仲間に励まされたり、犬猿の仲の後輩がベンチャーに転職することになって刺激を受けたりしました。
入社後も、きっと想像を超える日々が待っていると思いますが、結局、自分にできるのは、今日も明日も週〇少年ジャンプ的にがんばる、ということなんだと思います。
これを読んでくださった、私と同じような妙齢のビジネスパーソンの方も、そうでない方も、一度切りの人生です。
是非、〇刊少年ジャンプ的な転職にトライしてみてください。
マーケット状況やご志向、キャリアプランの相談でも結構でございます。
ご自身の可能性を知りたいという方はぜひ一度弊社スタッフへお問い合わせください。
ご自身では気づかれない可能性も見つかるかもしれません。