• 投資銀行とは
• 投資銀行部門の構成
• ポジション毎の役割
• 主な投資銀行部門
• 投資銀行部門のワークスタイル
• 投資銀行部門の求人案件
• 投資銀行各部門の仕事

投資銀行とは「investment bank」を直訳したものですが、米国系の投資銀行であるゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー､バンク・オブ・アメリカといった有名金融機関の当初の業務は、

(1)株式や債券等新規発行証券の引き受け
(2)顧客企業に対するM&A(合併･買収)・財務アドバイザリーの提供

でした。しかしながら、資本市場の急速の拡大に伴い、上記のような伝統的な投資銀行業務のみならず、
現在では

・株式・債券の機関投資家向けの委託売買（ブローキング）
・自己勘定による売買（トレーディング）
・デリバティブ商品の組成・販売
・機関投資家向けの情報の提供(リサーチ)
・非上場株・不動産・債権等への自己勘定投資（プリンシパルインベストメント）等

財務アドバイザリー業務の提供や、株式・証券発行のアドバイス・引受業務等を手掛けるようになりました。
現在では「投資銀行業務」という表現は、文脈に応じて、「伝統的な投資銀行業務」を指す場合と上述した業務の全て指す場合の両方に使われ、新聞を賑わすようなディールには、日系・外資系の投資銀行部門が裏で関わっています。

投資銀行部門は、一般的にカバレッジチームとプロダクトチームによって構成されています。
カバレッジチームとは、産業毎に顧客を担当するチームであり、例えば

・製造業等を担当するGIG（ジェネラル・インダストリー・グループ）
・通信業界・メディア業界等を担当するTMT（テレコム・メディア・テクノロジー・グループ）
・金融業界を担当するFIG（フィナンシャル・インダストリー・グループ）等

があります。

一方で、プロダクトチームは商品を切り口としたチームであり、

・M&A
・ECM(エクイティ・キャピタル・マーケット、株式資本市場部門)
・DCM（デット・キャピタル・マーケット、債券資本市場部門）
・証券化（セキュリタイゼーション）

のチーム等があります。

また、会社によっては、ECM(エクイティ・キャピタル・マーケット、株式資本市場部門)、DCM（デット・キャピタル・マーケット、債券資本市場部門）のチームは資本市場部門という形で投資銀行部門とは別の部門になっていることもあります。

実際に顧客に対して提案活動行う際やディール（案件）を獲得した際には、該当するカバレッチチームとプロダクトチームが協働で取り組みます。

投資銀行部門では、収益責任を負うシニアバンカー（ヴァイスプレシデント以上）と、 収益責任を負わないジュニアバンカー（アソシエイト・アナリスト）に大別されます。 シニアバンカーは案件を獲得してくることが期待され、ジュニアバンカーは案件獲得のための提案資料の作成や調査・分析を担当します。 エグゼキューション(獲得した案件を実行する)際には、シニアバンカーは全体をマネジメントし、ジュニアバンカーは各々が担当する無数の業務をこなしていきます。

以下では主な日経投資銀行と外資系投資銀行をまとめています。より詳しい一覧をご覧になりたい方は以下記事をみてみてください。

日系投資銀行(IBD)一覧
外資系投資銀行(IBD)一覧

分類	企業名・グループ名
日系投資銀行	野村證券
	大和証券
	三菱UFJモルガン・スタンレー証券
	SMBC日興証券
	みずほ証券
外資系投資銀行	ゴールドマン・サックス
	モルガン・スタンレー グループ
	JPモルガン
	BofA証券（旧：メリルリンチ日本証券）
	UBSグループ

投資銀行部門のバンカーは非常に多忙であり、とりわけ外資系投資銀行のバンカーは連日深夜まで働き続けることも日常茶飯事です。
しかしながら、激務と引き換えに身につき知識・スキルは非常に専門性も高く、転職市場においても高く評価されます。

■自己勘定投資部門（プリンシパル・インベストメント）
投資銀行自らがリスクを負って非上場株・不動産・債権等に投資をする部門です。企業によっては、他の部門とは別会社になっていることもあります。リーマンショック後の法改正と関連して、今後の動向が注目される部門でもあります。
上記は所謂フロント部門であり、顧客と接点をもち収益を生みです部門ですが、上記以外にも、ファイナンス（資金管理、決済）部門やリスク管理部門、IT部門等多くのバックオフィス部門があります。