ファンドに転職するためには何が必要か
弊社ムービンにてよくご相談される、PEファンド、VC(ベンチャーキャピタル)の二つにスポットを当てて、ファンドに転職するためにはどうすればいいのか、採用動向は?求められるスキルは?どんな人がファンドに転職しているのか?などなどご紹介していきます。その他、不動産、企業再生、ヘッジファンドなどファンドの種類によって求められる人材像などの傾向も若干変わってきますので、ファンドへのキャリアをお考えの方はまずは相談会でも構いませんのでお気軽にご相談頂ければ幸いです。(弊社HPや多方面でリサーチするよりお話をさせて頂けた方がスムーズで早いかと思います。)
※近年バイアウトファンド=PEファンドという認識で多くのHP記事が書かれているため、ここでは弊社でもバイアウトファンド=PEファンドという形で記載させて頂きます。
実際のファンド種類のすみ分けについてはこちらをご覧ください。→
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特集 目次
ファンド採用動向
一時期に比べて多くのPEファンドで若手クラスの募集があり、近年継続的にIBD出身者を採用している某有名外資系PEファンドをはじめ、VCや多くのファンドで20代の若手を中心とした募集が増えております。
特に某有名日系PEファンドでは同社設立以来、過去最大級の規模で採用活動を行っています。同社含め人気ファンドは直ちにポジションがクローズしてしまうため、タイミングが重要であることに変わりはありませんが、足下の状況はPEファンドへの転職を志望する方にとって、非常にチャンスといえるでしょう。
全体的な傾向として、大半がアソシエイトクラスの募集となっており、VP以上のニーズは限定的となっておりますが、一部の日系PEファンドや政府ファンド等では、VP以上のミドル〜シニアポジションの募集も出ております。
一方で、各社とも採用基準を緩めているわけでは無く、また一部例外を除けば、採用枠は1-2名と限られており、数少ない枠に対して多数候補者の方が応募されています。絶対的なスキル・経験・フィット感でスクリーニングされた後、最後は相対比較になるケースが散見されますますので、ポジション数が限られていることも有り、入り口段階ではある程度幅広くご検討いただいた方が、良いご縁がある可能性は高まるかと思います。
その他、昨今の新しい動きとして、日本では無く海外(主に香港・シンガポール)で、アジアパシフィック全体をカバーするPEファンドの日本投資チームで日本人を募集するというお話も出てきており、PE業界においてもグローバル化の兆しが見受けられます。
また、ファンド本体では無いものの、ファンドの投資先においてマネジメント人材を募集するケースも増えており、戦略コンサルティングファーム経験者や大手事業会社のマネジメント経験者の方については、こちらの道でも可能性がございます。投資先のポジションについても、社長・役員経験者をトップマネジメント候補として募集するケースのみならず、戦略コンサルティングファーム出身の若手〜中堅クラスをトップマネジメントの参謀として採用するケースが増えてきています。
VCについては、多種多様なファンドが存在しています。スタートアップ段階で小額の投資を行うことに強みを持っているVCや、投資する業界に特化したファンド、また有名なベンチャーキャピタリストが運営している独立系VC、近年立ち上げが加速している大手事業会社を母体としたVC、大手金融機関、政府系など2000年当初のころと比べると、そのファンド数も大幅に増加しています。
採用傾向としてはPEファンドとほとんど同じで、人気VCについてはオープンになっても、すぐにクローズしてしまう傾向にありますので、情報取集とタイミングが重要でしょう。
続いて「どんな人材・スキルを持った人を求めているのか」見ていきましょう。
求められる人材
PEファンド(バイアウトファンド)
まずはPEファンドですが、各社とも求める人材・バックグラウンドは引き続きピンポイントとなっており、
(1)PEファンド業務経験者
(2)外資系投資銀行・FAS系コンサルティングファーム・日系証券会社でのM&A経験者
(3)戦略系コンサルティングファーム・再生コンサルティングファームでのコンサルティング経験者
のいずれか…というケースが大半となっております。
少し前までは外資系投資銀行出身者をはじめとするIBD系/M&A系人材を求めるファンドが非常に多かったですが、近年では戦略コンサルティングファーム経験者のみを求めるファンドも出ており、また外資系投資銀行出身者ばかり採用していた外資系PEファンドでも戦略コンサルティングファーム出身者を採用したいというオーダーが出ており、戦略コンサルティングファーム出身者の間口も広がっています。
いずれのバックグラウドの方でも、3-4年の経験を有してプロモーションしていることが求められ、また外資系PEファンドについてはビジネスレベルの英語力も必須となります。
上記の他、コンサルティングファーム経験者については、PEファンドがクライアントとなるPJT経験(投資判断におけるビジネスデューデリジェンスのPJT経験や、ファンド投資先のバリューアップPJT経験)がある方を歓迎するファンドが多いです。
事業会社出身者や会計士の方、IBD以外の金融バックグラウンドの方については、ポテンシャル採用を実施しているファンドはごく僅かになってしまいますが、一部、投資銀行/コンサルティング経験がない方でもポテンシャル採用の対象としているファンドもあります。
VC(ベンチャーキャピタル)
続いてベンチャーキャピタルですが、求める人材のスキルセットは主に下記の3点が挙げられます。
(1)財務分析力(投資対象を財務面から分析する能力)
(2)ビジネス力(事業の優位性・将来性を精査する能力)
(3)高いコミュニケーション能力(営業力)
ベンチャーキャピタルでは上記3点のスキルセットを軸に採用ターゲットを選定しております。
例えば、コンサル業界出身者で財務面にも明るい方や会計士の方でビジネスよりのご経験をお持ちの方などが採用ターゲットになります。もちろん投資銀行のM&Aアドバイザリー経験者や事業会社の投融資担当者もベストマッチです。
また、ベンチャーキャピタリストはカウンターパートナーがベンチャー企業経営者ということもあり、そのよう方と深い関係を構築できるコミュニケーション能力や案件を開拓できるセリングスキルも求められ、それらの能力を面接の場で確認されます。
ファンド採用動向でも触れましたが、ファンド各社へのご転職はタイミングが一番重要になってきます。ご自身のスキルセットやご志向に合うファンド求人が出ても、すぐにファンド求人はクローズになってしまったり、どんなファンドなのか中が見えにくい場合もあります。
まずはファンド業界動向に精通したムービンにご相談頂き、足元の状況や今後のキャリア形成など情報共有させて頂きながらお話をさせて頂ければ幸いです。お気軽にご相談ください。
ファンド転職の際の注意点
同じPEファンドでも、当然ながら投資スタイルやファンドの状況、チーム構成につき大きな相違がございますので、転職にあたっては、各社の特徴を比較検討しながら、慎重に事を進めるが必要があります。
単に憧れだけで安易に転職活動を進めず、自身の志望理由を明確にした上で、エージェントなど業界に精通した人間よりいくつかの「軸」に基づいて、各社の特徴を浮き彫りにし、じっくりとディスカションをした上で転職活動を始めることをお勧めします。
※例えば、投資先への関与の仕方(ハンズオンの度合)はファンドによって大きく違いがあります。ターゲットとしている案件サイズ、案件のパイプライン、キャリーボーナスの支給形式等も、ファンドによって大きな違いがあります。
さらに、最後にもう1点だけ補足させていただくとすれば、ご自身の中長期的なキャリアの中で、PEファンドへの転職をどのようにして位置付けるかということに関しても、しっかりと意識して頂いた方がよいかと思います。例えば、最終的に事業会社に身を置くことを考えている場合、経験もさることながら、年齢というファクターも非常に重要になってきます。中長期的なキャリアのゴールを達成する上では、場合によっては直接関心のある事業会社のポジションにご転職した方が有効な場合もございます。
当たり前ではございますが、多くのPEファンドが「終身雇用」とは無縁の業界でございますので、目の前の転職のみならず、長い時間軸でのキャリアについてもきちんとご検討いただいた上でご転職活動をスタートされた方が、最終的にハッピーなキャリアを歩むことができるのではないかと思います。
VC(ベンチャーキャピタル)ファンドですが、PEファンド転職時の注意点と重複する点も多くありますが、やはりファンドによって投資対象業界、投資対象のステージ、投資金額のアベレージなどは、そのファンドによってかなり差があります。
また、独立系なのか、銀行系なのか、その他系列企業の資本で運営されているファンドなど、母体がどこかによっても投資に対する考え方に大きく差がでます。
以前弊社にご相談に来られたベンチャーキャピタリストは、「所属ファンドの母体企業の意向が投資先選定に色濃く反映され、純粋に成長可能性が高くexitの成功が見込まれるディールであったとしても投資実行の承認が下りにくい」ということを不満に感じておられました。
転職後にこのような事実を知ったとしても、中からそれを変えていくことは難しいものです。やはり、業界に精通した方への事前相談を行った上で、ご転職先の選定を行うことをお勧め致します。
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