ベンチャーキャピタル(VC)への転職 最新事情
ご存知の通り、ベンチャーキャピタルは、高い成長性が見込まれる未上場企業に対し、さらなる成長のための資金をエクイティ投資の形で提供するファンドです。
少し歴史を振り返ると、1970年代のアメリカにおいてアップルコンピュータやマイクロソフト等のハイテク企業も実は創業時にベンチャーキャピタルからの資金提供を受け急速な成長を遂げました。
日本に目を移すとリーマンショック直後は株式市場が低迷し、上場して得られる資金と上場により発生するコストを加味すると、その旨みが薄まっていたこともあり、上場企業数が激減し、ベンチャーキャピタルにとっては厳しい時期が続きました。(逆に言うと仕込み時だったわけですが。)
しかし現在では、日経平均株価は3万円に近づく高値をつけるなど相場が好転しており、VC業界でもVC大手のジャフコの出資を受けた、複数のITベンチャー企業が上場を果たすなど年々IPO企業も増え、かなり明るい話題も増えています。
それでは今回の特集ではベンチャーキャピタルへの転職についての最新情報をご案内いたしますので、ぜひご参照いただければ幸いです。
特集 目次
ベンチャーキャピタル(VC)業界で働く魅力
ベンチャーキャピタルのポジションには多くの魅力があるかと存じますが、例えば下記のような点が挙げられるでしょう。
将来の日本経済を牽引する成長企業を生み出す仕事!
経営には、「人」「物」「金」が必要と言われますが、その中でベンチャーキャピタルは、主に「金」(エクイティ投資)に関する支援を行います。もちろん、資金提供だけではなく、投資先企業の成長のために、アライアンス先の紹介や、場合によっては自身のネットワークから直接クライアントを紹介することもあるでしょう。
そのように、まだ社会に認知される前の金の卵を発掘し、その企業が将来の日本を牽引する存在になることを想像すると自然にモチベーションが湧き上がってくるベンチャーキャピタリストも多いことでしょう。
気鋭のベンチャー企業経営者と共に事業の成功を目指す仕事!
もう一つの魅力は、何といっても優秀なベンチャー企業経営者と共に仕事ができることでしょう。
能力面もさることながら、ベンチャー企業経営者は人物的にも魅力的で尖った方が多くおられますので、一緒にいて飽きることはないでしょう!
もちろん忙しい彼らと仕事をするのですから、ベンチャーキャピタリスト自身も質の高いアウトプットを求められますので、成長機会は豊富にあります!
exitに成功すれば多額の報酬を得られる仕事!
そして、最後に自身が開拓した投資先がexit(IPO、売却etc)に成功すれば、貢献度に応じて多額の報酬を得られる可能性があります。
exitにより獲得した収益の数%〜10%程度がボーナスとして支給されるのが一般的です。その金額はピンきりですが数千万を超す場合もあります。
各社が求める人材
ベンチャーキャピタルが求める人材のスキルセットは主に下記の3点が挙げられます。
@財務分析力(投資対象を財務面から分析する能力)
Aビジネス力(事業の優位性・将来性を精査する能力)
B高いコミュニケーション能力(営業力)
ベンチャーキャピタルでは上記3点のスキルセットを軸に採用ターゲットを選定しております。
例えば、コンサル業界出身者で財務面にも明るい方や会計士の方でビジネスよりのご経験をお持ちの方などが採用ターゲットになります。
もちろん投資銀行のM&Aアドバイザリー経験者や事業会社の投融資担当者もベストマッチです。
また、ベンチャーキャピタリストはカウンターパートナーがベンチャー企業経営者ということもあり、そのよう方と深い関係を構築できるコミュニケーション能力や案件を開拓できるセリングスキルも求められ、それらの能力を面接の場で確認されます。
ベンチャーキャピタルへの転職に際しての注意事項
PEファンド転職時の注意点と重複する点も多くありますが、ファンドによって投資対象業界、投資対象のステージ、投資金額のアベレージなどは、そのファンドによってかなり差があります。
また、独立系なのか、銀行系なのか、その他系列企業の資本で運営されているファンドなど、母体がどこかによっても投資に対する考え方に大きく差がでます。
以前弊社にご相談に来られたベンチャーキャピタリストは、「所属ファンドの母体企業の意向が投資先選定に色濃く反映され、純粋に成長可能性が高くexitの成功が見込まれるディールであったとしても投資実行の承認が下りにくい」ということを不満に感じておられました。
転職後にこのような事実を知ったとしても、中からそれを変えていくことは難しいものです。やはり、業界に精通した転職エージェントと事前相談を行った上で、ご転職先の選定を行うことをお勧め致します。