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大手金融機関、トレーディング事業撤退・縮小の必要も

ボストン・コンサルティング・グループは３０日、ウォール街の大手金融機関について、金融規制の影響で今後、大規模なトレーディング事業を維持できるのはごく一部にとどまるとの報告書をまとめた。

大手金融機関の株主資本利益率（ＲＯＥ）は１５─１６％にとどまる見通しという。

報告書によると、ＪＰモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グループ、ドイツ銀行などは、市場シェア・知名度・技術投資からみて、大規模なトレーディング事業を維持できるが、相対的に規模が小さい金融機関はトレーディング事業からの撤退や特定分野への特化を迫られる見通しという。

ボストン・コンサルティング・グループのシニアパートナー、フィリップ・モレル氏は「総合金融機関が多過ぎる。半分以上は生き残れないだろう」と予想。

各トレーディング分野で世界シェア７位に入っていない金融機関は、トレーディング事業からの撤退を迫られる見通しで、株式・債券・デリバティブのすべての分野で大手の地位を維持できるのは４行前後にとどまる見込みという。

金融機関は、株主からＲＯＥの向上を求める声が強まっているが、新規制への対応コスト増加と収益低迷が利益を圧迫する要因となっている。

例えば、ゴールドマン・サックスの昨年のＲＯＥは１０．７％と、金融危機前の３分の１の水準に落ち込んでいる。

ボストン・コンサルティング・グループは、新規制への対応でＲＯＥがさらに３％ポイント低下すると予想。その後、大手銀行はビジネスモデルの変更を通じ、最大でＲＯＥ１５─１６％を達成できる見通しという。

2013年 5月1日
ロイター

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