
企業・事業の再生、変革、再成長に係る課題を、「財務」×「オペレーション」の両面で、自力改革から他力(M&A)活用まで、幅広いオプションを用いてサービスを提供
Movin:
本日はよろしくお願いいたします。まずはKPMG FASリストラクチャリング部門について教えて頂けませんか?
山口様:
KPMG
FASでは、企業・事業のライフサイクルのあらゆるステージにおける課題に対して、財務とオペレーション、再生、変革、M&Aに精通した専門家が、自力での改革からM&A(買収、JV組成、持分売却等)の他力活用まで状況に応じて適切なチームを組成し、一気通貫でのサービスをクライアントに提供しています。
その中でリストラクチャリング部門は、再生・再構築・再成長という広い意味でのリストラクチャリングが必要とされているクライアントに対して、これまで事業再生アドバイザリーで磨いてきた財務面とオペレーション面の専門性を軸としたサービスを展開しています。
村上様:
KPMG
FASリストラクチャリング部門の特徴の一つとして、「財務」×「オペレーション」をキーワードとした『ターンアラウンド2.0』を実践していることが挙げられます。従前はミドルステージとレイターステージにある企業・事業が取り組むべきものであったリストラクチャリングですが、事業のライフサイクルが短期化する中、昨今はアーリーステージにある企業・事業であっても、他力・M&Aの活用も常に視野に入れて適切な打ち手を講じ、主体的かつスピーディに広い意味でのリストラクチャリングに取り組む必要があります。アーリーステージにある企業・事業のリストラクチャリングにおいては、財務面への理解も踏まえた上でオペレーションを大胆に改革し、成長を加速ないし再成長の軌道に載せることが重要であると考えます。
山口様:
企業・事業は常にリストラクチャリングに取り組んでいかないと生き残れない時代となっています。そのような環境下で、KPMG
FASリストラクチャリング部門は、ミドルステージやレイターステージにある企業・事業のいわゆる「事業再生」はもちろんのこと、アーリーステージにある企業・事業の変革・再成長を通じた企業価値の向上もサポートしています。我々は、クライアントのライフステージ全般を支えるビジネスパートナーであり続けたいと考えています。

Movin:
ありがとうございます。今後の展望、ビジョンはいかがでしょうか。
山口様:
金融債務の返済先延ばしや債務免除を伴ういわゆる従来型の事業再生案件は近年減少傾向にありましたが、このコロナ禍で赤字補填のための借入増と純資産の毀損が急速に進み、状況は大きく変わっています。この状況を金融機関の側から見ると、貸出先の財務状況の悪化と貸出増により、貸出先に対するモニタリングを強化せざるを得ない状況といえます。このため、企業としても、債権者たる金融機関としても、当面は事業再生に集中的に取り組まなければならない時期にあるといえるでしょう。
また、少し長い目で見ると、企業を取り巻く状況の変化への対応も必要になります。昨今の少子高齢化・デジタリゼーションに加え、コロナ禍以降のライフスタイルの変更等によって、企業の事業環境や産業構造は大きく変化することが予想されます。今後は同業他社との競争もさることながら、異業種の企業や海外企業との競争もさらに激化し、競争環境が多様化すると考えられます。当然ながらこのような状況の中では、事業の立て直しや撤退・売却等様々なオプションが想定され、我々の知見・経験をクライアントに提供できる機会もますます増加するのではないかと考えています。
Movin:
今後の海外関連サービスに対するイメージをお聞かせください。
村上様:
中国の成長鈍化や賃金水準の上昇に伴い、日系企業が製造拠点を中国から東南アジアへシフトする動きも多く見られますし、BREXIT関連で欧州拠点を見直す企業も出てきています。また、コロナ禍以降はグローバルで景気後退局面に直面しており、事業運営の効率化・最適化によるキャッシュ・フロー極大化は重要なテーマとなりそうです。このような流れのなかで、サプライチェーン再構築に伴うアドバイスや、日系在外子会社の事業撤退サポート等の案件が増えてくると予測しています。

Movin:
今後はますます案件が複雑化し、従来通りでは対応できなくなってくると思います。このような変革の中でKPMG FASリストラクチャリング部門の強みをお聞かせください。
山口様:
私どもKPMG
FASリストラクチャリング部門の強みは、多様なバックグラウンドを持った様々なメンバーが、それぞれのスキルを尊重し、力を合わせて各案件に取り組むカルチャーと体制を備えていることにあります。現在私どもの部門には60名程度のプロフェッショナルが在籍していますが、公認会計士、コンサル・事業会社出身者、金融機関出身者がそれぞれ全体の3分の1程度で、非常にバランスのよいメンバー構成となっています。他のBig4や独立系の事業再生アドバイザリーファームは、金融機関出身者が大部分を占めていたり、公認会計士がチームの中心だったりするところもある中、私どもの部門は異なるスキル、バックグラウンドを持つチームメンバーが周囲に多く、これまでの自分とは違ったものの見方や自分の持っていないスキルを目の当たりにする機会も自然と多くなります。好奇心旺盛な方にとってはまさにうってつけのチームといえるかもしれません。
個別案件におけるチームアップの際も、基本的には財務面に強い公認会計士、事業面に強いコンサル・事業会社出身者、ディールに強い金融機関出身者をミックスして一つのチームを組成し、プロジェクトに臨んでいます。
また、一つのチームであるがゆえ、例えばコンサル出身者であっても財務系の仕事をするチャンスもありますし、公認会計士や金融機関出身者であってもオペレーション改革の仕事をするチャンスもあります。金融機関との交渉を要する仕事についても誰もが関わることができる機会があります。
このようなさまざまな業務経験を通じて、それぞれのコアとなるスキルを伸ばしつつ事業再生、ひいては企業経営に関する総合力を磨くことができるのが私どもの部門の特徴といえるでしょう。幅広い経験が積めるので社内のキャリアも開かれているし、社外に出る場合でもいろいろなチャンスがあるのではと思います。社外では、上場企業のCクラスや上場準備会社のトップマネジメントなど、事業会社で活躍している卒業生も多いですね。
村上様:
今担当している案件もまさに会計、金融、コンサルとさまざまなバックグラウンドの方が配置されたチームで取り組んでおり、新たに学ぶことも多い日々です。特に金融分野は今まで経験がなかったので、実務とプロフェッショナルの仲間を通じて新しい視点を学べることは、想像以上に素晴らしい経験です。一方で、地方案件が思っていた以上に多く出張の機会もありますが、地方案件ほど財務とオペレーションの切れ目がなく、企業再生そのものを複数の利害関係者から求められる醍醐味があります。地域再生を主業務としているパートナーも私どもの部門に所属していますので、地方案件に興味がある方にもおすすめだと思います。
Movin:
それぞれの強みを生かし、シナジーを創出しながら、個人としてもいろいろな経験ができるということですね。
山口様:
リストラクチャリング案件は、経営者、株主、従業員、金融機関、取引先など、利害関係者が多いのが特徴です。様々な立場の人々の色々な思いを調整しながら案件を前に進めていく際には難しい状況に直面することも確かにありますが、同時に最もやりがいのあるところでもあります。案件期間中は利害関係者の間で板挟みになり、大変な思いをすることもありますが、その分案件をゴールまで導くことができたときの充実感、各利害関係者から感謝の言葉をいただいたときの達成感はリストラクチャリング案件ならではと言えるでしょう。

Movin:
リストラクチャリング部門の雰囲気・働き方を教えてください。
山口様:
リストラクチャリング部門に限らず、KPMG
FAS全体に言えることですが、チームの雰囲気は非常にフランクかつフラットで、上下や横の風通しもよく、困ったことがあっても周囲の仲間に相談しやすい環境だと思います。コンサルファームでは同じチームであっても、各々の相性やスキルセットなどから、実際には目に見えないラインが出来がちですが、リストラクチャリング部門の案件では、そもそも様々なスキル・バックグラウンドのメンバーが同じチームで協働することが多く、部門全体がまさに「One
Team」として運営されています。
また、働き方に関してですが、昔は地方のクライアントに常駐したまま、週末も帰ってこられない状況もありました。昨今は資料の授受やクライアントとの打ち合わせもリモートで可能ですので、クライアントとのリレーションを構築する期間を経過してからは、東京等で作業をする人が大半です。BIツール等の活用やナレッジの蓄積により、長時間労働も劇的に減りましたし、また、テレワークの環境整備も進み、以前と比べて格段に働きやすい職場になったと感じています。多数の共働きのマネージャーやスタッフが活躍してくれているのが、その証左と言えるでしょう。私が感じているのと同様に、マネージャーやスタッフたちも働きやすさを実感しているのではないでしょうか。
村上様:
リストラクチャリング部門は、広い意味でのリストラクチャリングを必要としているクライアントに対して、様々なソリューションを提供することが可能な「シチュエーションプロフェッショナル」の集団であり、言い換えれば、クライアントに対してあらゆるソリューションを提供できる機会に恵まれています。プロフェッショナルとして様々なことに挑戦できるこの環境は、これまで自分が知らなかったことも吸収でき、中長期的なキャリアアップの場として最適と感じています。
Movin:
それでは働き方改革の視点から質問ですが、コンサルティング業界の場合、まだ休暇が取れないというイメージが先行していますが
村上様:
案件を担当している期間は業務に専念して、案件が終わったら休暇を取ってリフレッシュするメンバーもおりますし、メリハリのある職場環境だと思います。
山口様:
一つの案件の中でも波がある場合もあるので、状況に応じて休暇を取ることもできますし、過去には男性で半年間の育休取得者もいました。休暇が取りにくい雰囲気もないと思います。
Movin:
社内の男女比率はどのくらいですか?
村上様:
女性比率は2〜3割で、マネージャー以上の管理職でも女性は多く、働きながら育児をしている女性メンバーも多数在籍しています。例えば、週の半分は17時に帰宅し、帰宅後は家事が一段落してから業務を再開している女性メンバーもいます。もちろんご家族の協力もあると思いますが、出張や担当する案件も家庭の状況を考慮してフレキシブルに対応してくれるので、女性も働きやすいと思います。また、家事との両立に配慮し、なるべく地方出張案件を連続して担当することがないような取り組みも行っています。

Movin:
それではリストラクチャリング部門が求める人物像、こんな方に来て欲しい、などあれば教えてください。
山口様:
ハードスキルも大事ですが、とりわけマインドセットをより重視しています。具体的には、人の意見を尊重でき、好奇心旺盛で様々なことにチャレンジできる方かどうかに注目しています。事業再生において経営陣は人員リストラなど苦しい決断をしなければならない局面もありますが、アドバイザーが一緒になって暗く落ち込んでいるようではどうしようもありません。アドバイザーは常に前向きに、クライアントを元気づけることができるような存在であるべきであり、そのようなキャラクターの持ち主はこの仕事により向いていると考えています。
ハードスキルについてですが、事業再生アドバイザリーは「財務・会計」「戦略・オペレーション」「ディール」の3つの知識・経験から成り立っているので、これら3つのうち少なくとも一つについては専門性を有していることが望ましいです。たとえ入社時点では持っていなかったとしても、プロフェッショナルとしていずれかの専門性は業務を通じて身に着けていってほしいスキルセットです。「財務・会計」であれば監査法人での監査経験を有する公認会計士や事業会社の経理・財務担当経験者、「戦略・オペレーション」であれば戦略コンサル経験者や事業会社の経営企画担当経験者、「ディール」であれば金融機関における再生関連部署経験者なども大歓迎です。
先ほど村上も申し上げたとおり、リストラクチャリング業務はリストラクチャリングを必要とするクライアントの経営課題をすべてカバーするので、求められる業務も多岐にわたります。事業再生はよく総合格闘技に例えられますが、色々な「技」や総合的な「強さ」を磨くことに興味があるという方には是非入社いただきたいと思います。
また、事業再生は経営そのものですので、将来経営者を目指している方にとっても私どもの部門はキャリアアップのお役に立つのではないかと思います。
村上様:
私が考える一緒に働きたい人のイメージは、まずは素直な方ですね。弊社は中途採用がメインなので、皆さん何かしらの業務を経験されてきていて、その部分は自信を持っていると思います。
しかし、弊社に入社すると新しく身につけなければならないことがすごく多いので、新しいことも素直に吸収したいと思える人が良いと思います。マネージャー以上の管理職にも言えることですが、新しいことに対して素直であることは非常に大事です。加えて、好奇心旺盛な方。様々なタイプの案件にチャレンジすることを厭わず、新しいことを学ぶことに対して前向きである方が私どもKPMG
FASリストラクチャリング部門には合っていると思います。