movin:
本日はご多忙の中お時間を頂き、誠にありがとうございます。早速ですが、まず初めに田中様と塩野様の簡単なご経歴並びにご入社の動機をお伺いさせてください。
田中様:
私は大学卒業後、新卒で通信教育のZ会に入社し5年間経営企画部門に所属していました。その後イギリスのビジネススクールに1年半留学し、帰国後はヤフーの経営戦略室、TSUTAYAオンラインの事業企画を経て、7年前にIGPIに入社しました。IGPIに入社するまではプロフェショナルファームでの経験は無く、事業会社の企画畑をずっと歩いてきたという形です。
movin:
なぜ事業会社から御社へのご入社を決断されたのですか?
田中様:
それまでは事業会社の企画畑でキャリアを積み、経験と勘だけでそこそこの成果を出せていたと思います。一方で、自分自身の中では成長の限界を感じていた部分もあり、一度「事業経営」に関する基礎の部分をしっかりと鍛え直そうと考え、IGPIの門戸を叩きました。ただ、最初の段階ではコンサルティングファームにはほとんど関心を持っていませんでした。
movin:
コンサルティングファームにご関心をお持ちでなかったのはなぜですか?
田中様:
それまでの事業会社での経験を通じて、企画立案も重要ではあるものの、結局「描いた絵をいかに実行するか」という点が大きいと感じていたからです。コンサルティングファームは「絵を描くだけ」というイメージがあったため、自分の中では選択肢として考えていませんでした。
movin:
その中で、御社についてはお話を聞く中で「絵を描くだけ」に留まらず実行にまで関与できるとお感じになり、入社を決断された…ということでしょうか?
田中様:
そうですね。実は最初にIGPIの話を知人から紹介された時には、「私はコンサルティングには興味がないので」とお伝えしてお断りしていました。ただ、その方に「IGPIは単に『絵を描くだけ』ではなく、プランの実行まで踏み込んで支援する会社だから、きっといいと思う。一度話を聞いてみたら?」と言われて、IGPIに話を聞きに行ったのがきっかけとなり、最終的に入社を決めました。
movin:
ありがとうございました。塩野様はいかがでしょうか?
塩野様:
私は、ゴールドマン・サックスやベイン・アンド・カンパニーといった外資系のプロフェッショナルファームを経て、IT系企業のライブドアに転職しました。そこでは主にベンチャーキャピタル業務とM&A業務を担当しており、国内外問わずビジネスディベロップメントを担当していました。その後海外のロースクールに留学し、留学から戻ってきた32歳の時に知人の紹介で弊社代表取締役CEOの冨山と会いました。冨山とはこの時に初めて会ったのですが色々な話ができ、その際にIGPIが今までにない新しいプロフェッショナルファームを作ろうということを標榜しており、共感を覚えて入社することにしました。他にもオファーをいただいてはいたのですが、従来型のコンサルティングに留まらず実行に重きを置くという点と、支援先とリスクを共有するため自己投資も行える組織を作ろうとしていた点に惹かれ決断しました。
movin:
御社のメンバーに共通する点や他のコンサルティングファームとの違いとして、どのようなことをお感じになりましたか?
塩野様:
2つあります。1点目は、当時産業再生機構が予定よりも早く解散し尚且つ利益を出して一般的には成功したとの評価を得ていた中で、産業再生機構を成功させたという自信と実績あるメンバーが「全く新しいプロフェッショナルファームを作ろう」としている点に勢いを感じました。
2点目は、プロフェッショナルファームとしては非常に多様な人材がいると感じました。後にも述べますけれども、例えば一般的な戦略系コンサルティングファームはM&Aの実行や法規制といった分野には極めて弱いんですね。プロジェクトにおいてもM&Aの実行には原則タッチせず知識もない。その中で、IGPIは法規制やM&Aに精通したメンバーも多く、非常に網羅的な知識を持った人が、新しい取り組みを始めようとしている印象を受けました。
movin:
田中様はいかがですか?
田中様:
私も現パートナー・取締役マネージングディレクターの村岡と話をした際に、「これまで世の中にない新しい組織を創っていくのだ」ということを熱く語ってくれたのですが、「ベンチャー」のような雰囲気を感じました。
塩野様:
確かに「自分たちが新しいファームを作っていこう」という気概を感じましたね。
movin:
お二人とも御社にご入社されて7年と、これまでのキャリアの中で御社でのキャリアが一番長いかと思いますが…
田中様:
私も塩野もダントツで長いですよね?
塩野様:
ダントツで長いですね。
movin:
どういった魅力があり、長く御社でキャリアを積み、御社での仕事を楽しめているのでしょうか?
塩野様:
プロフェショナルファームの最終形といっても過言では無い魅力を兼ね備えているからです。私個人としては、今後IGPIから他の所謂プロフェッショナルファームに移るということは無いと思っています。事業会社の経営者に転じるという可能性はあるかもしれませんが、プロフェショナルファームでのキャリアとしてはIGPIが最終形だと思っています。理由としては
1)クライアントに対してアドバイスできる内容についての自由度の高さ
2)IGPIが保有する非常に広範な日本の財界ネットワーク
3)海外本社から命令される外資系の子会社と違い日本で経営陣が意思決定ができること
4)潤沢な資本があるため目先の収益を確保するための自転車操業的な取り組みが不要であり、「やるべきでないことはやらない」という意思決定ができること
といった魅力があるからです。
田中様:
私は実感として7年も経ったという気がしていませんね。「改めて計算してみると7年経ったのだな」という感覚で、長くIGPIにいた…という気があまりしません。なぜかというと、とにかく仕事が飽きず、いつも新しい経験ができるからです。
先の塩野の言葉にもありますが、まずクライアントの幅が非常に広く、規模感でも売上が立つか立たないかぐらいのベンチャー企業から売上一兆円を超えるような大企業からのご相談もあり、業界も様々です。テーマもバラエティに富んでおり、企業再生から既存事業のブレイクスルーための戦略立案と実行支援、新規事業開発、海外進出支援といった様々なテーマがあります。
クライアントの幅に加えて、我々が提供するサービスの幅も広く、戦略だけではなくファイナンスや法務面のアドバイスも行います。サポートスタイルも様々で、実行までサポートしますし、自己投資を行うこともあります。従って、クライアントの種類×テーマ×サービス…といった組み合わせで無数のパターンがあり、毎回新しい経験ができます。
私自身は、入社してから法的整理/私的整理に入ってしまった企業の再生案件もありましたし、R&Dをテーマに研究開発部門の方と仕事をしたこともありました。戦略を描く仕事も、描いた戦略をハンズオンで実行支援することもありましたし、これらを支える仕組み・組織作りという仕事もありました。
したがって、同じ仕事をずっと続けているっていう感覚が全く無く、毎回どこかしらにチャレンジがあって、自分自身が経験値を積み上げ成長できている実感があります。この点が、年数を感じさせない一番大きなポイントだと思っており、常にIGPIでは新しいチャレンジができる・キャリアの先がある感じがしています。