
movin:
競合との違い・特徴はどのような点になりますか?
青木様:
クロスボーダー案件への対応力が挙げられるかと思います。PwCのグローバルネットワークの広さは戦略系のコンサルティングファームとは比較にならず、世界中でPwCの拠点がない国を探すのが難しいくらいです。
ですから、対象会社がどのような地域であろうと電話一本で情報が入ってきますし、実績としても、2015年、PwCはグローバルでの取り扱いM&A件数でナンバー1、国内ではクロスボーダー案件数でナンバー1でした。
(CY2015 THOMSONリーグテーブルより)
チームのメンバーにも外国籍のメンバーが当然のようにいますし、海外のオフィスとコラボレーションする案件も非常に多いです。
movin:
クロスボーダー案件において特に案件が多い地域はありますか?
青木様
満遍なく案件がありますね。日本企業のクロスボーダーM&Aというと新興国の案件が多いというイメージがあるかもしれませんが、それほど偏りは無く、欧米をはじめとした先進国の案件から新興国の案件まで、様々な地域の案件があります。
逆に言いますと、当社は地域を限定せず幅広く対応できますので、必然的に偏りなく案件が来ているという背景もあるかと思います。
movin:
なるほど。
青木様:
「M&Aというシーンにおいてリアリティのある戦略を描く」という点も、我々のチームのこだわりの一つだと思っています。そのためにも、チームメンバー構成を意識的に多様性に富んだものにしていこうという方針があります。
戦略コンサルティングでは物事の本質を突き詰めていくことが重要視され、それはそれで重要なのですが、たとえきれいな戦略が描けたとしても、一方で実際のM&Aでは「絵にかいたような理想の相手」が存在することはまずありえません。そのため我々は、戦略コンサルティング経験者だけでなく、投資銀行でM&Aのエグゼキューション経験を積んだメンバーや事業会社でM&Aを推進していたメンバー、会計士資格を有した数字に強いメンバー……といった形で様々なメンバーを採用しています。
そうして敢えてモノカルチャー的な要素を排除し、多様性の中から独自の付加価値を出していくという特長があります。
movin:
お客様からもこういった多様性が評価されているのでしょうか?
青木様:
そうだと思いますね。M&A戦略を考える際に、M&Aディールのエグゼキューション経験が豊富なメンバーや事業会社で実際にM&A案件をハンドリングしていたメンバーがいることで、策定した戦略に「リアリティ」が生まれ、実行するときのイメージをよりクリアに持っていただけていると思います。
また、ビジネスデューデリジェンスにおいても、我々のチームでは戦略的な意味合いを実際の事業計画に落とし込んで、きっちりとした数字にまとめることができますので、その点も純粋な戦略コンサルティングファームとは異なる強みかと思います。

movin:
ディールズストラテジー部門の方針として、今後どのようなことを目指していらっしゃいますか?
青木様:
3点あります。
1点目は、我々のチームの強みでもありますが、引き続きM&Aディール絡む戦略イシューに特化していくこと。
2点目に、先ほど申し上げたようなクロスボーダー案件について一層精力的に取り組んでいくこと。特に、複数の国に跨る非常に複雑な案件でも対応できる強みを活かし、よりエッジを立てて取り組んで行きたいと思います。
3点目に、これまでの2つとはやや内容が異なりますが、先ほど申し上げた「多様性」を今後とも大切にしていきたいと思っています。業務範囲を厳格に規定してその枠の範囲でサービス提供するというよりも、メンバーの強みを活かしつつサービス範囲を限定しないで「クライアントに求められている」サービスを提供していきたいと思っていますので、自ら「自分たちの強みを活かせる領域」を模索しながら、積極的に新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。結果、部門のカルチャーとしても「この部門を自分たちで強くして、尖らせていく」という気概があるチームになればよいなと思っています。

movin:
そういった方向性の中で、どのような方にご入社頂きたいとお考えですか?
青木様:
多種多様な方にご入社頂きたいと思っていますが、敢えて強調すれば、特に戦略コンサルティングファーム出身者の方とM&Aのエグゼキューション経験をお持ちの方は非常に歓迎しております。
戦略コンサルティングファーム出身の方でしたら、これまで培ってきた戦略立案能力を武器にしつつも、もう少し自らのスキルに幅を持たせるないしは特定領域にエッジを立てることができます。異なるバックグラウンドを持った人間と協働しながら、M&Aという分野で知識・スキルを吸収しながら経験を積むことができるので、「そろそろ純粋な戦略コンサルティングを卒業して何か面白いことをしたい」という方には、ぜひ門を叩いていただきたいと思います。
また逆に投資銀行や事業会社でM&Aのエグゼキューションに関与してきた方にとっては、これまでの経験を活かしつつも、経営イシューに取り組み戦略的な視点を身につけることができますので、より上流・戦略立案の部分に関心がある方にぜひご入社頂きたいと思っています。
movin:
戦略コンサルティングファーム出身の方であればファイナンス・M&Aのエグゼキューションに関する部分にチャレンジすることができ、逆に投資銀行出身の方でしたら戦略立案の部分から関与することができ、これまでの経験を活かしつつも更にスキル・経験の幅を広げることができるのですね?
青木様:
おっしゃる通りです。違う観点ですと、クロスボーダー案件の経験が豊富な方、クロスボーダー案件に対応できる英語力をお持ちの方にもぜひ門を叩いていただきたいです。
movin:
実際に最近ではどのような方がご入社されていらっしゃいますか?
青木様:
最近入社したメンバーですと、戦略コンサルティングファーム出身者や商社でM&A戦略の立案からエグゼキューション、PMIまでを一貫して行われていた方が入社していますし、投資銀行や投資ファンドでM&Aに関与されていた方もいます。
movin:
こうした方々がディールズストラテジー部門への入社を決めた決め手はどのような点でしょうか?
青木様:
先程お話した「これまでの経験を活かしつつも、新しいことにチャレンジできる」という点に惹かれたというメンバーが多いですが、クロスボーダーM&A案件に取り組んでいきたいと思ったという声も多かったですね。
movin:
青木様の場合も、そういった点にやりがいを感じていらっしゃるのでしょうか?
青木様:
私の場合、そういった個別案件でのやりがいに加え、新しいチームを作っていくとか、新しいサービスを作っていくことができるという点もポイントになります。元々技術者でモノづくりをしていたこともあり、新しいものを作っていくことが好きで、このチームを強いチームにしていきたいと思っています。
そういった意味では、新しいチーム・新しいサービスの立上げに関心がある方にも、ディールズストラテジー部門は魅力的な環境かと思います。
movin:
少し話が変わりますが、最近入社された方で活躍されている方に何か共通する資質やスタンスはありますか?
青木様:
1つ挙げるとすれば「相互尊敬」というキーワードになるかと思います。
各人で強みやプロフェッショナリズムを持ちつつも、他の人の技やプロフェッショナリズムをしっかり尊敬できないと、一緒にコラボレーションできず組織のダイバーシティが成立しません。
例えば、戦略バックグラウンドの人が、
「私は戦略立案が出来ます。ただ数字の部分はAさんの方がプロですよね」
「投資銀行出身のBさんは変化への嗅覚が鋭くて絶妙なタイミングで刺さる提案ができるし、あちこちにリレーションがあるよな」
という形で、他人の強みをしっかりと尊敬することができて、いい意味で相手の良いところをうまく活用できるマインドをお持ちの方が、結果としてすぐにチームになじみ、自分の強みを活かしながら活躍できていると思います。
movin:
入社後のキャリアパスという観点では、何か特徴的な点はありますか?
青木様:
「PwCならでは」という観点では、やはり海外関連のアサインの豊富さですね。先述の通りPwCではグローバル案件への対応力を強化しており、人材育成の観点でもこちらの点を意識しています。
弊社内では「モビリティ」と呼んでいますが、海外オフィスへの派遣を積極的に推進しており、多数のメンバーが海外オフィスで活躍しています。
movin:
プロジェクトで海外に行かれることも多いですか?
青木様:
出張ベースで海外に行くプロジェクトは多いです。また、案件によっては現地オフィスのメンバーとチームを組んで対応しますので、例えばPwCメキシコ法人のオフィスのメンバーにもプロジェクトに入ってもらい、彼らとタッグを組みながら、日本からも短期出張で何度か現地入りするという形でプロジェクトに取り組んでいます。

movin:
最後に、貴社ディールズストラテジー部門にご関心をお持ちの方々に対して一言メッセージをお願いいたします。
青木様:
とにかく変化が好きで、むしろ変化を自分たちで作っていきたいというマインドの方にとって、我々のチームは非常に刺激的な環境かと思います。
ベースとなる自身の専門性を活かしながらもスキル・経験の幅を広げたい方や、チャレンジングな案件に関わりたい方にとっては、非常に魅力的な環境かと思いますので、こういった方のご応募をお待ちしております。
movin:
本日はご多忙の中、お時間をいただき誠にありがとうございました。