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MRの仕事内容、ハードって本当？

MR（Medical Representatives）＝医薬情報担当者とは、主に製薬会社に勤める営業・広報担当者のことを指した言葉です。MRの仕事とは、製薬会社における営業・広報担当者と言えます。ドラッグストアで売られている市販の薬（一般用医薬品）ではなく、医師からの処方箋が必要となる薬＝医療用医薬品を取り扱う営業職です。
錠剤や粉薬のような内服薬から軟膏などの外用薬、注射液や点滴で使う輸液など専門的な医薬品の知識や情報を幅広く持っています。営業職のため、自社製品だけでなく他社やマーケット全体の最新情報も理解しておくことが必要です。
主な仕事内容は以下の2つです。

①医療従事者に対して製品の正しい情報提供を行い、適正な使用の推進を図る
訪問先の医師・看護師・薬剤師に対する製品（新薬・ジェネリック医薬品など）の品質・安全性・有効性などの情報提供が、MRの最も大きな役割です。患者さんの治療に最適な薬として評価をされ選ばれること、製品の適切な使用を推進すること、訪問先での信頼関係を構築し今後の継続的な契約につなげることが大きなミッションです。

②医療現場からの製品のフィードバックを会社に報告し、医薬品による被害を最小限に抑え、今後の新薬の開発に役立てる
医療現場で実際に使用して分かった薬の効果や副作用などのフィードバック、新たに出てきたニーズなど情報収集したものは会社に伝え、今後の製品の品質向上や新しい製品の開発の貢献に努めるのもMRの重要な仕事の一つです。

どちらの業務も、その病院との契約を今後も継続させるための営業活動です。製品を選んでもらうにも使用後のフィードバックを受けるにも、訪問先の医師や看護師、薬剤師との信頼関係が非常に重要です。商品に関する専門的な情報を正しく伝えることはもちろん、医師やスタッフからの質問や要望に素早く対応すること、態度や言葉遣いに気を配ることなども大切です。

製薬会社のMRは、医療業界と製薬業界の間における重要な架け橋として機能し、製品の普及に貢献しています。
彼らは、製品に関する最新の情報を提供することで、医療従事者が患者に対して最適な治療を提供できるよう支援しています。さらに、医療現場での製品の正しい使用法や効果を啓発し、患者の健康増進に寄与する役割を果たしています。
そして、MRの役割は、単なる情報提供だけでなく、科学的な知識、コミュニケーションスキル、市場動向の把握など幅広いスキルを組み合わせて、医療従事者との協力を通じて患者の治療やケアに貢献することにあります。彼らの活動は、製薬業界の成長と健康な社会の構築に大きく寄与しているといっても過言ではないでしょう。

以前は製薬会社のMR同士で医師に対する過剰接待が当たり前だったこともありプライベートが犠牲になることも少なくなかったようですが、近年は製薬業界全体で医師に対する過剰な接待は禁止されています。
とはいえ、医薬品に関する勉強や、学会の手伝いなど実際の営業活動以外の部分に費やす時間も多いため、ハードな仕事であることは事実です。

具体的な業務内容は？

医薬品の販売や普及における鍵となる役割を果たす医薬情報担当者（Medical Representatives、以下MR）は、製薬会社の重要な一員です。彼らの仕事は、医療従事者や医療機関に対して、製品に関する正確かつ包括的な情報を提供することにあります。この情報は、製品の特性、効果、安全性などを説明し、科学的なデータや臨床試験の成果を示すことで裏付けられます。
MRは製品の特徴や利点を医療従事者に理解してもらい、患者の治療やケアにおいてその製品がどのような役割を果たすかを示すことが求められます。また、MRの仕事は製品の新たな使用方法や最新の治療法に関する情報も提供し、医療従事者が常に最新の知識を持ち、患者に最良のケアを提供できるよう支援する側面も含んでいます。

一般的に、MRの活動は次のようなプロセスで展開されます。
まず、彼らは各種の医療機関を訪問し、医師、薬剤師、看護師などの医療従事者との関係構築を始めます。これには、信頼関係を築くことが不可欠であり、時間と努力をかけて継続的なコミュニケーションを図ります。
次に、製品に関する詳細な情報を提供し、科学的根拠に基づいた説明や製品の利点を明確に伝えます。また、MRは医療従事者が製品の適切な使用方法を理解し、適切に処方するためのトレーニングや教育も行います。

MRの仕事には、単なる情報提供だけでなく、幅広いスキルと深い専門知識が求められます。
彼らは医学的な知識を持ち合わせるだけでなく、コミュニケーション能力や説得力、交渉力も必要とされます。なぜなら、医療従事者は患者の最良の利益を考慮し、科学的な根拠や安全性に基づいて製品を選択する必要があります。そのため、MRは信頼性の高い情報と信頼できるパートナーシップを構築することが重要です。
さらに、MRの活動は厳格な規制と倫理観に基づいて行われます。医薬品の販売活動は患者の安全を第一に考え、正確かつ透明性のある情報提供が求められます。したがって、MRは厳しいトレーニングや倫理的ガイドラインの順守も要求されます。
総じて言えば、MRは医薬品の普及において欠かせない存在であり、医療従事者との連携を通じて患者の治療やケアに貢献する存在ですが、彼らの仕事は、製品の利点を明確に伝え、医療の最前線で最良の選択を提供するための重要な要素となっています。

MRとMSとの違い

MSとは「Marketing Specialist」の略で、医薬品卸販売担当者と呼ばれることが多いです。医薬品卸販売会社の営業職として医療機関やドラッグストアなどに医薬品や医療用材料などに提供を行います。
MRとMSの一番の違いとして、価格決定権の有無にあります。MRは医療品・医薬品の情報提供がメインの役割になりますが、MSは情報提供はもちろん、医療品・医薬品の価格交渉も行うため、業務範囲が広めです。
また、MRは自社商品に関する専門的な知識が必須になる一方で、MSは複数企業の商品の専門的な知識が必須となるので、取り扱う商品によって広範な知識が必要となります。

MRの魅力・やりがいとは？

MRは人の命に係わる医薬品を扱うため、「社会の役に立っている」「医療現場に貢献できている」というやりがいを感じることができる職業のようです。
MRになるには、医学部や薬学部で学ぶ必要も事前に取得するべき資格もありません。最終学歴が大卒以上で入社後に認定試験に合格すれば、一人前のMRとして活動できます。学生時代に文系の学部だったとしても医療分野で活躍できるというのが、文系出身者の就職先として人気の理由の一つかもしれません。

一方で、責任重大な仕事のためプレッシャーを感じることも多いのが事実です。業務自体がハードですし、転勤の可能性が高く、それを懸念して転職したり転勤が無い部署への異動を希望するMRも多いです。
また、MRは薬とその薬に関わる病気についての専門性の高い知識を持っていることが必須条件です。入社後の研修やMRとして働き始めてからも自分で論文などを読むなどして、医療分野に関して幅広く勉強する必要があります。
これだけ聞くととても大変で激務と言える職業ではありますが、その対価として、負担を軽減させる要素としても、充実した福利厚生が整備され、給与も一般的には高収入を言われるほどの水準となっているようです。

MRの一日

製薬会社の営業職であるMRの1日は、基本的に外勤が主になります。医師へのアポイントや訪問準備を済ませた後は、担当の医療機関やクリニックに出向き、医師と面談するためあちこちを回ります。
場合によっては、朝の診察時間前の早朝に直行で医師を訪問をしたり、診療時間終了後の夜遅い時間に病院を訪問し、会社に戻らずそのまま直帰することもあります。

製薬会社勤務のMRのある1日

7:30	出社、訪問準備
8:45	1件目の病院へ行き、頼まれていた資料を渡す
9:30	隣接するクリニック3件に訪問し、医療情報などを提供
13:00	帰社・ランチ
14:00	2件のクリニックに訪問し、挨拶
17:15	帰社後、ミーティングで訪問状況を報告
19:30	夜診後のクリニックを訪問
20:35	明日のアポイントを確認して、直帰

MRの平均年収

厚生労働省によるとMRの平均年収は約578万円で、日本人の平均年収が458万円なので、他業種と比較しても年収は高いです。
平均年収が高い理由の1つとして、インセンティブの多さが影響しています。
MRも営業職なので、営業成績が良ければインセンティブもあり、他業界の営業職と比べても多くもらえる傾向にあります。
また、手当・家賃補助などの福利厚生が充実している点も年収を高めている要因の1つです。
より詳しく知りたい方は、【男女・年齢別】MRの平均年収の記事をご覧ください。

MRのキャリアパス

MRは医療業界の知識や営業スキルなどを有しているため、キャリアの選択肢も豊富にあります。
まず多くの方が考えるのがMRとしてプロモーションしていくことでしょう。実績を積んでいければ主任やエリアマネージャー、さらに営業部門の統括マネージャーといった管理職へ昇進し、年収1000万円を超える方もいらっしゃいます。
また、MRとしての経験を基に、製薬業界内で別の専門領域に進む選択肢もあります。例えば、マーケティング部門で製品戦略を担ったり、新人MRの育成や研修の担当、さらに、新薬開発やメディカルアフェアーズで、科学的視点や医療分野の知識を深めながら専門性を追求することも可能です。
しかし、最近ではMRの将来席に疑問を感じ、他業界へキャリアチェンジをする方も非常に多くなっています。特にコンサルティングファームやM&A仲介といった分野では、医療業界で培った知識や営業経験などを活かせるのはもちろん、年収も数千万円超えている方もおり、キャリアチェンジ先としても人気が高まっています。

MRのキャリアプランについて徹底解説！必要なスキルや将来性も併せて紹介！

MRに必要な資格やスキル

MRに必要な資格やスキルをご紹介いたします。
身に付けることでMRの業務に活かせることはもちろん、MRで培った経験やスキルを活かしたキャリアチェンジも可能です。
資格・スキルそれぞれを以下で解説していきます。

MRに必要な資格

MRとして必須の資格というのはありませんが、MR認定証と普通自動車運転免許の2つは保有しておくべきです。
MR認定証は、MRの資質向上のために、毎年12月に厚生労働省が認可する「MR認定センター」で行われる認定試験に合格し、修了認定と6カ月以上のMR経験を積むことで得ることができます。
資格を保有しておくことで、医師などの医療従事者との信頼関係の構築・MRとしての安心感を与えることができるので、取っておくと安心です。
また、運転免許は普段の営業活動で車を使うこともあるため、ほぼ保有しておくのが必須と考えて良いでしょう。

MRに必要なスキル

MRに必要なスキルとして、コミュニケーション能力・体力・忍耐力は必要になるでしょう。
MRは医師などの医療従事者との対話を日々行うので、相手の反応を見た受け答え・情報の伝え方などを通して信頼関係を築くためのコミュニケーション能力は大切です。
また、医療従事者の方は非常に忙しく、長時間待機する場合もあるので、体力や忍耐力も時には必要となります。
MR経験がある方はその後のキャリアパスとしてコンサルティングファームやM&A仲介、マーケティングなどといった高年収の業界・業種に転職することも可能なので、汎用性の高いスキルを身に付けられるのが魅力と言えます。

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