医療コンサルタントへの転職

医療コンサルタントへの転職

現場主義と「仕組み化」で改革、機能分化で医療・経営双方の質を向上 医療・ヘルスケアコンサルティングのプロジェクト事例

グローバルヘルスコンサルティング 医療・ヘルスケアコンサルティングのプロジェクト事例

400床を超えるDPCII群病院でありながら、2014年10月から急性期を脱した患者の受け皿として「地域包括ケア病棟」に一病棟を機能分化させた新潟県立新発田病院。思い切った経営改革を決断し、医療と経営の双方の質向上に導いた背景には、堂前洋一郎院長の徹底した現場主義と、院内を動かすための「仕組み化」がありました。

「最後の砦」の課題に「地域包括ケア病棟」
コンサルタント冥利に尽きる―。訪問した新発田病院の帰途、GHCアソシエイトマネジャーの湯原淳平は15年8月、喜びをかみしめました。経営コンサルティングを約3年前から担当する同病院に黒字化のめどが立ったためです。
新発田病院は、478床(一般403床、精神45床、感染4床、ICU20床、NICU6床)の県北部の基幹病院。近くには急性期病院がほかにないため、「最後の砦」として地域の救急患者をほぼすべて受け入れています。そのため、病床稼働率が極めて高く90%を超える月も多いといいます。
救急病院だけでなく、急性期を脱した患者の受け皿となる後方支援病院が少ないこともあり、入院期間が比較的長いことが問題になっていました。ただ、入院期間の短縮をやみくもに目指しても、病床稼働率が低下して空床が増えれば、全体的な医業収益の減少につながる可能性もあります。
院内のこうした課題と地域性を考慮して、湯原が提案したのは、地域包括ケア病棟の導入による院内での病床機能分化の推進でした。
自病院内に後方支援病棟を持つことで、急性期医療の質を落とすことなく、急性期病床の新たな受け皿を創出することができます。最適化された急性期病床は、平均在院日数の短縮と「重症度、医療・看護必要度」の向上が見込めることで、これまで算定してきた10対1入院基本料を、より手厚い報酬の7対1入院基本料で算定する可能性も見えてきます。実際、地域包括ケア病棟導入に向けた一連の取り組みやクリティカルパスの改善などが奏効し、同院は14年5月から7対1入院基本料を算定しています。地域包括ケア病棟は14年11月から算定しました。
回復期の病棟ができることは、医療の質と患者満足度の向上にもつながります。しっかりとした機能回復訓練や在宅復帰支援を受けられるかどうかは退院後のADL(日常生活動作)向上にも直結しますし、急性期と在宅療養の架け橋が整備されたことで、患者の安心・安全を高めることにもなります。

機能分化の布石に「病棟長」
いいことずくめに映る地域包括ケア病棟の導入ですが、課題も多くあります。
14年4月からの新制度ということもあって、地域包括ケア病棟への理解は全体的にまだ低く、特に院内の理解を得ることが難しいと言われます。創設されて間もないため導入の前例も少なく、ましてや申請するのは200床以下の中小病院がほとんど(関連記事『地域包括ケア病棟、1年間で少なくとも1.4万床に−GHC調査』)。基幹病院による導入例がほぼない中で、「急性期を脱したばかりの患者に対応できるのか」「単科で活躍してきた看護師が混合病棟で務まるのか」など、院内からの反発は容易に予想されます。経営者が導入に足踏みする可能性も高いようです。
しかし湯原は、同病院での地域包括ケア病棟の導入を、「堂前院長のリーダーシップと実行力があったので、スムーズに実施できた」と振り返ります。
堂前院長が就任したのは13年4月。長年、経営改革の必要性を感じており、副院長時代にはDCM(DPC、クリティカルパス、材料)の総責任者を務めました。12年6月に湯原が初めてコンサルティングに訪れたキックオフ・ミーティングでは、「これからは医療の質を落とさず、経営のことも意識しないと生き残れない。一緒に頑張っていこう」と院内に呼び掛け、病院改革をけん引してきました。
就任後は病院改革を全部署に通達。「DPCII群の維持(クリティカルパスの充実、病床の区分化などで)」「外来機能の充実(外来の再編、外来化学療法室の拡充、外来手術センターの開設などで)」などと、在任中に目指す方向性を「院長方針」として、はっきりと打ち出しました。定期的に開く「院長講話」でも、病院改革の方向性を繰り返し現場に伝えました。さらに週1回は、看護部長と事務長を引き連れて各部署を訪れ、現場の声に耳を傾け、「院長方針」を実践できているか確認する仕組みを作り上げました。
病床機能の分化では、看護部門の病棟責任者として「看護師長」がいる一方で、医師側の責任者がいないことに注目。そこで、「病棟長」として各病棟に医師を置き、地域包括ケア病棟の導入に向けた病床管理に医師を巻き込む仕組みを用意しました。また、地域包括ケア病棟をスムーズに導入するため、病室単位で算定する従来の「亜急性期入院医療管理料」でまず運用を開始。ある程度の経験を積んでから地域包括ケア病棟を導入するという段取りを踏みました。

大きな改革の「うねり」を作る「当たり前」の実践
15年度には一連の改革で単月黒字が続き、通年でも黒字を見通せるようになった新発田病院。堂前院長は、病院改革について、「重要なのは大きな声を出すことではなく、明確な意思表示をすること」と振り返ります。
明確なメッセージを現場に何度も送り、頻繁に足を運ぶという徹底した現場主義と、改革を実行に移すための「仕組み化」により、改革への「うねり」を、着実に形にしてきました。堂前院長は「院長として当たり前のことをしただけ」と笑いますが、大声で語らずとも、「自分たちの病院を変える」という熱い想いを胸に、明確に意思表示してきた堂前院長の「当たり前」は、病院で働く人たちを変え、そこでの医療と経営の質を変え、地域の医療を大きく変えようとしています。

その他病院コンサルティングのプロジェクト事例

医療コンサル転職情報

3つのSTEP! 医療コンサルになるには?

3つのSTEP! 医療コンサルになるには?

医療コンサルタントへの転職をご検討の方は、まずはこちらからご覧いただけるとわかりやすいかと思います。

未経験からの医療コンサルタント転職

未経験からの医療コンサルタント転職

未経験から医療コンサルタント転職を目指している方へ、その転職方法と積極採用ポジションをご紹介します。

医療コンサルタントの仕事内容

医療コンサルタントの仕事内容

医療コンサルタントの主な仕事内容をご紹介します。クライアントによって具体的な内容が大きく変わります。

厳選求人情報

医療コンサルタント求人

積極採用中の求人をご紹介いたします。コンサルティングファーム、医療ヘルスケア関連企業、ヘルステックベンチャーなど、ご興味のある方はまずはお気軽にお問い合わせください。

職種別 転職情報

MRの転職 転職事例や採用動向、また転職の際に気をつけるべきことをご紹介。

医師からのコンサル転職 医師から「コンサルタント」へのキャリアを詳しくご紹介いたします。

看護師からコンサルタントへの転職 医療コンサルへの転職事例から最新採用動向、さらに積極採用中の求人情報もご紹介致します。

理想のキャリアを手に入れるために全力でご支援させて頂きます

ムービンでは今すぐのご転職でなくても、今後のキャリア形成や、ご転職に向けての中長期的な
プランを共に考え、具体的なアドバイスをさせて頂いております。コンサルティング業界に
ご興味のある方はご自身では気づかれない可能性を見つけるためにも是非一度ご相談ください。

無料転職支援・ご登録はこちらから

無料転職相談はこちらから

Page Top

無料転職相談・登録

コンサルタントへ転職をお考えの方、コンサルタントから転職をお考えの方に、コンサルティング業界転職支援実績No.1の人材紹介会社、株式会社ムービンが圧倒的な業界知識を提供する転職支援サイトです。弊社キャリアコンサルタントはコンサルティング業界出身であるためコンサル経験者にしか出来ない転職コンサルティングを致します。キャリアチェンジをお考えの方はぜひ一度我々にご相談ください。

ムービングループサイト

  • コンサルタント転職サイトコンサル業界への、コンサルからの転職支援。
  • ITコンサルタント転職サイトITコンサルティング業界への転職支援
  • 金融転職サイトファンド、M&Aなどの金融業界への転職支援
  • 組織人事コンサルタント転職サイト人事コンサル、事業会社人事ポジションへの転職支援
  • ポストコンサル転職サイトポストコンサルへの転職支援

株式会社ムービン・ストラテジック・キャリア 〒107-6207 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー 7F
copyright (c) Movin Strategic Career CO .,Ltd. All Rights Reserved.

Page Top

よく見られているページ

はじめての方へ 初めて転職をお考えの方、初めてムービンHPにお越しの方へ、弊社サイトの活用法などをご案内いたします。

お問い合わせ、ご相談はこちらから。すべて無料となっております。

Copyright (c) movin CO .,Ltd. All rights reserved.

???????????

????????????????????