ベイン・アンド・カンパニー マネージングディレクター 日本代表 奥野 慎太郎氏 インタビュー

ベイン・アンド・カンパニーの評価制度

movin:

評価の仕組みについてもう少し詳しく教えて頂けますでしょうか。
全員で全員の評価を行うとのことですが、具体的にはどのように行われていらっしゃるのでしょうか。

奥野様:

そうですね、コンサルタントクラス以下の評価であれば必ずプロフェッショナルディベロップメントアドバイザーという評価者がつきます。この評価者が、パートナーとマネージャーの全員が集まった場で、評価するコンサルタントの評価をプレゼンします。そのプレゼンに対して、周りが「本当にそうなのか」、「なぜそうなんだ」ということをかなり厳しく議論をして答えを出していくというやり方です。この仕組みはもちろん海外オフィスも同様です。規模が大きいオフィスになると何階層かに分けてやるところもありますが、基本的には全員が全員の評価をしており、産業で分けたりなどはしないというのを統一しています。また、評価基準ももちろんグローバルで統一ですので、海外オフィスのコンサルタントと一緒に働くことになっても、そのコンサルタントの評価を見ればすぐにスキルが分かりますし、そこに何も不安はありません。例えば、私がサンフランシスコで新しいプロジェクトに入り、一緒に仕事をしたことがない上司につくとしましょう。 その上司から「ところで君は何がパフォーマンスの課題なの?」と聞かれ、「20個あるうちの3番目と13番目なんです」というと、「あああれとあれね、じゃあこういうことをやっていけば今後1ヶ月でパフォーマンスが良くなるかもね」というような話ができます。非常にシステマチックです。

movin:

こういうグローバルで統一した評価の仕組みがあって運用しており、これは昔から変わっていないと?

奥野様:

少しずつ改善しながらやってはいます。私が入社した頃と比べれば、基準が少し変わったりはしていますが、これは時代と共にお客様のニーズが変わるから変えるだけで、基本的な仕組みややり方は昔から変わっていません。

movin:

それは凄いですね。

奥野様:

非常に透明で分かり易いですよ。新入社員からマネージャーぐらいまではずっと同じ項目で評価し続けますので。アウトプットが期待値から離れることはないかとか、頼まれた分析が普通にできるかとか、お客様のニーズを捉えて分析や設計ができるか、あるいはお客様が気付いていないものが言えるようになるかとか、項目はずっと同じで期待値が変わっていくだけですから、新入社員がマネージャーを目指そうと思ったらこういうことができるようにならないといけない、というのが全部書いてあります。通知表みたいでとても分かり易いと思います。

movin:

そのような通知表みたいな形でフィードバックがあり、コンサルタントは自分の課題を見てそれを改善するためにどうすれば良いかを相談していくと。

奥野様:

評価する側があなたは何点でしたと伝えるだけでは意味がありませんので、評価される側に対して、「あなたはこうだから今後6ヶ月ぐらいはこういうことを頑張ってみたら良いんじゃないか。そのためにはこういうプロジェクトに入ってみるのも良いと思うよ、自分からも言っておくし応援するから」というような形でフィードバックします。これによりアサインメントの方向性も決まっていきます。もちろん実際のアサインメントはコンサルタント個人のニーズとお客様のニーズとプロジェクト側が求めるコンサルタントの要件の3つで決めるわけですけどね。

movin:

なるほど。
では、海外へのトランスファーや海外プロジェクトへのアサインメントもニーズがマッチすれは実現されると?

奥野様:

そうですね。プロジェクト毎にこういうコンサルタントが欲しいという形で出てくることもありますし、本人から転勤希望が出てくることもあります。また、オフィスの10%ぐらいは常に出入りさせておこうというポリシーがありますので、半年に1回ぐらい希望を調査して、手を挙げた人の中で一定の基準、東京オフィスでいえば当然英語の基準とか、を満たす人でかつ一定以上の評価のトラックレコードがあれば海外に出て活躍してもらいます。今現在もタイにいたりブリュッセルにいたり、色々なところに飛んでいます。

movin:

ここまで一貫してジェネラリストモデルというのをお話し頂いていますが、一定以上の役職になると当然業界の専門性を持つようになるのですか?

奥野様:

そうです。マネージャー、プリンシパル、パートナーになってきますと、専門性を持ってきます。

movin:

それでは若手のうちは幅広い業界を経験すると?

奥野様:

基本的にはそうですね。

movin:

そうしますと、若手の方は「特定の業界のプロジェクトをやってみたい」というご志向をお持ちで、業界が偏ったりはしないのでしょうか?
特に中途の場合は皆さんバックグラウンドをお持ちですしね。

奥野様:

なるほど。そこは意外にそうではなくなります。まあ最初は、「自分は小売がやりたい」とか「自動車がやりたい」とか言って入って来るんですけど、これはすぐになくります。その理由は、先程申し上げたように評価項目が極めてはっきりしていますので入って2,3ヶ月もしますと、「こういう業界のプロジェクトがしたい」ではなくて、「この評価項目をもっと伸ばしたいんでこのような経験ができるプロジェクトをやりたい」とか、「自分の強みはここなんでこういった活躍ができるようなお客様と仕事がしたい」とか、プロフェッショナルとしての自分の強み弱みをしっかりと意識した会話になっていくんですね。評価項目をもとに自分を最大限成長させることを考え、業界というのは結果論になってきます。

movin:

なるほどですね。
評価結果がコンサルタントにとって、今後の自分をどのように成長させていくかの重要な指標になるわけですね。

奥野様:

あまりやり過ぎますと評価のために仕事をするようになりますので良くないのですが、これはあくまでお客様に対して何でお役に立てるかという指標ですから意識しないといけません。また、社内の色々なトレーニングも各評価項目に対応する形で用意されていますので、伸ばしたい項目が明確になっていればどのトレーニングを受ければ良いかが分かります。ですので、皆この評価項目を意識していると思います。

また、下のクラスが評価されるだけではなくて、我々上のクラスも下から評価されます。評価項目は異なり、問題解決に力を出しているかとか、お客様とのリレーションをしっかりとっているかとか、チームをちゃんとマネジメントしているかとかですが、事細かなフィードバックがあります。半年に1回行いますが、我々の評価にかなり影響します。20項目ぐらいに対して5段階評価で付けてもらい、加えて改善点などのコメントを書いてもらいます。そうしますと、面白半分で誹謗中傷するような人は基本的にいませんので、結構真剣なコメントが返って来ます。それを読んで自分の胸に手を当てて考えてみると…。この評価が低い人間はプロモーションできませんので、非常に民主的な仕組みだと思います。

ですが、仕組みはあくまで仕組みですから、「仕組みに従わないといけない」と思ってはダメで、この仕組みを使って自身の成長を加速させたり、自身がやりたいと思う世の中への付加価値の仕方を実現したりするためにあると考えています。そのため、仕組みから外れなければ抑えつけられることはないので、色々言われている他社との違いがあるのではないかと思います。例えば、かなりフレキシブルな雇用形態があったり、小さいプロジェクトはやってはいけないというのもあまりなかったりします。つまり、一定のプロフェッショナルとしての水準を保つのであれば、社内での勤務形態やお客様との仕事の仕方などに関してはかなりフレキシブルにやっていると思います。

ワークライフバランスもこの仕組みによって成り立っています。大前提として、一定のプロフェッショナルとしての水準を保つ優秀な方でないとフレキシブルな働き方はできません。労働時間が限られているわけですから、限られた労働時間内に効率的に仕事ができる方でないと破綻してしまいます。例えば、お子さんのお迎えがあるので5時に帰られる人がいたり、月の4,5日は家業を手伝っていらっしゃったり、1年間のうち2ヶ月はオフで1年に10ヶ月しか働きませんという人もいるんですね。本当に色々な働き方をしている人達がいるんですが、全員優秀です。プロフェッショナルで非常に優秀な人だからこそこのような働き方ができるのだと思います。ですので、一定水準のプロフェッショナルになるようにトレーニングをしますし、アサインメントの機会を与えますし、パフォーマンスが下がってきたら逆に優先的にパフォーマンスが出せる機会を与えたりもします。このような仕組みによってワークライフバランスが成り立っています。同様に、このように会社として最大限の成長の機会をお与えするからこそUp or Outが厳格に運用できるのだと思っています。 「ベインはUp or Outですよね?」とよく言われますが、「はいUp or Outです」とお答えしています。一定水準のプロフェッショナルになるためのしっかりとした仕組みがあるからこそUp or Outが運用でき、一定水準のプロフェッショナルだからこそこのようなワークライフバランスが成り立ち、ファームとして機能しているんだと思います。

また、お客様との仕事の仕方に関しては、企業のコンサルティングだけをやっていても社会問題というのは見えないんですね。企業のコンサルティングをやっていても、今の世の中にある色々な社会問題に自然と接することは少ない可能性があります。そうしますと世の中の見方を誤解してしまいますので、これを補うためや色々な価値の出し方を身に付けるために、プロモートコンサルティング、つまりプロボノ活動にかなり力を入れていたります。実は今日もある某競合ファームさんに、「どのようにやっているのか教えてください」と聞かれました。(笑)その競合さんは、一時的なブームでやったりはするそうなんですが、オフィスヘッドが変わると廃れてしまったりして続かないらしいです。ベインは、東京オフィスだけではなくてグローバルでずっとやってきていますので、もうかなりの仕組みができています。これは別に格好いいことを言うつもりはないんですが、我々としては勉強させて頂いているのだと思います。 例えば、日本は人身取引がとても多くてOECDの中ではロシアと同じくらいやばい国で、国連機関からも警鐘が出ているということを多くの人は知らないと思います。他には、小児ガン。交通事故などの不慮の事故を除くと、子供も死亡理由の一番はガンなんですが、企業から見ると市場が小さいので子供向けの新薬は開発されない。あとは、学童保育の問題や外国人で障害がある子供は如何に日本で教育を受けるのが難しいかとか、皆やっぱり知らないんですね。このような社会問題に対して、新しいプラットフォームを提供したり研究資金が回るようにするようなプロボノをしていますが、このような色々な課題を扱うことで本当に勉強させて頂いていると思います。で、もちろんプロボノであっても仕事ですから、ベイン・アンド・カンパニーとしてのプロフェッショナルなアウトプットを出しますし、企業のコンサルティングと同じ基準で評価する仕組みになっています。

movin:

凄い仕組みですね!
お話をお聞きしていて、もちろん凄い仕組みが整っているからというのもあると思いますが、これだけしっかりと運用できているのは、ベインのコンサルタントの方々はその仕組みを如何に使って自分を成長させていくかを考えていらっしゃるからであり、1人のコンサルタントとしてとても誠実で真面目なんだな、という印象を強く受けました。

奥野様:

そう言って頂けると非常に嬉しいところです。基本的な我々の人材に対する全ての考えの根本は、性善説です。人間というのは正しい機会があって正しいサポートを得ていれば正しいことをやる。「Do the right thing」そのままなんですが、これがキーワードです。これに性悪説も少し足すので、これはやってはいけないという規則もありますが、非常に少ないです。根本は性善説になります。

movin:

なるほど。そうすると規則でガチガチに固めなくても大きく外れたことをするような人はいないと。

奥野様:

はい。

movin:

そうしますと、結果的にアウトになってしまう方というのは、必ずしも能力的にどうこうというよりは、ベイン・アンド・カンパニーのこの仕組みを上手く使えなかったり、カルチャーが合わなかったりした方になる気がしますがいかがでしょうか?

奥野様:

そういう要素もあるかもしれませんね。もちろんパフォーマンスが一番重要ですけれども、パフォーマンスが少し厳しくても、非常にGood citizenで社会のためにファームのために貢献しようとしてくれていたら、もう1回チャンスを与えてみようということは実際にやっています。

movin:

逆にここが合わない方は、入社するまで至らないのかなとも思います。

奥野様:

そうですね。ベインはカルチャーがきついとよく言われるんですが、おそらくそういうことなんだろうと思いますね。育成を個人技にせず、ベイン・アンド・カンパニーとしての仕組みをしっかりと整え、ファームレベルで、しかもしかもグローバルレベルで育成を行っている。このようなベインの強固な仕組み、カルチャーがあるのだと思います。

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