スカイライト コンサルティング 代表取締役 羽物俊樹氏 インタビュー

  1. スカイライト コンサルティング 設立の経緯
  2. コンサルティングサービスの特長
  3. スカイライト コンサルティングのコンサルティングテーマ
  4. スカイライト コンサルティングの人材育成
  5. スカイライト コンサルティング 今後の事業展開

スカイライト コンサルティング 設立の経緯

movin:

本日はご多忙の中お時間をいただき、誠にありがとうございます。まず初めに設立に至った経緯をお伺いできますか?

羽物様:

まず、私には漠然とですが、いつかは起業したいという想いがありました。新卒での就職活動の面接で、「宝くじが当たったら何に使いますか?」という質問に対し、「少しだけ自分のために使って、少し周りにおすそ分けして、あとはいつか来るだろう自身の会社設立資金のためにとっておく」と答えたくらいです。でも、その当時は事業のアイデアが具体的にあったわけではありませんし、起業資金も人脈もありませんでした。また私が就職した1990年代初めは、自分で会社を立ち上げるのは相当にハードルが高いものでした。ベンチャー向けの法制度も投資環境も整っていなかったので、担保価値のある資産が無ければ、事業資金を融資してもらうのも難しかったのです。
1990年代後半に、状況が変わりました。新興市場が整備され、法制度や資金調達での規制緩和が訪れ、日本での起業のハードルが下がったことで、特にIT系の会社を中心に次々とベンチャーが起業するようになりました。実際に私の周囲でも、ベンチャーを起業する、あるいは、ベンチャー企業に参加する人が出てきました。自分自身にとっても、起業する選択も現実的になってきました。
その頃、私は大手コンサル会社で経験を積み、マネジャーとして、いわゆる大規模なコンサルティングプロジェクトを担当していました。大企業をクライアントとしたITの導入も絡むプロジェクトで、人数も予算も大規模なもので、そういうタイプの仕事については、経験も多数あり、実績を出せている自負はありました。ですが、だんだんとそれでも良いのか疑問を持つようになりました。

movin:

順調にキャリアを積まれていたようですが、どんな疑問を持たれたのですか?

羽物様:

一つは、その会社で「大きなクライアント」の「大きなプロジェクト」を受注する圧力が強くなったことです。利益を重視する営利企業なら、ビッグプロジェクトを受注することが良いことであるのは理解していますが、ターゲットにならない小さい企業は見向きもしないとなると、ちょっと違うのではと。コンサルティングを必要とする企業はコンサル会社側の都合で選んだ企業だけではなく、世の中にたくさんあるのだから、そういった企業に自分たちの力を提供できれば、もっと世の中のためになるのではないかと。
もう一つは、コンサルタントとしての成長という視点です。これは私の成長というより、会社に所属している若手コンサルタントの成長への疑問なのですが、ビッグプロジェクトになると、コンサルタントだけで数百人にもなります。そうなると、クライアントとほとんど接していないコンサルタントも存在してしまいます。階層型のプロジェクト組織になりますから、チームリーダークラスはクライアントの現場担当の方、プロジェクトマネジャーなら、クライアントの部課長クラスの方と日々コミュニケーションしながら仕事することになります。ですが、チームメンバーとなると、そうではなく、自社の上位コンサルタントからの指示を遂行する単なる作業者になってしまいます。ほとんどクライアントと接していない若手コンサルタントがいることを見て、これで良いのだろうかと思うようになりました。
誤解の無いように補足しますと、決してビッグプロジェクトが悪いとか要らないということではありません。そういうプロジェクトが本当に必要なクライアントはありますから。でも、そうすると若手コンサルタントはクライアントと接する機会がほとんどなくなる。それは当時所属していた会社では変えようが無い。じゃあ、外に出ようか、そう思うようになったのです。

movin:

なるほど、それで外部の資本を調達して、コンサル会社を設立したということですね。

羽物様:

はい。ですが、会社をやる決断に至るには、もう一つ重要な要素がありました。それは仲間の存在です。
私が感じていたことと同じようなことを感じている同世代のマネジャーが何人もいて、「一緒にやろう」となったのです。そのとき、私を含めて6名が中心になったのですが、同じコンサル会社の中でそれぞれ実績を上げてきた、力のある者ばかりでした。事業を回す経験は誰にも無いものの、能力がそれなりにある人間が、想いを同じにして一緒にやろうという。そういう仲間がいるのだから、まあ何があっても何とかなるだろう。
最初の6名は、フラットな関係で、取締役になり、そこからいろいろな人を「一緒にやろう」と誘っていったのです。今も6名のうち4名は、そのまま当社の取締役を務めています。だから、取締役会や経営会議は今でもフラットに議論しています。これはとても良いことだと思っています。

スカイライト コンサルティングのコンサルティングサービスの特長

movin:

では話題を変えまして。その後、15年経っていますが、御社のコンサルティングの特長を教えてください。

羽物様:

創業以来、変わっていない経営理念があります。「顧客の成功を創造し、顧客と成功体験を共有する」というものです。我々は、お客様のために、それも本当に価値のあることを、お客様と一緒になってやり切ろうとしています。
言われたことをこなすだけでは、成功の創造には至りません。発言の奥に本当の意図が隠されている場合もありますし、お客様自身が必要なことを表現しきれていない場合もあります。我々のバイヤーと密にコミュニケーションするだけでなく、なるべく他部門の方とも対話します。そして、外部環境も含めて考えると、どうすれば良いか、おぼろげながら見えてきます。まあ、このあたりはコンサルティングサービスなら当たり前ですね。
我々が意識しているのは、そもそもそうやって見えてきたことを実現しなければ、クライアント企業として果実を得ていないということです。絵に描いた餅は食べられず、米を蒸してつかなければ餅は食べられません。だから、成果が出るところまで、ちゃんと責任を持ってやり切ろうということです。
もう一つは、計画通りに行かないのが当たり前ということです。

movin:

計画づくりに携わったコンサル会社が、自ら計画通り行かないと発言するのは不穏なのでは(笑)?

羽物様:

もちろん、きちんと細かいことや企画時点で想定しうることも計画に盛り込み、段取ります。でも、ビジネスは動いていますから、前提とした状況は変わっちゃうことが往々にしてあります。それにそもそも、コンサル会社に仕事を依頼するくらいなので、業務改善だろうが新規事業だろうが、クライアント企業として何らか未知のことに挑んでいるわけで、事前に情報を集めきり想定しきることは不可能なのです。
まあ、こういうと開き直りみたいな発言に見えますが、100%完全に情報が集まるのを待っていたら、時間が経ちすぎて、意味の無い施策になってしまいます。だから、ある程度「確からしい仮説」をベースに進み出すしかないのです。
大切なのは、想定しえなかった事態が発生したり、環境が変わってしまったりしたときにも慌てず、そもそも実現したかった狙いが何なのかに立ち戻ることです。その上で、100%計画通りではないけど、本来の狙いが実現されるように軌道修正をすることです。未知のものを実現するためのプロジェクトなのですから、多かれ少なかれそういう軌道修正が発生するのは当たり前だと我々は思っています。

movin:

なるほど。

羽物様:

我々は仮説作りでもお客様と一緒に作っていくスタイルですが、その後、実現していくステージでも、一緒になってやります。常に対話をしながら、突発的に何かが起こってもお客様と一緒に軌道修正をし、所期の果実が得られるように心がけています。
こうしたスタイルが、お客様からも評価されています。年に1回〜2回、お客様満足度調査を行っています。そこでは評点とともにコメントもいただいていますが、たくさん頂戴するのは、「柔軟に対応してくれる」「コミュニケーションが良い」というものです。それも特定のコンサルタントに対してではなく、多くのコンサルタントに対して、同じようなコメントをいただいています。

スカイライト コンサルティングのコンサルティングテーマ

movin:

コンサルティングのテーマはどういうものが多いのでしょうか?

羽物様:

スカイライト全体で、「特定の業界」「特定の業務」というものはありません。製造業、通信業、小売り、金融業、ネット企業など、業界はさまざまですし、工場での生産系や、会計、マーケティング、ECなど、業務もさまざまです。企業規模も超巨大企業から中小企業までさまざまです。
ITが絡むことは多いですが、最近では事業企画のテーマも多くなっています。かつては当社でシステム開発を請け負うことも若干はあったのですが、最近ではITが絡むプロジェクトでも、それはありません。ITベンダーさんが別にいて、お客様から我々と別に発注される。そのITベンダーさんとお客様との間に立つような形になることが多いです。
先日、当社のコンサルタントと話をしていたら、ITが絡むプロジェクトを企画段階から担当すると、3種類の言語を話す必要があると言っていました。

movin:

それは、日本語と、英語と、コンピュータ言語ですか?

羽物様:

いえ、そうではなくて、お客様の現場と、お客様の経営層と、ITベンダーと、ということです。言語は同じ日本語でも、使い分けしないと意味が通じないということです。
事業立ち上げにしても業務改革にしても、どんな事業なのか、どんな業務なのか、現場視点での会話と、経営視点での会話は異なります。使う用語からして違います。現場視点での論理で経営層に上げても、ピンときません。経営視点の言葉や論理に翻訳する必要があります。これにITベンダーが登場すると、ITベンダー向けに翻訳しないと、会話が噛み合わないことになります。

movin:

なるほど。立場が違う人と会話するには翻訳のようなことが必要であると。

羽物様:

はい。事業企画を進めるケースでは、お客様企業と他の企業とジョイントでやることも多いので、その際には各企業のカルチャーに合わせて話をするように心がけます。極端な例で行くと、ベンチャー気質の企業と、昔ながらの大企業では、企業文化や価値観が全く異なるので、同じ話をしても違う解釈をすることもあると。そうすると、資料や話し方もそれぞれに合わせないと進まない。進まないどころかお互い不信感を持ってしまうこともあります。
あ、ちょっと、コンサルティングテーマから離れてしまいましたね。話を戻しますと、スカイライト全体では「特定の業界」「特定の業務」というものはありませんが、各コンサルタントの強い領域、弱い領域というのはあります。企業の会計システムやそれに基づいた経営管理に強いコンサルタントもいれば、データ解析に強いコンサルタントもいれば、製造業の生産系に強いコンサルタントもいる。それは会社として制限を設けていないということなのです。各コンサルタントの強い部分をより発揮してくれてもいいし、そのコンサルタントにとって経験の少ない領域でも、他のコンサルタントのサポートを得ながら取り組むのも良い。経験が拡がれば、より良いコンサルティングができますからね。そういう考えです。

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