保健師は、公務員として保健所などに勤務し、健康相談やケガや病気の予防などを行う職業です。
医療予防ができる点にやりがいを感じたり、公務員ということもあって夜勤がなく規則正しい生活を送れたりといった点に魅力を感じる看護師の方が転職先の1つとして検討することが増えてきています。
本記事では保健師の種類や業務内容、保健師へ転職するメリットなどを詳しく解説いたしますので、ぜひご覧ください。

保健師とは、地域社会の健康を維持・向上させることを目的とした看護専門職です。主に自治体（保健所・市区町村）に勤務しており、保健、医療、福祉などの分野ですべての住民に対して必要な保健サービスを提供しています。 保健師にも様々な種類があるので、まずは保健師のことを知るために種類からご紹介いたします。

保健師には、行政保健師・産業保健師・学校保健師・病院保健師の4つの種類があります。
行政保健師は、公務員として保健センターなどの行政関係施設で働く保健師です。その地域に在住する全ての市民に対して、健康相談や感染症の調査・分析、病気の予防などが主な仕事です。
産業保健師は、企業に属して社員の健康管理を行います。健康診断や保健指導、健康相談を行うのが主な仕事で、産業保健師を募集している企業は規模が大きいことが多いため、年収等の待遇が良いケースが多いです。
学校保健師は、学校に通う生徒や教員の健康管理を行います。養護教諭（保健室の先生）とは厳密には異なり、生徒・教員の健康維持や管理、メンタルヘルス支援などが主な業務内容です。
病院保健師は、病院で健康診断や健康相談はもちろん、看護師と同様の仕事を兼務するケースがあります。

看護師と保健師は似ている部分が多いですが、まず業務における目的が違います。
看護師はケガや病気の治療を目的とする一方で、保健師はケガや病気を未然に防ぐ予防医療が業務の主な目的となります。そのため、看護師は病院勤務が多いですが、保健師は学校や企業、保健所などに勤務が多いうえデスクワークが中心です。
また、必要な国家資格も異なります。看護師になるためには看護師国家試験に合格する必要がありますが、保健師の場合、看護師資格に加えて保健師養成課程（1年間）を修了し、保健師国家資格を保有する必要があります。

先述した通り、保健師は地域に住む方々や企業・学校などで働く方々に対して、保健指導や健康管理が主な業務内容です。
もう少し深ぼっていくと、健康相談においてはあらゆる年代の内容に対応する必要があり、医師の治療が必要だと判断した場合には、速やかに病院を紹介するなどの対応を行う必要があります。
予防対策において、医師や栄養士などの専門家を招いて講座を行ったり、病気の予防のための講義を開いたりと、保健師の業務内容は非常に幅広いです。
保健師になるためには看護師資格と保健師資格の2つが必要ですが、保健師資格は合格率が90%以上と非常に高いので、ある程度継続した学習をしていれば、看護師の方なら問題なく取得できるでしょう。