株式会社コーポレイトディレクション インタビュー 2000年 5月

今回は、戦略系ファームCDIのパートナーである中神様(現:みさき投資株式会社 代表取締役社長)に、CDIの魅力や最新のビジネス・中途採用動向、そして中神さんご自身のコンサルティングに賭ける熱い想いを伺ってきました。

コンサルタントの仕事について

movin:

本日はお忙しいところお時間頂きましてありがとうございます。 この間お電話でもお話されてましたが、最近はこれまでにも増してお忙しいようですね。

中神様:

そうですね。いわゆる伝統的な戦略コンサルティングに加えて、変化の早い世の中のビジネス・ニーズを先取りして、どんどん新しいタイプのコンサルティング・サービスを動かしていますからね。

movin:

新しいタイプのコンサルティング・サービスとは、どのようなものなのですか?

中神様:

1つに、I-Bank(Investment Bank:投資銀行)的業務領域でのコンサルティングがあります。 これは例えば、クライアントのM&A戦略の策定や実際のディールメイキング、更正会社のファイナンシャル・アドバイザーなどです。 他にも、今は大型のMBO(Management Buyout:)案件もあります。 ファンドの選定から実際のMBOまでを実行するサービスを提供しております。

movin:

一般にイメージされるようなマネジメント・コンサルティングとは幅が違いますね。

中神様:

当社は、オーソドックスなマネジメント・コンサルティングだけでなく、その周辺領域のサービスも展開しています。 絶え間なく進化するマネジメントのニーズに的確に応えられるよう、従来の戦略コンサルティングの枠組みに囚われずにより広いビジネス・サービスの展開を進めております。

movin:

コンサルティング業界も変化の真っ只中にありますね。 他のファームではベンチャー・キャピタル業務に参入しているところもあります。

中神様:

中神様当社もベンチャー投資を既に始めておりますが、当社の場合はお金の投資だけでなく、マネジメント・プロフェショナルの投資をしております。これまでの実績としては、あるベンチャー企業に当社コンサルタントを社長として派遣したり、また別のネットベンチャー企業には世界的デファクトスタンダードを握るというミッションを持つ国際戦略室の室長として派遣しているケースがあります。

movin:

どのくらい前からそのようなことを手掛けていらっしゃるのですか?

中神様:

もう5,6年前くらいからになりますね。

movin:

ほう!そこらへんのポッと出のファームとはわけが違いますね。 そのような多様なマネジメント・コンサルティング・ニーズに対応するには、多様なバックグラウンドを持った優秀人材が求められますね。 最近御社に中途入社された方々の主なバックグラウンドを教えて頂けますか?

中神様:

シニアレベルのコンサルタントであれば、某日系総合研究所の戦略コンサルティング室長だった方がおります。マネジャーレベルであれば、某都市銀行出身でストラクチャードファイナンスを手がけ、米国のトップ10ビジネススクールで勉強をされてきた方などがおります。 他にも、大手電気メーカーで移動体通信端末の海外マーケティングを担当されてきた方などがおります。 異色なところでは、国内大学院で物理化学を勉強されたのちに、海外青年協力隊員としてフィリピンで3年間物理や数学を教えてきた方がおりますね。

movin:

皆さん優秀かつ個性的な方々ですね。 逆に御社に向いていない人といったらどんな人なのでしょうか?

中神様:

もちろん戦略コンサルタントに必要な論理的思考能力や、いわゆる「知的体力」がない方は根本的に向いていないとして、コンサルティングを単にキャリア形成の(ハクをつける)一ステップとして捉えている方も弊社にはあまり向いてないと思います。CDIはなるべくクライアントに対して中長期的な責任体制を提供したいと考えており、そのためにはコンサルタントがころころいなくなってしまうようでは困るのです。また当社はとてもアットホームな社風ですので、「人を蹴落としてでも自分が上に行きたい」という気持ちがあまりにも強い方には向いてないのではないでしょうか。

movin:

なるほど。いわゆる「Up or Out」なコンペティティブな文化ではないところが、日本発のマネジメント・コンサルティング・ファームである御社の特徴でもありますね。 ところで、御社の現在の社員数を教えて頂けますか?

中神様:

現在は約50名です。うちコンサルタントは30人強、アナリストが7名程度、あとはいわゆるサポーティングスタッフです。

movin:

今後1年間の中途採用計画はどうなっているのですか?

中神様:

市場の伸びやCDIの仕事の受注状況から言って現在のコンサルタント数を少なくとも20%以上は増やしたいですね。 最低6人は優秀な方を中途採用したいと考えております。

movin:

中途採用者向けの研修制度はどうなっているのですか?

中神様:

入社される方のレベルにもよりますが、基本的に入社後は1週間ほどオリエンテーションを受けて頂きます。そして半年間はOJTで実際の仕事を通じてコンサルティングを身につけて頂きます。 また、年2回のAll Staff研究会や若手同士の勉強会(随時)などがありますので、高いモチベーションを持つ者同士がいい刺激を受け与える機会が豊富ですね。 そうそう、他には「留学サポート制度」がありますよ。 これは、ビジネススクールに留学する際の授業料だけでなく、現地での生活費までもサポートする制度です。しかも休職期間中の給料も出ます。 優秀な方のさらなるレベルアップのためには投資を惜しみません。

movin:

バブルが崩壊してから留学制度を廃止する大手企業やコンサルファームが相次ぐ中で、人への投資は惜しまないという御社のまっとうな価値観・制度は、「人が命」のコンサルティングファームのあるべき姿でしょうね。 コンサルタントの評価制度はどうなっているのですか?

中神様:

プロジェクト別のフィードバックに加えて、半年に1度の昇進・昇格フィードバックがあり、さらに年に一回のプロフィット・シェアリングでの評価があります。他のファームと比べてもかなりこまめにフィードバック・評価・査定は行っており、実力さえ認められれば昇進・昇格・昇給スピードは早いと思いますよ。

movin:

それでは最後に、「Consultant転職」メールマガジン読者の方々に一言メッセージをお願いします。

中神様:

コンサルティングという仕事にじっくり取り組んでみたい方、伝統的な戦略コンサルティングの枠に囚われずに自由に自分の可能性を試したい方は、ぜひCDIの門を叩いてみて下さい。楽しみにお待ちしております。

movin:

なぜ数ある職業の中でコンサルタントを選ばれたのですか?

中神様:

原点には、「人に自分の人生を左右されたくない」というのがありますね。普通の会社に入ると「君はどこどこの部」「あなたはどこどこの支店」というように、自分で職種も勤務地も決められないというのが一生続くわけですよね。 それは自分のポリシーに反するかなと。ですから、まずプロフェッショナル・ファームもしくはプロフェッショナルな職業を選ぶしかなかったわけです。でもだからといって、弁護士や会計士になって専門職になるというのは何か違うなぁと思いました。いちいち資格を取らなければならないというのも面倒だし、専門「知識」で勝負するよりも、何か「知恵」のようなもので勝負していきたいと感じましたしね。そして最後に残った最良の選択肢が「コンサルタント」だったわけです。 ちょっと消去法的な言い方に聞こえるかもしれませんね。もっとポジティブに言えば、若い時分から「経営」という社会的・経済的インパクトの大きい領域で自分の知力をベースに勝負できる、というところに魅力を感じたということでしょうか。

movin:

なるほど。「原点の哲学」を持たれるに至った原体験というのは何かあるのでしょうか? 例えば、お父さんが転勤族だったとか。

中神様:

いいえ、父は普通のサラリーマンで特に転勤族だったというわけではありません。 うーん、原体験ですかぁ。特にあるわけではないですよ。自分の好きなことだけを追求していきたい、ヒトからいわれて自分のためにならないかもしれないことをやりたくない、という気持ちが強いんですね。基本的に「わがまま」な性格だというだけなのですよ(笑) CDIは当時の戦略ファームで成長率No.1だったというのもありますし、昔からの友人や大学の教授からいろいろとCDIのクオリティや取り組みに関する話を聞いていたというのも、CDIを選んだ理由として挙げられますね。また、大学時代に外資系コンサルティング会社でサマーインターンをしたときにお世話になって尊敬していたコンサルタントの方が、二人ともCDIに転職していたことも大きかったと思います。

movin:

コンサルタントになって良かったこととは何でしょうか?

中神様:

やっぱり、若いうちから自分の考えを基に「経営」という領域でハイレベルな方向性の議論ができる、というのはいいですね。 私のような36、7歳の人間では普通の会社ではなかなかこういうことは期待できませんからね。

movin:

コンサルタントになって感じるマイナス面というのはありますか?

中神様:

コンサルタントになったが故のマイナスというのは、正直な気持ち、特に感じたことはないですね。

movin:

コンサルタントの仕事を通して学べること、仕事に期待できることというのは何でしょうか?

中神様:

現象だけとったら、様々な業種やテーマに触れることができるということですかね。 より本質的なところでは、「人間社会のディシジョン・メーキングのプロセス」や会社の本当の個性を目の当たりにすることで、 独特な面白い経験ができるということですね。 「コンサルタントは消防士だ」という話を聞かれたことがあるかもしれませんが、 人間普通自分の家が火事になってしまうということは、一生に一度あるかないかですよね。 しかし消防士は毎日誰かの家の火を消しているわけですよね。 そうすると、火がついた時に人間が取る思考や行動に常に触れることになるわけですよ。 コンサルタントもそれと一緒で、いざというときにその会社が取る意思決定の癖や行動の特徴、その会社に属する個人から発露してくる行動パターンなどに触れることが多くなります。これは非常に独特の面白い経験となると思います。

movin:

なるほど。「コンサルタントは消防士」。本インタビューのタイトルを頂けましたね。(笑) ところで、中神さんがコンサルタントになるにあたってイメージしていたキャリア目標とはどういうものでしょうか?

中神様:

いったんコンサルタントをやるならば、パートナーにならなきゃ意味がない、とは思ってました。 経済的なこととか社内の立場がうんぬんというのではなく、フロントラインでクライアントにダイレクトに対面して責任を持った仕事をするには、という意味でです。 マネジャーレベルでクライアントに対面するのと、パートナーとして対面するのとでは、やはり責任の重みが全然違うと思います。

movin:

実際に今その当初の目標を達成されて、どう感じておられますか?

中神様:

やはり、プロジェクトのアウトプットに対する責任・CDIという会社の責任を常に感じるというところはありますね。思っていた以上に責任の重さは感じています。

movin:

これからの目標、夢というのは何でしょうか?

中神様:

優等生的に言うと「CDIをよりいいファームにしていく」ということでしょうね。 CDIはまだまだ小さくて若いファームですので、そこのパートナーというのはまずきちんと自分の名前で仕事を取ってくる、高品質なアウトプットを出す、アウトプットを普遍化してプロダクト化しするという流れに加えて、組織体としてCDIをよりよくしていく仕事が大きいわけです。いわゆるアドミですね。 CDIはどこかの会社の日本支社とかではないですからね。私どもはかなり直接的な意味で経営者なのです。まだまだ至らない点が本当に多いと思いますが、気概としてはそういうつもりでやっていきたいと思ってます。

movin:

中神さんはまだ36歳でいらっしゃいますよね。 「アーリー・リタイアメント」は考えていらっしゃいますか

中神様:

うーん、できるものならしてみたい気もしますが(笑)、まだなんとも分かりませんね。

movin:

あと10年くらいはコンサルタントを続けられるのですか?

中神様:

いやー、10年はどうでしょうねぇ。まぁ、あと5年くらいはやらないといけないだろうなぁ(笑)

movin:

この次は何かやりたいことというのはあるですか?

中神様:

今すぐに明確に見えているものというのはないですね。 自分は割りと「縁」というものを大事にしますので、いいタイミングでいい人からいいオポチュニティが来たらばその時に考えると思いますね。 自分がどうしてもやりたくなるタイミングというのはいつか自然に来るものだと思いますので、 それまではジタバタせずに今のコンサルティングの仕事に打ち込むつもりです。

movin:

それでは最後に、戦略ファームCDIのコンサルタントを目指す方々にメッセージをお願いします。

中神様:

コンサルタントという仕事には、他の仕事と比べるといろいろな制約条件が付かない仕事です。特定の製品を売らなくてはいけないということもありませんし、3年以上も同じ上司が付くということもありませんし、ある特定のファンクションや同じテーマをずっと扱わなければならないということもありません。逆にいえば、何も守ってくれるものがない、保証してくれるものがないということです。このような環境で、自分のアイデアや努力だけを頼りに自分の力を信じて道を拓いていきたい方にとっては、素晴らしい仕事だと思います。そして、CDIは他のファームと比べるとより制約の少ないファームだと思います。ちょっと話はそれますが、先日ある外資系投資銀行に勤めていた大学時代の友達と会いました。
彼はその投資銀行では相当高いポジションでビッグディールを数多くこなしドンドン出世していたのですが、出世すればするほど、アメリカの本社からの頭ごなしの指示や制約が多くなり、嫌気が差してきたということでした。彼らの場合で言えば、アメリカ本国・本社の枠から「こういうタイプのディールはやっちゃいかん」とか「このディールはこうすべきだ」という様なことですね。この点彼は私のことを大変羨ましがっておりましたし、僕自身今のポジションでハッピーだと思うことはたくさんあるわけです。

movin:

その方は今は何をされているのですか?

中神様:

友人とネット・ベンチャーを始めました。 ネット自体がこれまでのビジネスの常識という制約に捕らわれないものですので、 自分でディシジョン・メーキングをする醍醐味がより深く味わえるというわけですね。

movin:

最近多くの優秀人材がネットベンチャーに流れていってますよね。 このような流れについてはどう思われますか?

中神様:

中神様非常に歓迎すべきことだと思いますが、やはり成功の確率は1000に3つくらいというのが現実だと思います。 コンサルティング・ファームで一度経営というものをしっかりと経験・勉強してからであれば、より成功の確率は高まるのではと思いますね。 また、CDI自体がベンチャーだとも言えますので、別にネットベンチャーに行かなくてもここでいい経験できますよ(笑) コンサルティングという仕事はかなり難しい仕事ですから、入社してすぐに活躍するということはレアケースと思います。 ですから、人の才能が開拓されていくのを長い目で見る必要があるのです。 ここCDIには人の才能が開花するのを温かく見守ってあげられる風土があります。 実は私だって最初の2,3年は相当苦労したんですよ。CDIの文化に助けられて、うまくいき出してから伸びるのがすこし早かっただけなのです。 自分の能力に多少の自信があって、やる気・負けん気が強い方ならCDIで少し長期的にがんばってみてはいかがですか。

中神さんプロファイル
現在CDIパートナー。 86年慶応大学経済学部卒業後、アーサーアンダーセン アンド カンパニー(現アンダーセンコンサルティング)入社。システムコンサルタントとして同社に3年間勤務したのち、休職してカリフォルニア大学バークレー校のビジネススクールに留学し同校MBAを取得。帰国後の91年7月にCDI入社。

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