アクセンチュア金融サービス本部 戦略グループインタビュー

アクセンチュア金融サービス本部戦略グループの杉江 陸様にお話を伺ってきました現役コンサルタントの生の声を是非お聞き下さい。

杉江様のご経歴と転職の経緯

movin:

本日はお忙しい中、ありがとうございます。早速ですが、杉江様のこれまでのご経歴と、なぜアクセンチュア様に転職なさったのかを、簡単にお聞きできればと思います。

杉江様:

私の場合、大学で数理物理を専攻していました。数学が好きでしたので、数字に関することを一生の強みとしていこうと、漠然と考えていました。ただ私自身は、数学はツールであり、別の分野での応用をしたいと考えていたので、大学院に進学するのも気が進まず悩んでいました。
そんなときに、ある外資系コンサルティングファームのスプリングジョブに参加しました。ですが、周りにいた人はあまりにも自分とは違う種類の人ばかりで、言葉もわからないし、正直違和感がありました。その経験がきっかけで、自分はどんなことを学びたいのかと考えたときに、きちんとビジネスの基礎が身につき、ビジネスの現場でコミュニケーションができるようになりたいと思いました。それが身につくのは、銀行か商社かなと思い、最終的に銀行、中でも先輩と気が合い、理系の学生を大事にしてくれていた富士銀行に就職しました。

movin:

なるほど。富士銀行ではどのような業務をされていらっしゃったのですか。

杉江様:

半年間窓口業務をやった後に、外国為替、融資の研修を半年ずつ受け、その後商品先物会社を専門に外交営業をやりました。業界柄、営業先で出会う人々はちょっとガラの悪い社長さんだったり、マイクロミニスカートの受付嬢だったりと、大変おもしろかったので(一堂笑)、営業に行くのが楽しみで、成果もでました。その結果でしょうか、MBA派遣留学の候補となり、コロンビア大学に留学させていただけることになったのですが、楽しい営業経験だけではMBAのクラスで貢献できないし、そもそも学校に受からないということがあるので、1年間本部で修行をしろということで、リスク管理の仕事をしました。

movin:

その後、なぜ転職しようと思われたのですか?

杉江様:

留学に行った当初は、全く辞める気は無かったし、会社を愛していたのですが、2つのことがきっかけで、転職しました。1つは合併です。自分が帰る場所がなくなってしまうと感じ、やはり愛社精神みたいなものが失われていきました。もう1つは、留学して出会った人々が、会社ありきでなく自分ありきでとても自立的な思考を持ち、かつ人生のスピード感も違うなと感じたことです。

movin:

2つ目の点ですが、どのような人にそれを強く感じましたか。

杉江様:

どのような人がといえば、会った人全員ですね。企業派遣の方を除いた全員といったほうが正確かな。彼らは皆、なぜMBAを取得しにきたのか、MBA取得後どういうことをしたくて、そのためにどういうキャリアを、どういうスピードで辿るのかということが、皆はっきりしていました。一方、私は目的意識だとか、スピード感というものが欠けていて、次のステップが見えていませんでした。

movin:

なるほど。

杉江様:

特にスピード感の欠如が一番課題に感じていました。そのような経緯で、卒業後は自分の成長スピードが速いと感じられるところに行きたいと考えるようになりました。それで、実際に転職の際にアクセンチュアの面接官に会って、スピード感に魅せられてアクセンチュアに入社しました。早く上に上げて、どんどんチャレンジさせるカルチャーに惹かれました。

movin:

その中で、なぜ金融サービス本部をお選びになったのですか。

杉江様:

そうですね。1つは前職の経験を活かしたかったということと、もう1つは銀行で支店にいる時にお世話になった取引先の方や、支店長などに恩返しをするためにも、金融界を変えていかなければという思いがあったからですね。

アクセンチュアでのプロジェクトを通して

movin:

次に、具体的なプロジェクトの内容についてお話していただけますか。

杉江様:

杉江様入社してから扱ってきた業種は、3つありまして、1つめはコンシューマーファイナンス。カード会社などですね。2つめは、通信会社、3つめが都市銀行になります。1つめのコンシューマーファイナンスでは、主にマーケティングでした。中長期事業戦略ですとか、IT戦略の立案というテーマではありましたが、結局はお客さまに対して、どのようにアプローチしていけばよいかというところに落ちてきました。ここで、コンサルタントの「イロハ」を学んだという感じでした。
そういうプロジェクトを2つ3つやった後に、通信会社のプロジェクトに入りました。当時通信会社は主に通信料で収益を上げていましたが、ブロードバンド化の進展により料金低下圧力が高まり、通信料以外の部分で収益を上げるモデルへの変化が求められるようになりつつありました。そういった中で、どのような形で、どれくらい金融などの他事業分野に関わるべきかという点で、グランドデザイン、及びサービス設計をするプロジェクトに、2年半ほど常駐で参画していました。
このときにコンサルタントからマネジャーに昇進し、アクセンチュアの窓口として高品質なサービスを提供する責任を負うようになりましたし、モバイルコマース、モバイルペイメントなどのテーマの専門家として、日本オフィスはもちろん、世界中のオフィスから認知され、意見を求められるようになりました。それによって自信もつきました。
そして、現在は都市銀行の法人事業改革、富裕層向け事業戦略立案ですとか、新規事業立案などをやっています。当初の思いが実現しているという点でも、やりがいがあるという点でも、充実しています。

movin:

前職と比べて仕事が変わったと思った点はありましたか。

杉江様:

そうですね。「これがコンサルタントの働き方なんだ」と思った点はありました。例えば、スペシャリストではなく、ジェネラリストであること。自分の経験を元に答えを出すというよりも、適切な人から適切な意見を引き出して、それを整理し、適切な人に伝えるという点。人からの情報を元に考えることで価値を出すというような点で、今までとは違うなと感じ、「こういうキャリアもありなんだな」と思いました。

movin:

なるほど。

杉江様:

ただ一方で思うのは、自分でフォーカスしていけば、スペシャリストにもなれるのだということです。人に言われるままに漠然とコンサルタントをしていたのでは、専門家にはなれませんが、自分で選択していけば、専門家にもなれます。
あ、パワーポイントだとか、エクセルのマクロには苦労しましたね。ビジネススクールでも使いましたが、やはりクライアントから「君に毎月何百万と払っているんだよ」というプレッシャーを受け、それに見合うバリューを出さなければいけないという状況下では、求められるレベルは違います。特に、「見せ方」や「数字作り」へのこだわりは違いましたね。こういう順序で、こういう風に伝えるといったことを細部まで考え抜き、たった4つの数字を出すために膨大な量の分析をする。「そこまでやるの」というくらいに徹底してこだわることもあります。

movin:

実際のプロジェクトの流れの中で説明していただけますか?

杉江様:

見せ方のところを例にとると、マネジャーが事前に、大体こういうストーリーで、こういう仮説を検証して、こういう図があってということを言って、それを元にスタッフであった私がまとめて資料を作り、レビューをもらいます。この時に、一語一句の表現にまで細かく追求されました。「この表現でも間違ってはいないけど、この表現のほうが絶対にクライアントに響く」などと議論することが多々ありました。その当時は「なぜそんなにこだわるんだろう」と思っていましたが、マネジャーになってからは、それがいかに大事か良く分かりました。クライアントに響かなければ、1円の価値も無いのが我々の仕事なのです。今では自分も、非常に言葉選びにこだわります。

movin:

なるほど。
少し話を戻しまして、入社した早々は、皆さん大体最初の立ち上がりには苦労されると思うのですが、杉江様の場合はいかがでしたか?

杉江様:

実は私は割とスムーズにプロジェクトに入っていけました。

movin:

それはすごいですね。苦労せずにプロジェクトに入れた要因は何だったのでしょうか。

杉江様:

そうですね。素直さがあったという点は、良かったのではないかと思います。「なぜ転職したのか」を考え、「自分を変えるためにここにきたんだ」ということを意識して、今までの経験からすると不合理とも思えることでもとりあえず素直に耳を傾け、受け入れてみる姿勢というのは出来ていたと思います。そのような姿勢で、アクセンチュアのノウハウだとか近くの人の芸風などをスポンジのように吸収しようとしたことで、スムーズに仕事に入り、成長できたのだと思います。周りを見ていると、プライドが高すぎると伸びないことが多い気がします。

movin:

金融事業部といえば、金融しかやらないと思っている候補者の方もおられると思うのですが、通信のプロジェクトなどにも加わるのですね。

杉江様:

そのプロジェクトは、金融と他事業の混成チームでしたが、自分から積極的に動けば、金融以外のプロジェクトをやる機会は思った以上にあります。自分のやることは自分次第で、やろうと思えば何でも出来るはずです。「自分は将来こういう分野でこんなことがしたい」という思いがあって、実際に自分のチカラで仕事をそちらに誘導することができれば、全く問題なく実現できます。
社内マーケティングも必要ですね。例えば、クライアントと日々のコミュニケーションを綿密にして信頼を得た後に、継続フェーズのスコープを握るときに、自分のクライアント Aと、異業種のクライアントBとの連携というようなものを打ち出して、そのプロジェクトでクライアントBにも携わる。それでバリューが出せれば、以後クライアントBのプロジェクトにも呼ばれる。
もちろん、会社が率先してこういうことをやってくれるわけではなく、常に感度高くアンテナを張り巡らせてクライアントBの情報を自律的に収集していればこそできることなんですが。

movin:

自分次第でそれが可能な会社ということですね。

杉江様:

そうです。そして自立的にそのようなことができる人こそが、「プロ」だと思います。

movin:

現在は、当初の思い入れ(金融業界を改革したい)を持って充実した仕事をされているかと思いますが順調ですか?

杉江様:

最初は正直言って苦労しました(一同笑)。通信で割りとうまくいったので、自信を持って臨んだのですが、「自分はコンサルタントなのだ」、「銀行出身だから、銀行のことは良く知っている」という「プライド」が邪魔をし、多くの失敗もしました。銀行出身者であっても、やはり銀行全体の中では分からないことばかりですし、ずっとそのテーマに悩み続けたクライアントが本当に成し遂げたいことは何なのか、もっと耳を傾けるべきでした。今ではずいぶん謙虚になれていると思いますが、最初はなまじ金融の経験があることが足かせになっていました。

movin:

なるほど。逆に金融の経験が活きたことというのはありますか。

杉江様:

それはたくさんありますよ。金融で経験した全てのことが、あらゆる場面で活きています。例えば、金融の経験がまったく無い方ですと、プロジェクトの0日目、1日目のミーティングで、出てくる言葉がまったく分からなかったり、自分自身の発言もピントがずれていたりということがあります。全社戦略の話をしているような時であっても、最前線の店舗事務の複雑さなどに土地勘がないが故に、変革のパスを描くための議論が地に足が着かないものになってしまうことも多いです。
そういう中で、金融の経験があって、基礎をきちんと理解していることは大きなアドバンテージになりますよ。先ほど金融の経験があるゆえに苦労したことを話しましたが、金融での経験はちゃんと活きると思います。
それに、B/S、P/Lといった、財務諸表を読むことができるといった、銀行マンからすると当たり前なことでも、大いに役立ちます。世の中の人は意外と読むのが苦手ですよね(一堂笑)。その他も含め、金融出身者特有の、バリューを出すための武器は、他業界の方よりも普遍的なものが多いので、自信を持っていいのではないでしょうか。

今後の展望

movin:

次に、現在考えている将来や、その目標についてお聞かせいただけますか。

杉江様:

杉江様今まで、コンサルタントの時には、自分のパートをしっかり作って提示するという役割を担い、マネジャーになってからはプロジェクトの進行・収支・結果に対して責任を持ってきました。 そして、シニア・マネジャーになってからは、クライアント単位でそれらの責任を負うようになりました。
では、パートナーになってからはどうするのかというと、アクセンチュア自体のビジネスを成長させる立場です。そのために例えば、銀行ですとか、証券会社ですとか、自分の専門業界でのアクセンチュアの存在感を大きくして、外部の方にも、そして内部の皆にも信頼されるようになれるとよいですね。

movin:

なるほど。ちなみに社内で現在目標としている人・尊敬している人はいらっしゃいますか?

杉江様:

尊敬できる人はたくさんいますし、この人のここを学びたいということは山ほどあります。自分より若い人でも、いいものを持っている人はたくさんいますし、彼らから学ぶことも多いです。いろんなことを考え、独自の視座を持っている人ばかりなので、そういった人がこれまでの人生で積み上げてきたものを勉強させてもらうという姿勢でいます。

movin:

なるほど。そのようなに若い人からも積極的に学ぶことが出来る柔軟さが、先ほどの話にも出てきた、転職直後の成功要因なのかもしれませんね。

杉江様:

そうかもしれませんね。でも逆にこれからそれが障害になることもあるかと思います。これからは、部下をどう育てたいか、どういうコンサルタントにしたいかということをもっと強く意識していかなければなりません。アクセンチュアとしても、パートナー制をとっていた時期は、徒弟制度みたいなものがうまくいっていたのですが、上場会社となって以後、そういった属人的なノウハウに頼るのでなく、会社として人を育てる仕組みを作ることに尽力していかなければいけないし、実際にそうしてきているというのがありますから。

アクセンチュアのカルチャー

movin:

社内の雰囲気と申しますか、カルチャーみたいなものを教えていただけますか。

杉江様:

体育会系といわれることもありますが、それはちょっと違うかなあ(一堂笑)。私がよく採用活動のときに言うのは、「(マッキンゼー+リクルート+三井物産)/3」ということですね。どういうことかというと、まずはコンサルティングファームとして論理的ですが、でもそれだけでなく、リクルートのように足を使って現場を回りますし、また商社のようにディール・オリエンティッドであるということです。会社の雰囲気も、ビジネスモデルも、ほぼこの3つを足して3 で割ったようなものだと思います。

movin:

なるほど。おもしろいですね。ちなみにその会社でよく使われている言葉はその会社を現すと思うのですが、社内でよく使われる言葉などはありますか。

杉江様:

社内でというよりぼくの周囲で、ですけど、よく言うのは、「横文字を使うな」と。分かっているようで、分かっていないことが多いですから。横文字を使ってしまうと分かった気になってしまうんですよね。あ、でも、アルファベット3文字の社内用語は異常に多いけど。(笑)

movin:

なるほど。横文字を使うのでなく、その意味を「常に考え続ける」というようなイメージでしょうか。

杉江様:

「真理の探求」というような意味で「考え続ける」文化ではないですね。「今すべきことは何か」「どうすれば成果がでるのか」ということを追い求め続ける文化はありますね。

転職希望者に向けて

movin:

御社を志望する転職希望者向けのオススメの本などはありますか。

杉江様:

そうですね。私自身は物理の本などをよく読みますが、ビジネス書ですと、弊社の「金融業−勝者の戦略−」などはオススメです。ちょっと古いのですが、力が入っていて、よくまとまっているし、今でも通用する内容になっています。弊社の若手コンサルタントにも、もっと読んでほしい(一同笑)。

movin:

最後に、御社を志望する転職希望者へのメッセージをお願いいたします。

杉江様:

とりあえず一度来てください!というのが正直な気持ちです(笑)。私はアクセンチュアに来て後悔したことは一度も無いです。多くの方は、20代では成長を求め、30代に入ると成長と自己実現が半々ぐらいになって、その後自己実現の割合が徐々に高くなっていくと思うのですが、アクセンチュアはその2つを絶妙な割合でミックスして与えてくれます。
「まずは任せよう」という文化があり、自分が今できること以上のチャンスが常に降ってくるので、成長の機会が当然与えられますし、大きな責任も与えられるので、自己実現にもつながります。常に自分の手が届きそうで、その微妙な上を高めの球が飛んでくるイメージでしょうか。そのような環境に働き甲斐を感じつつ、自分のバリューアップをも考えて明るくがんばり続けられる人に、是非来ていただきたいです。

movin:

なるほど。素晴らしい環境ですね。

杉江様:

そうです。是非ご興味持った方がいれば応募してください!

movin:

では、本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました!

杉江様と弊社スタッフ

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