アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社 インタビュー 栗原浩夫氏、加藤祐司氏、高原峰愛氏

PJT事例◆M&A・バリュエーション・IFRSアドバイザリー〜

ABD 加藤様:

冒頭の栗原の言葉にもあったように、ここ最近は事業再生以外にもM&Aアドバイザリー案件やIFRS絡みのバリュエーション案件も増えています。IFRSについては、現時点で確か39社IFRSを採用もしくは採用予定の東証一部上場企業がありますが、弊社では既にそのうちの3社にはお手伝いをさせていただいており、これから更にお付き合いを広げていきます。

ABD 高原様:

特にIFRSに則ったバリュエーションは他社と比べても実績・ナレッジがありクライアントから評価いただいている分野になります。歴史的には2009年末頃に日本でもIRFSへの強制移行の議論があり、新しいテーマとして注目されていたのですが、2011年3月の震災もあって一度は立ち消えてしまいました。しかしながら、近年再び一部上場企業においてIFRS対応がテーマになることが増えてきています。

ABD 栗原様:

コンサルティング業界全体が「IFRSの波はいつ来るんだ」と参入の時期を待ち構えながらも、本格的な参入にはなかなか踏み切れていなかった中で、弊社は地道に案件を積み重ねてきました。先程の事業再生とは全く違うサービスになりますが、IFRS関連のバリュエーションだとか、のれんの減損に関する対応といった案件は多くこなしており、大手ファームと遜色ないもしくはそれ以上の積み重ねがあります。

ABD 高原様:

かつてはM&Aのバリュエーションというと、買収時に買収先の企業価値評価を行う案件が多かったのですが、IFRSは「買収後に本当に価値があったのかをきちんとウォッチングしていこう」という体系なので、これまでとは違うタイプの案件が出てきます。例えば去年には別の大手ファームが行ったバリュエーションについて、「割引率がかなり低く見積もられているが、このバリュエーションで本当に次の減損テストをクリアできるのか?」という懸念がクライアント内にあったようで、急遽弊社にお声がかかりセカンドオピニオンを出すことになりました。
M&AアドバイザーとしてはM&Aが成約すると手数料が入るのでどうしても成約に結び付けたい力学が働くのですが、一方で買い手である上場企業にとっては、買収したはいいものの次の決算でいきなり減損をしなければならないということになると、非常に困ってしまいます。
従って、最近では「このバリュエーションはIFRS基準で減損判定に耐えうるバリュエーションになっているのか?」という懸念を持つ企業が多く、ご相談が増えています。

movin:

なるほど。こういったお悩みに対しこれまで積み重ねてきたIFRS/バリュエーションのナレッジと経験をフル活用してアドバイスをされているのですね。この分野では、貴社ならではの特徴はどのような点にありますか?

ABD 加藤様:

バリュエーションやIFRSのアドバイザリーの業務における、ABDの特徴としては「ファームポリシーだからこうなります」と画一的に対応することはせず、お客さんとディスカッションをしながら作り上げていくという点が挙げられます。

ABD 高原様:

そうですね。加えて我々は上場企業の主計部(経理部)からご相談を受けるだけでは無く、投資活動を行う事業部からも同じようにご相談を受けています。M&A検討の初期段階から「この会社を買いたいんだけど」、「この子会社を売却したいんだけど」というご相談を受けており、この段階から先程のIFRS基準下での会計へのインパクトも見据えたアドバイスをしています。
例えば、持分を一部残して売却した際の利益額へのインパクトといった会計上の論点については、事業部の方は専門家ではないので、事業部の方と事業面・会計面双方の観点からディスカッションをし、「最初はまず持分を一部売却し、残りは後で売った方が良いのではないか」とか、「ジョイントベンチャーアグリーメントを見ると○○といった条項があるので、○○というやり方は難しい可能性が高く○○といった形式がいい」といったアドバイスも行っています。
単純にバリュエーションだけ行うというよりは、M&A検討初期段階からディスカッションし、これを下地に「バリエーションはこうしましょう」「買収の仕方としてはまずは株式の一部を取得して持分法適用会社にした上で、後程完全子会社にしましょう」といったトータルでのアドバイスをしています。結果、スポットのお付き合いでは無く、色々なテーマでずっとお付き合いが続くことが多いです。

movin:

なるほど。

ABD 高原様:

IFRS関連の分野は新しい分野なので、実務が積み重なって基準が作られていく部分があると思います。すると、監査のように「基準があるからこうです」というものではなくて、1つ1つ論理を積み上げて監査法人とディスカッションをして適切な形に落とし込んでいくということが非常に重要になります。
なので、先程加藤が言ったように「ファームのポリシーだからこうです」と画一的に対応してしまうのはクライアントのためにならないケースが多く、弊社ではクライアントの状況を踏まえた対応をしています。
海外の監査法人ともやり取りも多いですし最新の会計基準もフォローしなければならないので、大変ではありますが、実務をやりながら自分の仕事が基準に息吹を吹き込んでいるという実感・達成感があります。

movin:

なるほど。ファームのポリシーで決まっていることを画一的に行うのではなく、案件の初期段階からクライアントと密に議論しながら、個別事情を踏まえたベストな対応策を一緒に作っていくという感じですね。

ABD 高原様:

そうですね、そのような感じです。

ABD 加藤様:

後は、バリュエーションを中心としたM&A・IFRS関連のアドバイザリーの案件ですと、日本に限らず様々な国の案件が出て来ます。東欧や南米といった、新興国も多いですね。

ABD 高原様:

こういった新興国ですと、事業のリスクだけでは無くカントリーリスクをどのように見積もるかという点も大きな論点になります。中には国債の発行がほとんど無いような国もありますが、そういった環境でも考え得る合理的な論理と仮説に基づいて、最善の見積りを出しています。

ABD 栗原様:

IFRSもUSGAAPも原則主義なので、細かいルールは運用上ある意味柔軟に変わってくところがあって、監査法人Aのポリシーがこうだとか、監査法人Bのポリシーはこの方向に向いている…という最新の情報を、案件を積み重ねながら情報蓄積していくことが重要な分野になります。弊社では2010年から継続して取り組んでいますので、こういったノウハウはかなり蓄積してきているなという実感はありますね。クライアントからの引き合いも多く、近年伸びているサービスラインの1つです。

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