ドルビックスコンサルティング 取締役執行役員COO 武藤氏 インタビュー




丸紅グループが新規立上したコンサルティングファーム「ドルビックスコンサルティング」。 丸紅グループが展開する多種多様な事業領域におけるビジネスネットワークやパートナー人脈、パートナリングや販路開拓のノウハウなどを活用しつつ、総合商社丸紅だからこそ出来るDXを展開しています。 今回は取締役執行役員COO 武藤様に、設立の背景から同社の強みや特徴、そして求める人材像などについてお話を伺って参りました。

武藤 覚
取締役執行役員COO
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了後、三菱総合研究所、フロンティア・マネジメント、アビームコンサルティング等を経て当社取締役執行役員COOに就任。コンサルタントとして、事業会社や金融機関の戦略立案、業務改革、IT活用等の多数の支援実績を有することに加えて、コンサルティング会社の運営や実行主体として新規事業を立ち上げる等の豊富なビジネス経験を有する。スタンフォード大学MBA。

Chapter1:ドルビックスコンサルティングの成り立ち、特徴と強み

movin:

本日はお時間頂き誠にありがとうございます。
まずは、ドルビックスコンサルティングの成り立ちについてお伺いします。なぜ丸紅からコンサル新会社を立ち上げようと考えたのでしょうか?

武藤様:

ドルビックスコンサルティング取締役執行役員COOの武藤です。
立ち上げの趣旨ですが、ここ数年でDXニーズが急拡大している中、これまで先進技術やデジタル技術を活用していなかった事業のDX化を進め、異なる事業間でもデータ共有を実現させたい、そのための頭脳集団が必要だと考えて、ドルビックスコンサルティングという新会社の立ち上げを企画しました。

movin:

昨今、IT化、デジタル化が進み、企業の生産性向上が喫緊の課題となる中で、DXを展開する他社ファームも多くあります。その中で、ドルビックスが提供するコンサルティングの特長や強みは、どのようなものになりますか。

武藤様:

当社のコンサルティングには、三つの特徴があります。
一つ目は、ビジネスとシステム両面でコンサルティングができることです。DXで変革を目指す場合、目的となるのはビジネスであり、変革の手段がITです。両方に強いファームとしてDXの実現を目指します。
二つ目は、総合商社グループのDXニーズに対し、ハンズオン支援を行うことです。総合商社が設立したコンサルティングファームであるということは、総合商社の事業の当事者でもあるわけで、構想策定から実行、運用改善まで当事者意識をもって関わることができます。コンサルティングファームに所属していると、守秘義務契約の関係で「どのようなコンサルティングをしているか」を言えないもどかしさがありますが、当社の場合は「総合商社である丸紅の社会基盤ビジネスのDXに取り組んでいる」と堂々と言うことができます。
三つ目は、丸紅グループに対するDXコンサルティングを通じて蓄積した知見を、グループ外にも展開することにより、新たな価値創造、産業界の改革に貢献できることです。社会貢献意識の高い方にとっては、得難い魅力だと思います。

Chapter2:丸紅グループとの連携

movin:

丸紅グループ内では、ドルビックスはどのような位置づけなのでしょうか。丸紅本社、SIをカバーする丸紅情報システムズとの連携、関わり方について教えてください。

武藤様:

ドルビックスは丸紅グループ内での頭脳集団という位置づけで、丸紅本社DXニーズと、挙げていただいた2社に象徴されるICT事業会社をつなぐ存在となります。
ニーズの点では、丸紅本社はインフラなど社会基盤に関わる事業を多く手掛けており、それらの業務効率化から新規事業開発、個社に止まらない業界再編など、DXが必要となる場面が非常に多くあります。
ソリューションの点では、仰るように、丸紅ITソリューションズ、丸紅情報システムズなど、グループ内にITソリューションを提供する会社も複数抱えております。
こうした多様なニーズとソリューションをつなげる「頭脳」に当たる部分が必要と考え、先ほど申したように昨今のDXニーズの急拡大を見て丸紅グループ内の頭脳集団としてコンサルティング会社が必要だと考え、ドルビックスを立ち上げたのです。
グループ内にコンサルティングファームを持つ理由をもう少し詳しく説明すると、グループ内にDXの知見を蓄積するためです。DXによる改革を行う場合、大手コンサルティングファームに外注する手も考えられます。ですがそれでは資産が外部流出してしまい、グループの長期的な発展にはつながりません。ここで言う外部流出とは、お金だけでなく、知見やノウハウといった無形資産も指します。それに対し、グループ内にDXコンサルティングのノウハウを貯められれば、グループ全体の価値向上が図れるだけでなく、ノウハウの蓄積、ソリューション化を経てゆくゆくはグループ外のDXも手掛けることもでき、新たな価値創造、社会基盤の革新につながります。
既に、「グループ内にDXコンサルティングファームが立ち上がる」という話を聞きつけて、多くの事業部から相談を受けています。相談の内容は、経営戦略策定や業界再編につながるものまで、業界もインフラから昔ながらの事業まで、多くのパートナー、利害関係者の調整役としての商社らしく、多岐にわたり、かつ大型の案件につながるものばかりです。

movin:

大企業の子会社では、出向組が多くて実際にやりたい事業ができないという話を聞いたことがあります。丸紅からの出向者の割合は、どれくらいですか。

武藤様:

丸紅からの出向者は数名で、メンバーの大半はコンサルティングファーム出身者です。メンバーの出身ファームを見ると、大手ファームからシンクタンク系、IT系など様々なファームからジョインしてくれています。
コンサル会社はいわずもがな人が財産です。優秀な人を惹きつけリテインする為に丸紅色を排除し独立性・中立性を担保した会社にしていきたいと考えております。

Chapter3:今後の展開、事業構想

movin:

今後の展開、事業構想について教えてください。ドルビックスは、どのような事業計画を考えていますか。具体的にどんな業界・テーマの案件を手掛ける予定でしょうか。

武藤様:

事業構想としては、まずは顕在化している丸紅グループ各事業のDXニーズに対応するコンサルティングを行い、事業を拡大するとともに知見を貯めていきます。その後、だいたい3年目くらいから、蓄積した知見でグループ外の案件も獲得する構想です。
既に取り組んでいる事例を紹介しますと、
・海外から仕入れた原材料を国内クライアントに卸す商社業務について、先進技術活用検討とPoC実行(AIによる物流最適化やブロックチェーンによる貿易金融高度化など)
・業界サプライチェーンを横断する課題解決を目指したプラットフォームの構想策定(ビジネスモデルやマネタイズスキームの検討など)
・丸紅グループ内企業の基幹システムのDX活用(事業会社設立時に必要なITコンポーネント全体の構想策定、最適なSaaS活用など)
などがあります。
目新しいところでは、当社はモビリティ分野のIoTサービスで定評のある株式会社スマートバリューと3月に提携し、乗用車から建設機械、産業機械まで幅広い分野のDX支援サービスを開始しました。モビリティ分野のDXコンサルティングを、先進技術を持つパートナー企業と組んで行えるのは、コンサルタントにとって魅力だと思います。(※関連ニュースリリース

movin:

最初は丸紅グループの案件を主に手掛けるとのことですが、グループ外のクライアントの案件も手掛けるのでしょうか。

武藤様:

もちろんです。最終的にはグループ外のDX市場取込を企図しております。当初は3年目くらいからはグループ外の案件も獲得していきたいと構想していたのですが、既に、丸紅グループにとどまらない業界再編の案件の相談をいただいています。嬉しい誤算ですね。

Chapter4:ドルビックスコンサルティングの魅力

movin:

ありがとうございます。既に市場から「ドルビックス」が求められているんですね。事業概要については大変良く理解できました。
それでは候補者様向けにドルビックスの魅力について教えてください。

武藤様:

業界サプライチェーンの改善を行う案件や、先進技術を活用する案件、商社ならではの貿易や金融に関する案件など、DXを実感できる大型案件、グローバル案件に若いうちから関われる点があると思います。それらの事業に自らの知見を投入できるのは、大きなやり甲斐につながります。
その他大きな魅力は、当事者としてコンサルティングに関われることです。丸紅グループ内のコンサルティングファームゆえに、商社の事業に深く入り込み、事業革新に関わることができます。グループ内であることから、顧客企業の改革を長く見届けられるのも、コンサルタント冥利に尽きますね。

movin:

企業の立ち上げ期を経験できる魅力について、若手の方がジョインされた場合についても教えてください。

武藤様:

若手の人にとっては、商社の物流改革などの非常に大きなお金が動く案件に入社してすぐアサインされる可能性があります。もちろん、優秀なリーダーの元で仕事をするわけですが、大きな数字を動かす感覚を若くして覚えられるのは、得難い環境ではないでしょうか。
マネージャー以上の職位の人には、社内タスクフォースにも参加していただきます。これは、コンサルティング会社としての業務基盤を整備するため、プロジェクト管理やナレッジマネジメントの仕組みづくりを推進するものです。自社をコンサルティングして、自分にとって成果を出しやすい制度設計に関われるのは、ユニークだと思います。

Chapter5:教育・評価制度について

movin:

教育、評価制度についてもお伺いします。ドルビックスには、どのような教育制度・方針や評価制度がありますでしょうか。新しい会社ということでまだ整えていく段階にもあるかと思いますが教えて頂けますでしょうか。

武藤様:

評価制度としては、年に2回の評価を実施し、成果や能力に応じた昇給昇格を行う予定です。
教育制度については、これから整えていく段階です。現時点では、OJTとして、MD(マネージングディレクター)やSM(シニアマネージャー)が部下を指導しております。既にジョインしているMDやSMは大手コンサルティングファーム出身のエース級人材ですので、彼らが責任者を務めるプロジェクトに関わることで、成長していただける部分も多いと思います。
また、研修制度については、丸紅グループの標準的な研修制度を参考にし、さらにコンサルタントのニーズを踏まえて整備していく予定ですので、向上心旺盛な人に入ってもらってどんどん意見をもらえると嬉しいですね。

Chapter6:求める人材像

movin:

コンサルティングスタイルだけでなく、こうした社内の制度なども創っていくということに関われるのは立ち上げ期のもうひとつの魅力でもありますね。
最後に、御社が求める人材像を詳しく教えてください。

武藤様:

まず大前提として、コンサルティングの素養をお持ちの方ですね。
スキル面では、ロジカルシンキング、コミュニケーション、チームワーク、プロジェクトマネジメントのスキルをお持ちであることです。企業経営とITの基礎知識も欠かせません。
ご経験については、システム導入ありきでのプロジェクトマネジメントではなく、コンサルティングの上流工程ともいえる戦略策定に関わったご経験がある方が望ましいです。
案件を自発的に運営できる方、サービス開発からマーケティング、ナレッジ共有や人材育成などの能力もある方だととてもありがたいです。
欲を言うようですが、コンサルティングの先にあるもの、顧客の利益、自社の利益、そして自己の成長にまで目を向けられる、プロフェッショナル意識の高いコンサルタントに来ていただきたいです。またマインド面としましては、「社会基盤を革新し、より豊かな世界を構築する」という、我々のビジョンに共感し、単なるコンサルサービスに止まらず顧客とビジネスを作り上げる、その為に自信の専門に止まらず戦略系ならIT系、IT系でもコーポレートIT系ならビジネスIT系技術等隣接領域も積極的に取り込もうとする人に来てほしいです。
ドルビックスは2021年1月に事業開始したスタートアップであり、成長途上の会社ですので、「会社とともに成長する」という意識をお持ちで、仮にご経験が少なくても自らキャッチアップするような自律的な方が加わってくれると、心強いですね。

movin:

既にジョインした方は、どういうところが決め手になったのでしょうか。

武藤様:

戦略コンサルであれば戦略構想がメインで、ITコンサルであればシステム導入部分、というようにどちらかを担当することはあっても、なかなか両面に関わるコンサルティングができなかった、ビジネスとITの両方に関わることができ、なおかつハンズオン支援ができることに惹かれて入社してきたコンサル経験者の方が多い印象です。
ドルビックス自体がいわばスタートアップであることから、会社の立ち上げに関われることに魅力を感じている人も多いですね。現在、コンサルティング会社としての業務基盤を整備するため、プロジェクト管理やナレッジマネジメントの仕組みづくりを推進する社内タスクフォースも立ち上がっています。

また、商社の基盤上で新たなコンサルサービス、ビジネス開発を推進したい等高い志、チャレンジ精神を持つ人にとって腕の振るい甲斐があることも決め手のようです。
丸紅グループの主要事業のバリューチェーン再構築や、丸紅グループを超えた業界再編などの案件があり、コンサル経験者の方々にとっては、これまでの知見をフル活用して案件に取り組める場となっています。丸紅グループ内外の社会基盤事業におけるDXニーズをさらに深掘りし、改革提案を出していく――。コンサルティングの醍醐味があります。

最近内定している方々は、既に入社されているコンサルタントと面接で話す中で、今述べたようなコンサルティングの醍醐味を知り、ご入社の決断をしてくれています。
当社は、そうしたチャレンジ精神旺盛でコンサルタントのプロ意識に溢れたメンバーとともに、日本のDXをリードする存在になりたいと思います。

movin:

本日はお忙しいところありがとうございました。



コンサルタントへの転職をお考えの方へ

転職サービスはすべて無料となっております。
ムービンではお一人お一人に合わせた転職支援、そしてご自身では気づかれないキャリアの可能性や、転職のアドバイス、最新の情報をご提供致します。
キャリアチェンジをお考えの方はぜひ一度我々にご相談ください。

圧倒的な支援実績を誇るムービン ・過去3年間で戦略コンサルティングファームに転職した4人に1人がムービン経由 ・コンサル特化の転職エージェントの中でも2倍以上の支援実績数 ・中途採用を行っているコンサルティングファームのほぼすべてがクライアント(約350社)

【まずはキャリア相談から】個別相談会 随時開催中
【簡単登録(1分程度)】無料転職支援・ご相談のお申し込み

コンサルタントへの転職をお考えの方へ

転職サービスはすべて無料となっております。
ムービンではお一人お一人に合わせた転職支援、そしてご自身では気づかれないキャリアの可能性や、転職のアドバイス、最新の情報をご提供致します。
キャリアチェンジをお考えの方はぜひ一度我々にご相談ください。

圧倒的な支援実績を誇るムービン ・過去3年間で戦略コンサルティングファームに転職した4人に1人がムービン経由 ・コンサル特化の転職エージェントの中でも2倍以上の支援実績数 ・中途採用を行っているコンサルティングファームのほぼすべてがクライアント(約350社)

プライベートキャリア相談会
ご転職相談、ご登録


無料転職相談・登録はこちらから

初めての方へ

 


キャリア相談会

無料転職相談・登録