movin:
なるほど。
現在、ドリームインキュベータは3つの事業形態を掲げていますが、大野さんはその全てをやっていらっしゃるかと思います。その中でメインは何をやっていらっしゃるのでしょうか?
大野様:
リバリューの投資後バリューアップマネジメントがメインで、他に新規ビジネスあるいは投資先案件の開拓やリレーション構築、それと戦略コンサルティングを少しという形ですね。
リバリューのビジネスモデルとなった会社がアメリカにあるのですが、リバリューの今後を考える上でやっぱりアメリカをもっと深掘りしないといけないという話になりました。じゃあ、その会社を創設した人に話を聞くのが一番早いのでは、ということになりまして、がんばったら会えました(笑)。アメリカでは似たようなビジネスモデルのベンチャーが最近どんどん出てきていまして、大きなところはナスダックに上場していて時価総額が一度2,000億くらいいったりしているのですが、そこのCEOから大学生が2名でやり始めたような会社まで合計10社ぐらいに会ってきました。1週間ちょっとで本当に死にそうなスケジュールでしたけど、ワシントンからシカゴ、ロス、サンフランシスコ行って、ワシントンに戻って、インディアナポリス、ニューヨークに行ってというのをやってきました(笑)。会って話してきた内容を基にして、今後のリバリューのビジネスに繋げようとしているところですね。
movin:
すごいですね。このアメリカ行きはどのようなスケジュール感で調整は進んだんですか?
大野様:
これをやろうと決まったのが10月末で、色々調べたりテレアポしていたらこの業界を見ているコンサル的な人につながって、このコンサルが直接知り合いかどうかは分からなかったんですが、「本当に行くから紹介して!頼む!がんばれ!」って感じでした(笑)。そしたらそのコンサルタントががんばってくれまして、11月20日ぐらいにはもう向こうにいました(笑)。
movin:
早いですね!しかもテレアポだったんですね!?
大野様:
既にアメリカのこの業界に詳しい人が良かったのですが、さすがにいませんでしたので、じゃあ誰か詳しい人を捕まえて力を借りるのが一番早いと思ってやっただけですね。本来ならそのコンサルタントに対価としてビジネスの種などの有益な情報を渡せれば良かったのですが、今回は無かったのでフィーを払う形にしました。
テレアポといったら、2月にハーバードビジネススクールに行って「イノベーションのジレンマ」を書いたクリステンセン教授に会ってきましたが、これもテレアポでしたね。きっかけは、昨年秋頃のハーバードビジネスレビューにクリステンセン教授が論文を出していたのですが、弊社の山川から全社員に対して、この論文を読むようにとのお達しや、クリステンセン本人に会って話を聞けばいいんじゃないかというアイデアが来てましたので、「じゃあ、僕ちょっとコンタクト取ってみます」って手を挙げて色々やってみたら実際にコンタクト取れましたので、弊社の堀を連れて行ってきました。
movin:
堀会長と一緒に行かれたんですか!?
大野様:
はい、一緒に。堀もクリステンセンもハーバードビジネススクールのトップ5%のベーカー・スカラーで、1年違いですし、かつお互いそのあとBCGに入っていますから、直接話したことがあったかどうかは忘れたけど絶対に知り合いだよな、みたいな話をしていましたので一緒に行きました。すみません、話が逸れてしまいましたが、このようなこともやっていました。
movin:
いえいえ、もうかなり自由に動けていますね。
大野様:
そうですね。自由に動けるのは一番大きいと思いますね。前職は前職で自分の役割の中ではかなり自由でしたけれども、でもやはり人事とか証券部門という枠の中で自由にやるということでしたからね。でも、社員1,000人の給与を決めるとか権限的には相当大きかったですけどね。その人事とかの枠を取って、全部自分で好きにやれ、みたいに今はなっておりますので、非常にエキサイティングですし非常に楽しいです。
movin:
なるほど、リバリュー関連ではそのような動きをしていらっしゃるんですね。
新規ビジネスの方ではどのようなことをやっていらっしゃるのですか?
大野様:
新規ビジネス関連では、弊社が11月頃に投資いたしましたブレーカーという会社の投資判断に関わりました。これはマルチチャンネルネットワーク(MCN)というビジネスモデルの会社なのですが、今アメリカではこのMCNをディズニーが買収したりしていまして、結構人気になっています。これはドリームインキュベータのネットワークで既に進んでいた案件に入らせていただいたのですが、先程少しお話しました別の投資案件は、たまたま私の人間関係から出てきたベンチャー企業になります。私は別にベンチャービジネス出身ではないですし、金融出身とはいっても人事ですし、ゴールドマンが手掛ける案件は数百億、数千億の世界ですから、ドリームインキュベータが手掛ける投資案件とは規模が全く違いますので、私が頼れるのは人間関係だけだったというのはあります。そうしましたら、ベンチャーをやっている後輩と話をしていましたところ、とても面白いことをやっていて投資の話を進めることになりました。現時点ではこのような知り合いベースで進めているところです。
今の世の中、これだけ検索技術が発達して、Eメールもあり電話もあるとなると、私がクリステンセン教授に会えたり、リバリューのビジネスモデルを作ったCEOに会えたりするわけです。おそらく誰にでも会えるのではないかと思っています。会社の中で言っているのは、今の時勢を考えるとオバマとプーチン以外には会えるんじゃないかと(笑)。電波少年だってアラファト議長に会ったわけですから、我々にできないわけはないと思っていたりします(笑)。
movin:
(笑)
大野様:
ですが、そうなりますと最後に重要なのは信頼関係だと思うんですよね。「大野さんの知り合いだから会いました。」とか「ムービンさんの紹介だから今日私はここにいます。」とか、人と人との信頼関係が本当に重要になってくると思っています。皮肉にも、これだけ色々な人を調べて見つけることができて連絡することもできるようになったことで、今までの人間関係が重要になって来ているなと思います。
ですので、私みたいに中途で入った人間がどのように付加価値を出すかというと、今まで培ったネットワークや知見やキャラクターだと思うんですよね。やっぱり頭の柔軟性や回転の速さで新卒入社の人と戦うのは難しいと思います。他にはこのようなやり方はどうだろうか?とか、こういう人を繋げられますよ、ということが中途の一番の付加価値なんじゃないかなと思っています。
movin:
大野さんご自身のネットワークを活かしつつ新規事業創出を行っていらっしゃるということですね。
大野様:
そうですね。あるいはドリームインキュベータのネットワークを使って、そこからさらに広げていったりですね。
基本的には、熱意があって世の中に対する問題意識があって本気でやるぞっていう人間が集まると、喧嘩はせずに皆の話が合うだろうと思っていますから、社内でのディスカッションはもちろん、様々なネットワークを使って広がった方ともディスカッションさせていただいたりする形ですね。
movin:
社内でのディスカッションというのはどれくらいの頻度でやっていらっしゃるのですか?
大野様:
一応社内で「ミニ勉強会」というのを作ったりしていまして、週1回行って話したりしています。
movin:
楽しんでいらっしゃいますか?
大野様:
とても楽しいですね!
movin:
現在行っていらっしゃる新規事業創出について良く分かりました!
それでは、戦略コンサルティングの方はどのようなことをやっていらっしゃいますでしょうか?
大野様:
戦略コンサルティングに関してお話しますと、お恥ずかしながら現在携わっている香港の金融機関の案件が9月に入社してから初めての案件になります。それまでは全くコンサル的なことはやっていませんでした。今回の案件に関しましては、前職で3年香港に滞在した経験やその時のネットワークを使って付加価値が出せるぞと思いましたし、実際にやっていて非常にやり甲斐を感じています。こういう点でしかちょっとまだ付加価値は出せないかなと思ってはおります。
ただ、現在のドリームインキュベータにおいては、キャリアの入り口はどこからでも良いのかなと思います。少し前までは戦略コンサルをしっかりやってから事業の方に携わるというキャリアパスでしたので、今のリバリューの向笠を見ていますと、しっかりと戦略コンサルのスキルを身に付けてから今はリバリューの社長として事業をやっていると思います。ですが、事業から始めるキャリアパスでも良いと思っています。
最初に事業をゴリゴリやって、途中で戦略コンサルをやった時に「あの時自分が失敗したのはこうだからだ。」というのに気付いたりするかもしれないと。今のドリームインキュベータにはキャリアの入り口として「戦略コンサル」と「事業」と「投資」の3つがあるんですけど、少し前までは「戦略コンサル」から入って「事業」や「投資」に行っていたのが、今はこの3つのどこから入っても良いと思っています。とはいいましても、「戦略コンサル」がドリームインキュベータの核になっていて、収益が上がっていることは間違いありませんので、「戦略コンサル」で稼いでいただいている間に、私のようなこれまでとは違う入り口から入る人間を採用したりして、会社として「戦略コンサル」という大きな柱に加えて「事業」と「投資」の幅も広げていければ、縦も横もどんどん大きくなっていくのではと思っています。
movin:
確かに、今おっしゃった通り、今までとは異なる人材の採用をしていこうというお話は既に御社の採用担当の方からお聞きしていますね。最初から事業で入ったり、M&Aや投資で入ったりですね?
大野様:
おっしゃるとおり。M&A、つまり投資銀行が行っているような業務もやっております。
ですので、是非ムービンさんにお願いしたいのは、大手外資系戦略ファームに入りたいという方はもちろん良いんですが、大手一流企業に行きたいというような人で、「私が何とかしなくちゃいけない!」とか「私はもっと自由に幅広く働きたい!」というような人がいたら是非ご紹介して頂きたいですね。
movin:
是非ともそうしたいですね。これまでは、なかなかそのようなドリームインキュベータの特徴がメッセージとして出ていなかったと思いますので、これを機に是非とも転職を考えている皆様に訴求していきたいと思っています。
大野様:
是非お願いしたいなと思っております。
このように様々な人間が集まると、ドリームインキュベータはもっと面白い組織になるんじゃないかと思っています。イメージとしましては「梁山泊」みたいな、ゲームの話になりますけど「ルイーダの酒場」みたいな(笑)。
movin:
(笑)
大野様:
色々な人間がいますと、戦士もいれば踊り子もいて遊び人もいて賢者もいます、みたいな(笑)。
それで、「私今度この事業やる」とか「今度このコンサルやる」となったときに、パーティ組んで皆でやるみたいな(笑)。
movin:
(笑)
大野様:
仕事が終わったらパーティ解散しても良いし、組み直しても良いし、というようになってくると面白いなと思っています。
movin:
実際、もうそういうところになりつつありますよね?
大野様:
だと思います。正直なところ、私は2〜3年前のドリームインキュベータは存じていないので分からないのですが、どちらかというと「ダーマの神殿」みたいなところで、それまでコンサルだった人が神殿に行って「これからは事業家になります」と言ってジョブチェンジするような感じだったと思うんです。でも、今はジョブチェンジするような必要は全く無くて、どちらかというと「ダーマの神殿」ではなくて「ルイーダの酒場」的な、色々な人間がワイワイガヤガヤやっていて必要な時に必要なチームを組むという感じで面白いのかなと思っていますね。
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