総合商社への転職難易度は?選考対策・求人情報を一挙公開!
社格・年収・やりがい・ブランド力から就職・転職市場で人気を集める総合商社。
特に日本を代表する7大総合商社(三菱商事・伊藤忠・三井物産・住友商事・丸紅・双日・豊田通商)は限られた中途採用枠に優秀人材が各業界から多数集まるため、転職難易度は非常に高くなっています。
一方で、事業の多様化・人材不足に伴い中途採用強化の動きが出ているため、依然と比較すると転職しやすくなっていると言えるでしょう。
ここでは、どのような方が総合商社へと転職を成功させているのか、求められる経験・スキル、選考を突破するためのポイントや対策、など総合商社への転職ノウハウをご紹介します。
弊社転職エージェント「ムービン」では書類作成から面接対策まで総合商社への転職を徹底サポートしていますので是非お気軽にご相談ください。今すぐの転職をお考えでない方も、キャリア相談・情報収集の場として是非ご活用ください。
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総合商社への転職が難しい理由
転職難易度が高い理由
・中途採用枠が限られているから
・経験豊富な即戦力が求められるから
総合商社への難しいと言われる理由は様々ありますが、ここでは「中途採用枠」「即戦力性」の2つをご紹介します。
中途採用枠
総合商社は新卒採用がメインのため中途採用枠には限りがあります。
以下5大商社の新卒・中途採用人数を各社2023年度のESGデータより抜粋してご紹介します。各社ともに新卒採用人数の方が中途採用人数よりも多いことがわかります。
社名 | 新卒 | 中途 |
三菱商事 | 127人 | 99人 |
三井物産 | 124人 | 85人 |
伊藤忠 | 135人 | 24人 |
住友商事 | 100人 | 88人 |
丸紅 | 114人 | 43人 |
参考までにIT業界で転職難易度が高いと言われている人気企業「NTTデータ」の2023年度の中途採用人数は565人となっているため、いかに総合商社の中途採用枠が限られているかがわかると思います。
転職するなら今がチャンス!?
中途採用枠が限られているため、転職難易度は高くなっていますが、以前と比べるとはるかに中途採用人数が増えてきています。
例えば、2020年度の中途採用人数は、三菱商事が21人、住友商事が24人、となっていますので、4倍以上中途採用人数が増えていることがわかります。
生産年齢人口の減少や、グローバル化・デジタル化に伴う事業の多様化などで、総合商社各社で中途採用を強化する動きが出ているため、転職を考えている方にとっては今が絶好のタイミングと言えるでしょう。
即戦力性
総合商社の中途採用のメインターゲットは経験豊富な即戦力層です。実際にどのような方が転職に成功しているのでしょうか?
弊社転職エージェント「ムービン」の転職支援事例を一部抜粋してご紹介します。
前職 | ご年齢(性別) | 学歴 | → | 転職先 |
大手Sler | 32歳(男性) | 国立大卒 | → | 総合商社 |
外資系投資銀行 | 36歳(男性) | 国立大卒 | → | 総合商社 |
外資系投資銀行 | 28歳(男性) | 国立大卒 | → | 総合商社 |
シンクタンク | 29歳(男性) | 有名私立大卒 | → | 総合商社 |
BIG4系FAS | 39歳(男性) | 国立大卒 | → | 総合商社 |
BIG4系FAS | 35歳(女性) | 有名私立大卒 | → | 総合商社 |
戦略コンサル | 32歳(男性) | 国立大卒 | → | 総合商社 |
転職支援事例をみると、やはり即戦力として活躍できるレベルの経験と知識がある20代後半から、スキル・経験に加えてマネジメント経験のある30代後半までの方が転職に成功しています。
上記以外でも、公認会計士、ゼネコン、エネルギー会社、メガバンク、弁護士、総合広告代理店、製造業メーカーなど、様々なバックグラウンドの方が転職に成功しています。
第二新卒も採用ターゲットに!?
社会人経験の浅い第二新卒を採用ターゲットに含める総合商社も出てきています。
例えば、近年三菱商事で第二新卒採用が実施されたり、丸紅で若手キャリア採用が実施されたり、第二新卒を含めた若手ハイポテンシャル層にも総合商社転職のチャンスが広がってきています。
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求められる経験・スキル
当たり前のことですが、総合商社のビジネスと親和性の高い経験・スキルが求められます。ここでは3つ抜粋してご紹介します。
投資・M&A経験(FAS・投資銀行・ファンド・金融機関・事業会社での経験)
総合商社は「トレーディング」中心の時代から、投資先の経営に主体的に関与する“事業経営型”モデルへと進化しています。
その中核を担うのが投資・M&Aです。事業の多角化、新規市場参入、事業再編など、成長戦略の要として頻繁に活用されるため、投資銀行やFAS、ファンド、金融機関、事業会社で培った企業価値評価、財務・市場分析、交渉、契約締結までの一連のスキルは極めて高く評価されます。
特に、案件の組成からクロージング、さらにはPMI(統合プロセス)までの経験は、商社が抱える複雑かつグローバルなプロジェクトに直結します。
こうした背景から、総合商社は即戦力として、国内外の投資・M&Aを推進できる人材を強く求めており、戦略立案から現場の実行まで一貫して担える能力が重要視されています。
コンサル経験(戦略・総合コンサル)
総合商社が展開するビジネスは、川上の原料調達から川下の消費者向け販売、さらには新規事業の創出や事業投資までを一貫して担う「一気通貫型」の高度なモデルへと進化しています。
こうした構造の中で、経営課題の抽出から戦略立案、実行支援までを担うコンサルティング経験は、価値創造のプロセスそのものと重なります。
つまり、「いかに企業を儲けさせるか」を生業としてきた経験は、商社自らが経営に深く入り込む今の環境と極めて親和性が高く、プロジェクトの立案・実行にそのまま活かすことが期待されます。
総合商社はまさに“クライアント企業の経営者的視点”を持つ人材を求めており、コンサル人材の採用ニーズが高まっています。
DX経験(IT/DX推進経験者、SIer・ITコンサル出身者など)
総合商社においてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は避けて通れないテーマとなっています。商社は複数のグループIT企業や外部パートナーと連携し、自社業務効率化のみならず顧客企業へのDX支援サービス展開にも注力しており、AIやデータ基盤を活用した「産業DX」備える動きが進行中です。
一方でこうした取り組みを支えるITスペシャリストは不足しており、DX化を推進できる経験者?プログラミング/データ分析に加え、プロジェクトの上流工程から関わることのできるスキルを持つ人材?に対する需要は非常に高まっています。商社においては、単なるシステム構築ではなく、戦略的なデジタル変革を描き推進できる人材に市場価値があります。
様々なバックグラウンドの方にチャンスあり!
上記以外でも、部門・ポジションによって求められる経験・スキルは異なります。
例えば、コーポレート・人事部門では人事制度経験者や人事コンサル出身者、経理部門では会計士や財務・経理経験者、銀行・証券出身者、モビリティ部門では自動車メーカー・オートリース出身者や電力業界出身者など、採用ニーズが異なります。
必ずしも、投資・M&A経験やコンサル経験、DX・IT経験がないと転職できないわけではありませんので、ご自身の経験・スキルで総合商社で転職可能性のあるポジションを知りたい方はぜひお気軽にご相談ください。
総合商社への転職に向いている人の特徴
論理的思考力がある人
総合商社は多岐にわたる事業分野を扱い、国や業界によってビジネス環境も大きく異なります。商談や投資判断の場では、複雑な情報を整理し、課題と解決策を筋道立てて提示する力が求められます。たとえば資源開発案件では、採算性、リスク、法規制、為替動向など多くの要素を同時に分析する必要があります。論理的思考力があれば、短時間で関係者を納得させる提案が可能となり、巨額の取引や長期的プロジェクトでも的確な意思決定を下せます。
コミュニケーション能力がある人
総合商社では、取引先、現地パートナー、社内の専門部署など多くの関係者との調整が日常的に発生します。文化や立場の異なる相手と信頼関係を築くには、相手の立場を理解しつつ、自分の意見を明確に伝えるスキルが欠かせません。例えばプロジェクト立ち上げ時には、契約条件やスケジュールを巡る利害調整が不可避であり、交渉の場で柔らかくも芯のある対応が求められます。良好なコミュニケーションは商談成立やトラブル回避につながり、商社パーソンの大きな武器となります。
語学力
総合商社の多くの事業は海外市場と密接に結びついており、英語をはじめとする語学力は必須と言えます。現地法人や取引先とのやり取り、契約書・法的文書の確認、国際会議での発言など、言語の壁を越える場面は数多く存在します。語学力が高ければ、現地の微妙なニュアンスや文化的背景も理解でき、ビジネス上の誤解を防ぐことが可能です。さらに現場での会話力は信頼関係構築の近道であり、海外での新規事業立ち上げや投資交渉でも大きなアドバンテージとなります。
バイタリティ
総合商社のビジネスはスピード感と変化への対応力が求められ、時には長時間労働や不規則な出張も伴います。未開拓市場の調査や現場でのトラブル対応など、想定外の状況に直面することも珍しくありません。こうした環境で成果を出すには、体力面だけでなく精神的なタフさ、前向きに挑戦し続ける姿勢が不可欠です。バイタリティのある人は、困難な局面でも行動を止めず、結果的にビジネスチャンスをつかむ可能性を高めます。
柔軟性
総合商社は、国や業界ごとに異なる商習慣・規制・文化の中でビジネスを進めます。計画通りに進まないことも多く、その都度、状況に応じた対応や戦略変更が求められます。例えば、為替変動や現地の政治情勢の変化で契約条件を再交渉する場面では、固定観念にとらわれず柔軟に解決策を提示できる人が重宝されます。柔軟性は単なる妥協ではなく、長期的視点で最善の結果を導くための重要な能力です。
チャレンジ精神
総合商社は新規事業や未知の市場に果敢に挑む文化が根付いています。成功の保証がない状況でも、可能性を信じて一歩踏み出す姿勢が求められます。例えば再生可能エネルギーや新興国インフラ開発といった分野では、先例が少なくリスクも高いですが、その分リターンも大きく、社会的インパクトも強いです。チャレンジ精神のある人は、変化を恐れず行動でき、会社の成長だけでなく自らのキャリア形成にもつながります。
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総合商社へ転職を成功させるには?
中途採用を強化しているとはいえ、圧倒的な社格・年収・やりがい・ブランド力から選考には優秀な人材が各業界から集まるため、転職するのは一筋縄ではいきません。
転職難易度の高い総合商社への転職を成功させるために最も重要なことは、総合商社各社の選考時期や選考方法など選考のポイントを押さえることです。
例えば、年に数回の定期採用を実施する総合商社もあれば、特定の転職エージェントのみに求人を紹介する総合商社もあります。
時期や年度によって募集されるポジションが異なるため、ご自身の経験・スキルと親和性の高いポジションに応募するタイミングが重要になります。
参考:丸紅若手キャリア採用の募集ポジション
例えば、丸紅の若手キャリア採用を例に出すと、年度によって募集部門が異なることがわかります。
2025年4月入社募集 | 2024年4月入社募集 |
【営業グループ】
・フォレストプロダクツ本部
・金属本部
・新エネルギー開発推進部
・エネルギー本部
・航空・船舶本部
・次世代コーポレートディベロップメント本部
【コーポレートスタッフグループ】
・営業経理部
・財務部
・人事部
・広報部
・情報企画部
・リスクマネジメント部
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【営業グループ】
・ライフスタイル本部
・情報ソリューション本部
・食料第二本部
・アグリ事業本部
・フォレストプロダクツ本部
・化学品本部
・金属本部
・新エネルギー開発推進部
・エネルギー本部
・電力本部
・航空・船舶本部
・金融・リース・不動産本部
・建機・産機・モビリティ本部
・次世代事業開発本部
【コーポレートスタッフグループ】
・営業経理部
・人事部
・情報企画部
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転職エージェントを活用する
総合商社への転職を成功させるためには選考のポイントを抑えることがいかに重要か、ご理解いただけたかと思います。
企業研究・自己分析、書類添削・面接対策などの選考準備も重要ですが、総合商社が募集しているタイミングで、ご自身の経験・スキルと親和性の高いポジションに応募する必要があります。
つまり、各総合商社の選考・採用情報を熟知している転職エージェントを活用することが総合商社へ転職を成功させる一番の近道かと思います。
弊社転職エージェント「ムービン」は1996年に設立されて以来、総合商社への豊富な転職支援実績を誇ります。
BCG、日本政策投資銀行、Amazon、IBM、博報堂、リクルート出身者など、業界を代表する企業でビジネスプロフェッショナルとして活躍してきた方が転職エージェントとして多数在籍しているため、その人脈ネットワークから総合商社の役員・採用担当とのホットラインも形成されています。
書類作成から面接対策まで徹底サポートしているほか、皆様と同じ高い目線感でキャリア相談もできるかと思いますので、今すぐの転職をお考えでない方も是非お気軽にご相談ください。
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総合商社へ転職した人の体験談
大手総合商社 コーポレート部門(経理・財務)へ
有名私大卒31歳男性
前職:大手監査法人 会計監査スタッフ
会計士として監査法人で働いていた私は転職を考えていなかったものの、同期の紹介でムービンを訪問したことがきっかけで自分に可能性があることを知りました。
担当者の丁寧なサポートにより、書類作成や面接対策をスムーズに進めることができ、自分の経験を活かせる幅広いポジションに挑戦しました。
最終的には海外志向と将来の成長機会を重視し、総合商社への転職を決断しました。
エージェントの客観的な助言が大きな支えとなり、自分一人では得られなかった成果につながったと感じています。
より詳細な総合商社転職体験談はこちら>>
商社への転職FAQよくある質問
総合商社への転職に関してよくある質問をFAQ形式でご紹介します。
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総合商社 求人情報
例えば以下のような通期で採用しているポジションや、過去にも募集があった求人がございます。気になる求人がございましたら、現在の採用動向など是非ご相談頂ければ幸いです。






【監修者】神川 貴実彦
BCG出身者であり日本で初めてコンサルティング業界に特化した人材紹介会社「ムービン・ストラテジック・キャリア」を設立。 ベストセラーとなっている「コンサルティングの基本」の著書、これまでコンサル業界への転職支援数は1万人を超える。
神川 貴実彦 プロフィール