コンサルティング業界概観

コンサルティングといっても、戦略、IT、人事、ファインナンスなどのテーマから、製造、小売、医療など業種に特化したものまで多種多様に存在します。 いろいろなわけ方がありますが、主に各コンサルティングファームの特徴別に業界を分類してみました。 どのような業界があり、どんなファームが活躍しているのかご覧ください。

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コンサルティング会社 業界分類

戦略系コンサルティング

ワールドワイドな展開をしているファームが大半ですが、単に欧米の経営知識やコンセプトを輸入するだけでなく、より日本のクライアントが抱える悩みに密着した経営コンサルティングを手掛けています。

総合系コンサルティング

元々は旧会計系ファームが主体となっており、上流フェーズから、アウトソーシングまで会社総体としてクライアント経営課題に対してあらゆるコンサルティングサービスを幅広く手掛けています。

IT系コンサルティング

独自の強み等を活かして、大企業だけでなく中堅〜中小・ベンチャー企業へのIT戦略策定や業務改革支援等比較的上流フェーズのコンサルティング〜システム導入支援を手掛けたりしています。

シンクタンク系コンサルティング

主要シンクタンクの多くは、経済調査、リサーチ、ITコンサル、マネジメントコンサルという4部門を持っており、民間企業を対象としたコンサル部門に力を入れているところが多いです。

医療・ヘルスケア系コンサルティング

大学病院、民間病院、介護保健施設、医薬品・医療機器メーカー、バイオベンチャー、臨床・非臨床試験受託企業、などの経営基盤を総合的に強化する専門的なコンサルティングを提供しています。

組織人事/チェンマネ系コンサルティング

企業の組織ビジョン・人事戦略の策定〜人事制度構築・導入等、 "人と組織を変えることで企業を変える"ことを専門的に各種人事に関する問題解決、コンサルティングを手掛けています。

財務アドバイザリー系コンサルティング

M&Aアドバイザリー、財務を中心としたデューデリジェンス、バリューエション、フォレンジックなどのサービスを展開している。M&A関連の業務に関しては、クロスボーダー案件が多くなってきています。

国内独立系コンサルティング

戦後、高度経済成長をきっかけに設立されたファームが多く、主に中小企業を対象としたより実践的なコンサルティング業務を軸とし、生産性向上や品質管理など現場レベルでの競争力増強に強みを持っているところが多いです。

業務・業界特化系コンサルティング

激化するグローバル競争への対応を求められる業界において製造業、コスト削減、PMOなど各種様々な業界・業種に特化した専門家プロフェッショナルファームが登場しており、各社一段の差別化に取り組んでいます。

監査法人系コンサルティング

監査法人では監査だけに留まらず、マネジメントコンサル、ITアドバイザリーなどのコンサルティングサービスも提供しており、日々変化するクライアントニーズに応えるため提供するサービスも幅広く展開しています。

企業再生・事業再生系コンサルティング

企業内部まで入り込み、金融債権者やステークホルダーの間に入って再生サポートをしたり、実際にその企業内での肩書きでハンズオンで業務改善、事業再生のコンサルティングを行っているところもあります。

ITベンダー&事業会社系コンサルティング

大手に限らず相当数のハードウェアベンダーやソフトウェアベンダー、また大手商社等もコンサルティングに力を入れ始めています。

コンサルティング業界の歴史

「コンサルティング」というビジネスは19世紀末アメリカで誕生しました。
当時、技術者であったフレデリック・テイラー氏が工場での作業に「作業単位の分割」と「単位ごとの時間」に基づく「科学的管理」を取り入れ、見事工場を蘇らせました。その後、同氏がこの考え方を様々な工場に導入する支援を行ったことがコンサルティングの始まりだと言われています。
この時代は個人でコンサルティングを行う人がほとんどで、現在のようなコンサルティングファームはありませんでしたが、次第に個々が集まり共同事務所を開くようになり、徐々に「コンサルティング」というものが社会に浸透していくようになります。

世界最初のコンサルティングファームは1886年マサチューセッツ工科大学のアーサー・D・リトル博士により、大学内に設立された「アーサー・D・リトル」の前身である「グリフィン&リトル」です。
初期のコンサルティングは「効率化」という観点のコンサルティングで、現在の業務改善・業務改革・BPRに近いスタイルのコンサルティングを行っていました。
次第に「経営戦略」という視点でCEOなど経営責任者が扱うテーマを助言する戦略コンサルティングファームも誕生してきます。
1914年、エドウィン・ブーズがシカゴにファームを設立(後のPwCストラテジー)、1926年、前身であるカーニー・アンド・マッキンゼーが分裂しジェームズ・マッキンゼーがニューヨークオフィスを率いてマッキンゼーを、アンドリュー・カーニーがシカゴオフィスを率いてA.T.カーニーをそれぞれ設立するなど、現在も業界をリードする外資系大手コンサルティングファームが誕生してきました。

19世紀後半は企業の大型化に伴い、役職の階層が生まれ管理職というポジションも生まれました。こうした流れを受けて、今でいうMBA、経営学を学ぶ学部が各大学に出来始めます。
一方で「経営コンサルティング」という言葉確立されたのはもう少し先の時代になります。現在では知る人ぞ知るトップファームであるマッキンゼーアンドカンパニーが「経営コンサルタント」という職業を確立していきます。
当時中心的な役割を担っていたマービン・バウアーがコンサルタントの職業規範ともいえる「あるべき姿」を作り上げていきました。彼が経営コンサルティング産業の父と呼ばれる所以です。
また「コンサルティングスタイル」が変わったのもこの頃です。それまでは経験者しかコンサルティングができない、いわばその人の人生経験から提言するというスタイルから、新人でもファクトベースでデータや定量化された事実に基づいてコンサルティングを行う手法に方針転換します。論理的思考や経営理論からクライアントの課題と向き合っていく現在のコンサルティングが確立されました。

その後、コンサルティングファームとしては、1963年、アーサー・D・リトルからスピンアウトしたブルース・ヘンダーソンがボストンコンサルティンググループ(BCG)を、またそのBCGからローランドベルガーがスピンアウトし、ミュンヘンにローランド・ベルガーを設立。1973年にはBCGからスピンアウトしたビル・ベイン他4名によりボストンに、ベイン・アンド・カンパニーを設立するなど、20世紀後半はコンサルティングという職業が台頭していく時代となりました。

コンサルティング業界の分類

○○系ファームというように、今では数多くのコンサルティングファームの種類が存在します。
大きく分類すると5つあり、世界初のファームである戦略コンサルティングファーム、Big4と呼ばれる4大会計事務所を母体としその流れを組む総合系コンサルティングファーム、日本の大手金融機関が研究・リサーチを目的として創設したシンクタンク系ファーム、大手IT企業やベンダー企業が始めたITコンサルティングファーム、20世紀中ごろに生まれた人事領域に特化した組織人事系ファーム、などがあります。 ITの発展や、企業活動がのグローバル展開など企業を取り巻く環境や、複雑化に伴い、細かく各領域に特化したコンサルティングファームも生まれてきます。例えば病院や医療に特化したヘルスケア系ファーム、財務(FAS)・会計に特化したFAS系ファーム(一部Big4系の流れを組む)、企業・事業再生に特化した再生系ファーム、そして日本独自の文化慣習・会社制度に特化し高度経済成長をきっかけに設立された国内独立系ファームなどがあります。 またさらに細かく、金融、製造業、小売などインダストリーのどれかや、リスク、プロジェクトマネジメント、M&A、マーケティングなどコンピテンシーのどれか、に特化したコンサルティングファームも誕生しています。
こういった背景をもとに企業にとっては、経営層の問題解決(中長期戦略・新規事業立案など)だけではなく、ミドルマネジメント層や1部門、時にはスポットで、など局所的で効果的にコンサルティングサービスを活用できるようになっていると言えるでしょう。

コンサルティングサービスの種類

コンサルティングテーマ別でコンサルサービス(プロジェクト)をご紹介いたします。

経営戦略

クライアント企業の経営ビジョンを明確にし中長期戦略を策定していきます。全社レベルで行うこともあれば1事業部門のみの場合もありますが、近年の戦略コンサルティングでは策定だけでは終わらず、確実にその計画を実行するために具体的な計画案や実行支援までも行っています。

IT戦略・ITマネジメント

企業内のIT業務やCIO、情報システム部門に対してのコンサルティング、また最先端テクノロジーを利用することで実現できるビジネス変革などをサポートしています。IT・テクノロジー領域においては年々その業務領域は増えており、単なるITシステム導入だけでなく、グローバルでのITガバナンス・システム強化からITデューデリジェンス、M&A関連でのIT統合、クラウド技術やITを用いた業務変革など様々なシーンにおいてコンサルティングを提供しています。

人事制度・変革

主にクライアント企業の人材関連のコンサルティングを行います。テーマについては多岐にわたり、今後の企業成長に向けての、次世代リーダーの育成、人事制度、組織改革、研修から近年のグローバル化からクロスボーダーでの組織人事再編、改革などのプロジェクトも増えている傾向です。また人事コンサルにおいてはコンサル各社独自のソリューションを用いる場合もあります。企業戦略を実行するためには優秀な人材が必要であり、その戦略策定にも優秀な人材が必要です。人事コンサルは企業根幹、本質的な企業戦略の一つと言えます。

財務アドバイザリー

企業の財務戦略、投資ポートフォリオ策定などから、経理部門における決算や会計、また予算・原価管理などのコンサルティングまで幅広いテーマを支援している。また近年増加しているM&Aに関連したアドバイザリーなども旬なテーマとして多いプロジェクトのひとつです。

SCM、CRM

マーケティング、製品・サービス開発から調達・生産・物流・営業支援など多岐にわたる企業活動の中でバリューチェーンにおけるコンサルから全社、事業部門の業務改善といったテーマまで行っている。海外進出した日本企業の支援のためグローバルでのコンサルティングも多くなってきておりクロスボーダー案件も多い。

コンサルティングプロジェクトの流れ

コンサルティング案件はパートナークラスの営業や、直接ファームへの依頼、競合他社とのプレゼンテーションで受注が決まります。

◆プレゼンテーション
企業のおかれている状況、問題の背景、解決へのアプローチ、取組体制、プロジェクト期間など、プロジェクトの提案書を作り、企業の経営層へのプレゼンテーションを行います。プレゼンでは複数のコンサルティングファームとコンペを行うこともしばしばあります。

◆案件受注
クライアントに提案を受け入れてもらい正式にプロジェクトを受注します。ここでコンサルティングファーム側でメンバーが選出されプロジェクトチームが組まれます。また同時にクライアント側でもプロジェクトメンバーの選出を依頼し、社内の推進役を務めてもらうようにします。

◆キックオフ・ミーティング
チーム発足後、全員で集まり顔合わせと、プロジェクト全体の体制、スケジュールなどの確認を行います。

◆インタビュー・仮説
問題解決の仮説構築のため、クライアント社内や社外の専門家にインタビューをしたり、データ収集をし材料を集めていきます。問題解決に向けて仮説を立て、検証するサイクルを繰り返し、クライアントとも議論しながら進めて行きます。

◆課題解決方法の決定
これまで集めた情報・データを基に最終的な課題解決方法を策定していきます。チーム内で議論し最終的に提案すシナリオを固め、中身を充実させてから最終報告、提案に臨みます。

◆提案・実行支援
最終的な結論を経営層に報告・発表します。この報告が終われば、ひとまずプロジェクトは終了です。近年では策定した課題解決方法を実行するため、クライアントと一緒に実行支援まで行うコンサルティングスタイルが多くなっています。クライアントに成果が出るよう定着に向けて改善を図りながら支援していきます。

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