エーオン・ヒューイット社の組織・人材開発を中心とする人事コンサルティング事業が、グローバルで5大エグゼクティブサーチ会社の一角を成すスペンサースチュアート社に引き継がれる形で誕生した人事コンサルティングファーム。世界50か国以上でグローバルに組織開発とリーダーシップ開発のコンサルティングサービスを提供しています。 今回は日本代表、パートナーの松崎様、アソシエイトパートナーの傷@島様に同社の強みや特徴、そして求める人材像などについてお話を伺って参りました。
※役職・肩書、インタビュー内容は、本インタビュー時のものになります。
松崎 肇
日本代表、パートナー
三菱UFJ銀行と外資系人事コンサルティングファームであるマーサージャパンを経てキンセントリックに参画。現在はキンセントリック ジャパンの代表を務める。
組織風土変革、リーダー人材の育成・開発をはじめ、広く組織・人事領域のコンサルティング経験を有する。現在は、組織開発、タレントマネジメント構築、リーダー人材のアセスメント、コーチングを中心に、人事戦略の立案・設計、組織デザインの設計、人事制度構築・導入支援などに従事。
傷@島 資幸
アソシエイトパートナー
ウィルソン・ラーニング ワールドワイドにて、主に金融機関、自動車業界を中心に人材開発コンサルタント及び部門マネジメントを歴任。その後、コーン・フェリーにて、人材開発コンサルティングサービスの拡大に向け同部門の日本マーケットの責任者を従事。2008年に現キンセントリック ジャパンの前身であるAon Consultingの日本法人の立ち上げを機に参画。
movin:
本日はお時間頂き誠にありがとうございます。
まず、最初にキンセントリックの概要について教えてください。
松崎様:
キンセントリック(日本法人名:Kincentric Japan 合同会社 )は 、世界50か国以上でグローバルにサービスをご提供する、人事コンサルティング・ファームです。私たちは2019年、エーオン・ヒューイット社の組織・人材開発を中心とする人事コンサルティング事業が、グローバルで5大エグゼクティブサーチ会社の一角を成すスペンサースチュアート社に引き継がれる形で誕生して、新たな一歩を踏み出しました。
キンセントリックは 、これまで一貫して、組織開発とリーダーシップ開発のコンサルティングサービスを提供しており、クライアント企業が日々直面する組織・人材課題の解決を支援して参りました。
社名である「キンセントリック」は、「仲間や家族といった人の集団」を意味する「KIN」と、「〜の中心に」を意味する「CENTRIC」の合成で、そのまま「人を中心とするビジネス」というメッセージになっています。クライアント企業の方々やチームメンバーと「仲間としてビジネスを進めていく」という想いも込められています。また、「人とチームの無限の可能性を引き出すことに貢献し続けます(Unlock the power of people and teams.)」というミッションをグローバル全体で掲げています。
movin:
次にキンセントリックの特長や強みを教えていただけますか。
松崎様:
キンセントリックには3つのサービス領域――「Culture & Engagement」、「Leadership Assessment & Development」、「HR & Talent Advisory」――があります。日本語で簡単に言い直すと、それぞれ「組織」、「リーダー」、「人事部門」の「変革を支援する」ということになります。現在、日本オフィスでは、「組織:Culture & Engagement」と「リーダー:Leadership Assessment & Development」についてのソリューションを提供することが主になっています。3つ目の「人事部門:HR & Talent Advisory」についてのソリューション提供は、まだ発展途上のフェーズにありますので、今後力を入れて取り組んでいく領域となります。
私からは「Culture & Engagement」の強みをお話させていただくと、百数十カ国をカバーするグローバル体制を生かして、客観的に使えるベンチマークを備えた調査・分析をするツールを多数持っている点、そしてクライアント企業のエンゲージメント向上に向けた風土改革、チェンジマネジメントや組織開発まで一貫して提供出来ることが強みだと思います。例えば、エンゲージメントは、ESG(環境・社会・ガバナンス)に対する関心の高まりを背景に、また優秀な人材を惹きつけておく目的で、日本企業も近年になって重視するようになりました。「エンゲージメント・サーベイ」では、日本人は謙虚に回答しすぎるなどと国籍による癖があるため、グローバル比較をするうえで各国のベンチマークが重要です。弊社では2014~5年から、グローバルで調整したベンチマークを備えたエンゲージメント・サーベイを提供し、グローバルに展開しているクライアント企業に活用していただいています。
傷@島様:
私からは「Leadership Assessment & Development」の強みと、会社・組織としての強みをお話させていただきます。
「Leadership Assessment & Development」の強みは、3つあると考えています。
まず、お客様の戦略に併せて、各階層のリーダーに求められるコンピテンシーの抽出から、アセスメント、そして育成と一環してお手伝いできる点です。これは人事コンサルの機能と人材開発コンサルの機能の2つを持ち合わせていないとできないことで、弊社はその、両輪を持ち合わせています。
そして、2つ目は、開発力です。お客様へ提供するソリューションの多くは、お客様とじっくりと議論を重ね、お客様の状況に併せて、オーダーメイドで作り上げていきます。
もちろんそのソリューションを作り上げている過程においては、グローバルナレッジやベンチマークなども活用しますが、グローバルで作られた既成のソリューションに縛られることはありません。
このアプローチは、非常に時間がかかりますが、こうしてじっくりとビジネスができるのもスペンサースチュアートの明確な方針の中に、顧客に深く入り込み、顧客の課題解決を顧客と共に行うという想いがあり、実現できています。
3つ目は、グローバルの協力体制です。グローバルネットワークを持っている会社は多いでしょうが、上手くコラボレーションができているかと言うとどうでしょうか?
弊社は、ナレッジの共有から、プロジェクトの協力依頼に至るまで、現場でコンサルタント同士がグローバルでコミュニケーションを行っています。階層や地域・部門といった壁を感じることなく、また、非常に協力的なグローバルの仲間と共に仕事ができています。
更に付け加えると、スペンサースチュアートの一員になったことで、私達のソリューションの提供範囲がエグゼクティブ層にも広がり、一気通貫でクライアント企業の人材マネジメントを一緒に考えられるようになりました。
movin:
実際にはどのようなプロジェクトがあるのでしょうか?「Culture & Engagement」、「Leadership Assessment & Development」それぞれの観点で教えていただけますでしょうか?
松崎様:
まず、「Culture & Engagement」で言うと、メインはエンゲージメントサーベイの実施とサーベイ結果の分析を行います。エンゲージメントサーベイの実施に際しては、クライアント企業の目指す姿に対する現状課題が抽出できるよう設問設計を行い、サーベイ結果の分析では課題領域はどこなのか、課題を解決するためにどんな施策を実施する必要があるかを提言します。
最近は、従業員エンゲージメントの重要性が年々高まっている背景もあり、エンゲージメントサーベイを実施して課題領域を明らかにするだけではなく、課題を解決するための施策の実行支援をさせていただく機会が増えています。例えば、エンゲージメントサーベイによりチームリーダーに課題があることが分かると、チームリーダーの意識改革へ向けた施策を立案し実行していきます。
例からもお分かりいただけると思いますが、「Culture & Engagement」のプロジェクト(エンゲージメントサーベイ)と「Leadership Assessment & Development」のプロジェクト(リーダーシップ開発)は不可分になっています。
傷@島様:
「Leadership Assessment & Development」では、過去、特定分野や特定階層の能力開発のみをご支援することもありましたが、昨今では、クライアント企業の戦略変更に伴い、新しいリーダー像を定義し、そこへ向けてトータルにリーダーシップ開発のプログラムをデザインし、提供していく、といったプロジェクトが増えています。更に、提供するサービスは、日本国内に限らず、グローバルで展開をしてくプロジェクトも増えています。
例えば、ある大手電子部品メーカーが取り組まれている「グローバル・リーダーシップ・プログラム」では、海外拠点でローカル・リーダーを育成することがテーマとなっています。同社の海外拠点は、かつて製造拠点ばかりだったものから、ローカル・マーケット向けに製品開発もマーケティングも行うようになってきています。そうなってくると、日本から経営幹部人材を送り込むのではなく、ローカルで経営幹部人材を育成する必要が出てきます。そこで、選抜された各国のリーダー候補人材に対するリーダーシップ開発の一連のプログラムを開発し、1クール2年間のプログラムを動かしています。プログラムの中では、クライアントの経営陣及び人事部と共に、受講対象者の成長をトラックし、その人の成長機会をどのように計画していくのかタレントレビュー会議で議論していきます。このプログラムを作り上げる上で、キンセントリックのグローバルなネットワークは大いに貢献できたと自負しています。プログラム内では、参加される受講者の国ごとに、キンセントリックのコンサルタントが付き、コーチングやトレーニング、アセスメントを現地で提供していきます。
movin:
入社してからのキャリアについて教えていただけますでしょうか?
松崎様:
入社してからは、主にプロジェクトを通じて、業務を学んでいただきます。研修で学んでいいただくというよりは、プロジェクトでともに働くメンバー同士で知識や情報を相互に共有し合う中で自身の学びに繋げてほしいと考えています。社内の様々なメンバーとプロジェクトを組むことで、多くの人から知識や情報を得ることができますし、これまでの経験を活かして他のメンバーへ知識や情報を共有して欲しいと思います。
入社後に担当するプロジェクトは、3つのサービス領域のなかの特定領域内で留まるのではなく、人事・組織に関する一通りの業務知識を身に着けるためにも幅広い領域のプロジェクトに携わって欲しいと思っています。業務知識の習熟度が高まった後に、更に専門性を高めたい領域に絞ってキャリアを積んで欲しいと思っています。
クライアント企業の役員レベルと対話をする上では、特定領域の知識・経験だけでは説得力のある提案や価値提供をすることはできません。人事・組織に関する基礎的な知識と経験を持ったうえで、各個人の得意領域で能力を発揮して欲しいと考えています。私は、ジェネラリストしかいない組織は弱いと思っているので、各領域に専門性の高い人材が在籍している組織に成長させていき、各領域でクライアント企業に最大限のバリューを提供する組織でありたいと思っています。
傷@島様:
キンセントリックでは、職位に関係なく入社後すぐにクライアント企業との打ち合わせの場に同席していただくことになります。クライアント企業との会話の中で、お客様がどういう感情や考え、悩みを持っているのかを肌で感じてもらいたいと思っています。クライアント企業ごとに抱える課題は多岐に渡り、我々は課題に応じた最適なソリューションを提供することが求められていますので、クライアント企業の生の声を聞き、その課題を解決していくことでクライアント企業からの信頼を獲得し、組織として、そして一コンサルタントとして成長できる機会に繋がります。また、弊社ではコンサルタントが案件の営業からプロジェクトのデリバリー、プロジェクトマネジメントを行うため、職位に関わらず、一気通貫でプロジェクトに携わる経験を積むことができます。
movin:
最後に、キンセントリックの求める人材像について教えてください。
松崎様:
2つあります。まず1つは「Learning Agility。常に社会の変化を意識し、自身をアップグレードし続けることのできる方」です。変化の激しい社会のトレンドやクライアント企業から求められるものを常に吸収し続けられること、そして学んだことを自分のものにし続けられる力のある方に是非参画していただきたいと思います。
そして、2つ目は「目に見えないものを感じたうえで言語化する力のある方」です。私なりの表現をすると、左脳(論理など)と右脳(感性など)の両方をバランスよく使って正しい言葉を導き出す力のある方です。コンサルタントという職業上、一定度の論理性は重要です。ただ論理性さえ完璧であればいいのかというとそうではなく、どんなに正しい主張をしてもクライアント企業に影響力を与えられないと意味がないと思っています。そのため、クライアント企業に影響力を与えるコミュニケーションをいかにできるか、クライアント企業に行動のきっかけを与えられるような関わり方ができるかがとても重要だと思います。
傷@島様:
私も2点あります。1点目は、「自分がクライアント企業の従業員だったら、どう感じるか、と常に考えられる方」です。つまりは「共感力」を持っているということです。正論やロジックだけでは納得できない、ということが多いのが人間ですから。そういった方たちに納得してもらい、行動するきっかけを与えられるようコミュニケーション方法を取る必要があると思います。
2点目は、「お客様とは何かを本質的に理解している方」です。私達は企業の組織・人材に関する課題解決のソリューションを提供する訳ですが、課題に直面し、抱えているのは、クライアント企業の現場です。目の前で会話をしている人事や経営企画の方だけでなく、私達のサービスによって影響を受ける現場の方々の事を常に考えながら実行できる方に是非参画していただきたいです。
movin:
本日はお忙しいところありがとうございました。
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