簿記3級で転職は可能?未経験から経理職を目指す方法と成功事例
簿記3級は「会計の基本がわかる人材」を示す入門資格で、未経験から経理・会計領域に踏み出すための強力な一歩です。
本記事では、簿記3級の位置づけと難易度、評価される職種・業界、未経験でも採用されやすい企業の見分け方を整理。
さらに、履歴書・職務経歴書で押さえるべきポイント、面接の定番質問への答え方、実際の転職成功例、そして選択肢を広げる簿記2級の活用まで具体的に解説します。
「今の経験からどう経理へつなげるか」を明確にし、最短距離でチャンスを掴みましょう。
転職を検討中という方は、弊社ムービンまでお気軽にご相談ください!
簿記3級の転職市場での評価とは?
簿記3級の位置づけと資格の難易度
簿記3級は、日本商工会議所が主催する簿記検定の中で最も基本的な資格であり、企業の経理・財務業務の「入口」にあたる知識が問われます。試験では仕訳や帳簿の記入、試算表の作成など、会計の基礎が出題され、合格率は平均で40〜50%前後とされており、独学でも十分合格が可能な難易度です。
多くの企業では、簿記3級を「経理や会計の基本がわかっている人材」として評価しており、特に中小企業では実務未経験者でも歓迎されることがあります。一方で、大手企業や上場企業では、より高いスキルが求められるため、3級だけでのアピールはやや弱くなる傾向があります。
簿記3級が評価される職種・業界
簿記3級は以下のような職種・業界で一定の評価を受けています。
経理アシスタント
仕訳入力や請求書処理など、補助的な業務に携わるポジションでは簿記3級の知識が活かされます。
会計事務所・税理士事務所
実務未経験でもアシスタントとして採用されるケースがあり、簿記3級があると採用の可能性が高まります。
中小企業の事務職
総務・庶務と兼務することも多く、幅広い業務に柔軟に対応できる人材として歓迎される場合があります。
派遣社員・契約社員の経理補助
短期プロジェクトなどで即戦力となる人材を求めているケースで、簿記3級がスキルの証明になります。
つまり、簿記3級は「未経験者が経理職へ第一歩を踏み出すための資格」として位置づけられており、転職市場でも一定の評価を得ていると言えるでしょう。
未経験から経理職を目指すには?
必要なスキルと資格
未経験から経理職に就くうえで最低限求められるのが、簿記の知識です。簿記3級は「会計の基本」を学んだ証として評価されますが、未経験から経理職を目指したい場合、基本的には簿記2級の取得が必要です。なので簿記2級の取得前に転職活動を成功させたい場合には、簿記2級の取得意欲がある旨を職務経歴書内や面接時にアピールすることが有効です。
また、以下のようなスキルも実務で役立つため、あわせて習得しておくと採用の可能性が高まります。
Excelスキル(SUM・IF関数、ピボットテーブルなど)
正確性と細かい確認力
数字に対する苦手意識がないこと
社内外とのやり取りに必要な基本的なコミュニケーション力
資格はあくまで入口に過ぎず、「この人と一緒に働きたい」と思われる社会人基礎力も重視されます。
未経験でも採用されやすい職場の特徴
未経験から経理職に就職・転職するには、応募先の選び方が非常に重要です。以下のような企業は、比較的採用ハードルが低く、未経験者にチャンスがあります。
中小企業やベンチャー企業
経理専任者が少ないため、育成を前提に採用されることがあります。
経理職を含む「事務全般/総務」ポジション
経理の補助からスタートし、少しずつ業務範囲を広げていけます。
派遣社員や契約社員からスタートする方法
最初は雇用形態が安定していなくても、実務経験を積むことで正社員への道が開けます。
会計事務所の補助スタッフ
仕訳や記帳代行などの簡単な業務から任されるため、実践的なスキルが身につきやすいです。
履歴書・職務経歴書でアピールすべきポイント
未経験者が書類選考を通過するには、意欲と学習姿勢を明確に伝えることが重要です。以下のようなアピールポイントを入れると好印象です。
「簿記3級を取得し、現在2級の勉強中です」といった学習の継続性
「Excelや会計ソフトの基本操作ができる」といった実務に近いスキルのアピール
前職での業務において、「数字の管理」「請求書チェック」など経理に通じる業務経験があれば積極的に記載
チームでの仕事経験や、事務処理能力などのポータブルスキル
書類では「すぐに仕事を任せられそう」と感じさせる内容が求められます。
簿記3級で転職できる職種と仕事内容
簿記3級の知識を活かせる職種は多く存在します。ここでは、実際に転職先として選ばれることが多い3つの職種について、それぞれの仕事内容や向いている人の特徴を詳しく解説します。
経理アシスタント
経理アシスタントは、経理部門の中で日々の業務をサポートするポジションです。未経験者でもチャレンジしやすく、簿記3級の知識を活かしやすい職種です。
主な仕事内容:
仕訳入力
請求書の発行・処理
経費精算のチェック
書類の整理・ファイリング
月次決算補助 など
特に中小企業では、経理の担当者が少ないため、幅広い業務を任されることもあります。数字に対する正確さや、細かい作業をコツコツとこなせる人に向いています。
会計事務所の補助スタッフ
会計事務所や税理士事務所では、クライアント企業の帳簿作成や記帳代行を行います。そこでの補助スタッフは、実務経験がなくても簿記3級を持っていれば採用されるケースがあります。
主な仕事内容:
クライアントの仕訳データ入力
領収書・請求書の整理
会計ソフトへの入力作業
税務書類の準備補助
会計事務所は繁忙期(決算期や確定申告前)に向けて人手が必要になるため、パートやアルバイトとしての採用も多く、実務経験を積むチャンスとしては非常に有利です。
総務・事務職での活用例
一見すると経理とは関係がなさそうに見える総務・一般事務職でも、簿記の知識が求められる場面は多くあります。
主な仕事内容(簿記知識が役立つ場面):
伝票処理や支払い業務
勤怠管理や給与計算の補助
社内経費の集計
小口現金の管理
こうした業務に携わるうちに、「経理の仕事に少しずつ触れていける」というメリットがあり、そこから本格的に経理職へのキャリアチェンジを狙うことも可能です。
ポイントまとめ
| 職種 | 採用難易度 | 実務経験 | 向いている人の特徴 |
| 経理アシスタント | ★★☆☆☆ | 不要 | コツコツ作業が得意な人 |
| 会計事務所 補助スタッフ | ★★★☆☆ | 不要-少し | 数字に強く正確さを求める人 |
| 総務・一般事務 | ★☆☆☆☆ | 不要 | 幅広い業務に柔軟な人 |
転職を検討中という方は、弊社ムービンまでお気軽にご相談ください!
簿記3級で転職に成功した方の実例紹介
簿記3級を活かして転職に成功した方は、実際に多く存在します。ここでは、異なる背景を持つ2名のケースを紹介し、どのようにして「未経験からの転職」を実現したのかを解説します。
20代・未経験から経理に転職したAさんのケース
プロフィール:
年齢:26歳
前職:アパレル販売職(経理経験なし)
資格:簿記3級(独学で取得)
転職までの流れ:
Aさんは接客業で培ったコミュニケーション能力を活かしつつ、将来性のある事務職へのキャリアチェンジを目指して転職活動をスタートしました。独学で簿記3級を取得したのち、エージェント経由で経理アシスタント職に応募。
採用の決め手:
簿記3級取得と、2級取得に向けた学習を継続していたこと
接客経験を活かした社内対応力への期待
面接時に「長期的に経理でキャリアを積みたい」という意欲をアピール
現在は、仕訳入力や伝票処理、請求書作成などを担当しながら、簿記2級の取得を目指しています。
育児ブランク後にパート経理で復職したBさんのケース
プロフィール:
年齢:30歳
前職:一般事務(育児ブランク)
資格:簿記3級(育休中に通信講座で取得)
転職までの流れ:
Bさんは育児がひと段落したタイミングで職場復帰を希望。フルタイム勤務は難しかったため、時短・パート勤務が可能な職場を探していました。求人情報で「経理補助/簿記3級以上歓迎」の文字を見つけ、応募。
採用の決め手:
簿記3級を活かした業務が可能であること
過去の事務経験と、育児によって身についたスケジュール管理力
「週3日・5時間」の柔軟な勤務形態にマッチ
現在はパート勤務ながら、伝票処理・帳簿整理などの経理業務に携わっており、実務経験を重ねる中で「今後は簿記2級や正社員も目指したい」と話しています。
実例から学べること
簿記3級は未経験でも意欲を伝えれば評価されやすい資格である
「学習継続中」や「柔軟な働き方」など、自分の強みや状況に合った訴求が転職成功のカギになる
ブランクがあっても、資格を取得し直すことでキャリアを再スタートできる
転職成功のためにやっておくべき準備
未経験から簿記3級を活かして転職を成功させるためには、「資格を取っただけ」で満足せず、その先の行動が重要です。ここでは、転職活動を有利に進めるためにやっておきたい3つの準備を紹介します。
簿記2級取得を目指すべきか?
簿記3級で転職は可能ですが、より選択肢を広げたい場合は簿記2級の取得が有利になります。
特に以下のような方は、簿記2級の勉強を始めておくのがおすすめです。
経理としてのキャリアを長期的に考えている
将来的に年収アップや大手企業への転職を目指している
簿記3級取得から時間が経っている
採用担当者からは、「すでに簿記2級の勉強を始めています」と伝えるだけでも、前向きな姿勢が高く評価される傾向にあります。
面接で聞かれる質問と答え方のコツ
未経験からの経理転職では、面接で次のような質問がよく聞かれます。
よくある質問と回答のポイント:
質問例
回答のコツ
なぜ経理職を目指したのですか?
具体的なきっかけ+長期的なキャリアビジョンをセットで答える
経理未経験ですが、どんな準備をしていますか?
簿記の学習状況や、Excelスキルの習得をアピール
数字や細かい作業に対してどんな印象を持っていますか?
苦手意識がないこと、ミスを防ぐ工夫ができることを伝える
チームでの仕事経験はありますか?
前職でのチーム対応力や、報連相のエピソードを述べる
面接では、「未経験でも即戦力になりそう」と思わせるような回答を意識するのがポイントです。緊張しがちな方は、模擬面接や面接練習アプリの活用もおすすめです。
まとめ
簿記3級は、未経験から経理職を目指すための第一歩として非常に有効な資格です。
実際の転職成功には、以下のような準備と行動がカギになります:
実務に活かせるスキル(Excelなど)の習得
簿記2級取得の意欲を示す
自分に合った求人や職種を見極める
転職エージェントの活用で情報収集と選考対策を万全にする
転職はタイミングと戦略次第で、未経験でもしっかりチャンスを掴めます。今の一歩が、数年後のキャリアの幅を大きく広げる可能性を秘めています。
転職を検討中という方は、弊社ムービンまでお気軽にご相談ください!