簿記1級があれば食いっぱぐれない?就職・転職・キャリアの可能性を徹底解説
簿記1級は日商簿記検定の最上位資格で、会計の専門家レベルの知識とスキルが求められます。
経理・財務部門でのキャリアアップや、税理士・公認会計士といった上位資格へのステップとしても重要な位置づけです。
本記事では、資格の中身と難易度、求人市場での評価や活かせる職種、キャリア・年収の実例、取得後に価値を最大化するための行動までを整理して解説します。
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簿記1級とは?他の級との違いと難易度を解説
簿記2級との主な違い
多くの方は3級・2級から学び始めますが、1級になると内容と難易度が一段と跳ね上がります。
| 比較項目 | 簿記2級 | 簿記1級 |
| レベル | 実務初級 | 実務上級-専門家レベル |
| 内容 | 中小企業の会計・工業簿記 | 上場企業の会計、連結決算、会計基準の理解など |
| 試験科目 | 商業簿記・工業簿記 | 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算(4科目) |
| 合格率 | 約15-30% | 約10%前後(年度による) |
| 難易度 | 社会人が独学で合格できるレベル | 独学は困難。専門学校や通信講座の活用が一般的 |
2級は「仕訳ができる」「決算書が作れる」レベル、1級は「企業全体の財務管理を理解し、他者に説明できる」レベルが求められます。
合格率・勉強時間の目安は?
簿記1級の合格率は例年おおむね10%前後。日商簿記の中では突出した難関です。
学習時間の目安:初学者(2級未取得)で約800-1,000時間/2級合格者で約500-800時間。
試験スケジュール:年2回(6月・11月)。
合格基準:4科目すべて40点以上かつ平均70点以上。
長期計画で学習を継続できるかが、合格のカギになります。
取得すると何ができるようになる?
上場企業レベルの複雑な会計処理(連結会計、税効果会計など)に対応できる
経営層向けの財務分析・説明資料を作成できる
管理会計・原価管理の知識を活かし経営をサポートできる
監査対応・内部統制など高度な会計知識を実務で活用できる
税理士試験で受験資格・科目免除の恩恵を得られる
簿記1級は安定した仕事に本当に役立つのか?
求人市場での評価・ニーズ
簿記1級は即戦力となる高度な会計知識を証明でき、企業側の評価が非常に高い資格です。
2025年時点の求人傾向として、「簿記1級歓迎・必須」は大手・上場・グローバル企業に集中し、年収400万-700万円以上のポジションが多く、職種は経理・財務のリーダー候補や管理職、経営企画などが中心です。
税理士法人・監査法人でも有望人材として評価されやすく、資格そのものが信用として働き、書類選考の通過率向上にも寄与します。
どんな職種・企業で活かせる?
【経理・財務部門(中-大企業)】
月次・年次決算の主担当/開示資料の作成(有価証券報告書・決算短信など)/税務申告・内部統制・連結決算対応。
【経営企画・管理会計部門】
原価管理・予算管理/経営層へのレポーティング/データ分析に基づく経営判断の支援。
【税理士・会計事務所(スタッフ-マネージャー)】
上場企業やグループ企業の決算支援/高度な会計処理・会計基準のコンサルティング。
企業によっては、簿記1級を管理職登用の要件とする場合もあります。
安定評価の背景(強さの理由)
1)企業規模を問わずニーズがある(上場・外資・中堅まで広範に需要が安定)
2)スキルが普遍的で陳腐化しにくい(基準変更にも対応可能な理解力)
3)キャリアの選択肢が増える(専門職・管理職・税理士ルート・独立など)
「安定=選べる余地がある」という観点で、簿記1級は確実に選択肢を広げます。
実例で見る簿記1級取得者のキャリアと年収
一般企業でのキャリア例(経理・財務)
簿記1級は、連結決算や開示資料作成、監査対応など専門性の高い業務で高評価。
実例(30代・上場企業勤務)
月次・年次決算、連結精算表の作成を担当/有価証券報告書の作成補助などを任される。
年収の目安:500万-650万円前後。将来は経理課長・部長候補へ。
会計事務所・税理士法人での活かし方
簿記1級は税理士試験の受験資格に活用でき、事務所での評価も高い。
実例(20代後半・税理士法人勤務)
税務申告補助、法人決算支援、顧問先の記帳代行を担当。
年収の目安:未経験スタートで350万-450万円前後。勤務しながら上位資格を目指す。
独立・専門職としての可能性
記帳代行・経理代行・会計コンサルなどでフリーランス化も可能。
実例(40代・フリーランス経理)
中小企業数社の記帳・決算支援を在宅で受託し、経営相談や資金繰り助言も実施。
年収の目安:400万-600万円以上(案件数・単価により変動)。自由度の高い働き方が実現。
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簿記1級を活かすために知っておきたい現実と対策
資格だけでは不十分?実務経験とのバランス
膨大な知識を要する資格ですが、実務未経験のままでは「即戦力」判断で不利になることも。
よくある状況
資格はあるが職務経歴が弱い/面接で「実務で何ができるか」を具体化できない/高難度求人は実務経験前提が多い。
対策
パート・派遣・アルバイトでも会計ソフト入力や伝票処理で実務を積む/2級相当の業務から段階的に広げる/求人票の歓迎スキルを読み解き、自分の活かせるポイントを明確化する。
活かしきれない人の共通点
合格後に行動が止まっている/応募職種が定まらず情報収集が不足/知識の使い方に自信が持てない、といった傾向。
難関ゆえに「燃え尽き」が起こりがちで、合格後の一歩が将来を左右します。
合格後の行動がキャリアを左右する(具体アクション)
まず踏み出すべき行動例
経理職の求人に応募してみる(「簿記1級歓迎」が増加)/勉強仲間・スクール経由で実務の場を探す/転職エージェントに相談して希望業務を言語化する/クラウド会計など実務寄りスキルを補強する。
方向性に応じて、税理士資格の取得、会計・財務コンサルでの経験蓄積、将来的な独立・副業なども選択肢に。
簿記1級はどんな人に向いている?
キャリア形成に強い関心がある人
専門性の高い仕事へステップアップしたい/長く通用するスキルを身につけたい人に最適。
組織内で「数字で経営に貢献できる人材」として評価されやすくなります。
会計の専門職を目指したい人
税理士試験の受験資格・科目免除に活用可能。
会計事務所・税理士法人での採用でも有利に働き、将来の独立にもつながる基礎力の証明になります。
管理職・経営層を目指す人にも有効
経営判断には数字の裏付けが不可欠。
管理会計・原価計算の知識に基づく改善提案力は、管理職としての説得力と信頼を高めます。
まとめ 簿記1級は安定したキャリアを築く大きな武器になる
簿記1級は学習時間・難易度ともに高い一方、取得で得られる信頼と安定性は大きい資格です。
経理・財務で専門性を高めたい、転職やキャリアチェンジの武器がほしい、将来は税理士・経営・独立も視野に入れる??こうした志向に現実的な価値を提供します。
就転職市場での評価が安定して高く、年齢や経歴を問わず「選べる道」を増やせるのが強み。
将来への不安があるときこそ、選択肢を広げる一歩として簿記1級の取得と実務の組み合わせを検討しましょう。
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