証券会社の将来性は?今後の動向・課題・必要とされる人材とは
証券会社は、株式・債券・投信などの金融商品を通じて資産形成を支援する専門機関。リテール営業、法人向けホールセール、トレーディング/アナリストの3領域が中核です。
本記事では、証券会社の基本業務と魅力、2025年の最新動向(NISA拡充・ESG・フィンテック/デジタル資産)を整理し、将来性を左右する要因(資産形成ニーズ拡大・デジタル化・顧客本位化)を解説。
さらに、ネット証券との競争が生む機会、AI活用で進むハイブリッド営業、新サービス創出の潮流、今後求められる人物像とスキルまで網羅します。
「証券会社に向いている人」の判断軸や転職検討の勘所も具体化。変化の大きい市場で、信頼と付加価値を提供できるキャリアの描き方がわかります。
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証券会社とは?業界の基本と主な仕事の特徴
証券会社は、株式や債券、投資信託などの「金融商品」を扱い、個人や企業の資産運用をサポートする金融機関です。銀行とは異なり、お金を預かるのではなく「投資を通じて資産を増やす」役割を担っています。
証券会社の主な業務は、大きく以下の3つに分かれます:
1. リテール営業(個人営業)
個人投資家に向けて、資産運用の提案を行う仕事です。顧客一人ひとりのライフプランやリスク許容度に応じて、最適な金融商品を提案します。信頼関係を築きながら長期的なサポートを行うため、人間関係構築力が求められる分野です。
2. ホールセール(法人営業)
上場企業や機関投資家などの法人向けに、資金調達(株式・債券の発行)やM&Aの提案などを行う部門です。経営戦略やマーケット動向への理解が必要な高度な仕事ですが、その分やりがいも大きく、年収も高水準です。
3. トレーディング・アナリスト業務
株や債券などを市場で売買する「トレーダー」、経済や企業の調査・分析を行う「アナリスト」も、証券会社を支える重要な存在です。データ分析力や判断力が求められる専門職で、近年ではAIやテクノロジーとの連携も進んでいます。
証券会社で働く魅力とは?
証券業界の魅力は、「人の資産形成に直接関わる仕事」であり、社会的な影響力も大きい点です。さらに、成果がしっかり評価される業界なので、実力次第でスピード昇進や高収入も目指せます。金融リテラシーや営業スキルを身につけたい方には、非常に良い環境と言えるでしょう。
証券業界の現状とこれからの成長分野【2025年最新】
近年、証券業界は大きな転換期を迎えています。少子高齢化、金利環境の変化、そしてデジタル化の進展といった外部要因が複雑に絡み合い、従来のビジネスモデルに変革が求められています。
とはいえ、証券業界は衰退するどころか、新たな成長分野が次々と生まれているのも事実です。
現在の市場環境と業界の動き
従来の対面型営業に頼っていた大手証券会社は、近年オンラインサービスの拡充や業務効率化に積極的に取り組んでいます。顧客との接点を増やすために、スマホアプリの改善やオンライン相談の強化など、デジタルチャネルを活用する動きが加速しています。
一方で、ネット証券は若年層や投資初心者を中心に利用者を急拡大させており、業界全体の競争環境が活性化しています。
今後の成長が期待される分野
資産形成支援サービス
政府のNISAやiDeCo拡充により、個人の資産運用ニーズは今後さらに高まると見られています。証券会社にとって、投資初心者へのサポートやライフプランに基づく運用提案が重要な差別化ポイントになります。
ESG投資やインパクト投資の拡大
環境・社会・企業統治に配慮した投資が世界的に注目されており、日本でも急速に市場が拡大しています。証券会社はESG関連の金融商品を扱う機会が増え、専門知識を持つ人材へのニーズも高まっています。
フィンテック連携・デジタル資産市場の拡大
ブロックチェーンやAIを活用した新しい金融商品の開発も進んでいます。セキュリティトークンやデジタル証券といった分野では、これまでにないサービス展開が期待されています。
このように、証券業界は変化の真っただ中にありながら、成長のチャンスが広がっている市場です。今後も社会的なニーズに応じた新しいサービスが次々と登場していくことが予想されます。
証券会社の将来性を左右する3つの理由
「証券会社に転職して将来性はあるのか?」という疑問に対しては、結論から言えば十分な将来性があると言えます。もちろん、業界全体としての課題もありますが、それ以上に新たなチャンスが広がっているのが現在の証券業界です。
1. 資産形成ニーズの拡大
超高齢社会を迎えた日本では、公的年金だけに頼らず、自分自身で資産を運用・管理する必要性が高まっています。政府による「貯蓄から投資へ」の政策推進や、NISA制度の拡充も後押しとなり、個人投資家の数は年々増加中です。
この動きに伴い、証券会社には「投資の入り口を提供する役割」としての社会的な重要性が増しています。特に、初心者層へのきめ細かいアドバイスやサポートができる人材へのニーズは高まる一方です。
2. デジタル技術との融合が進む
AI、ビッグデータ、ブロックチェーンなど、金融テクノロジー(フィンテック)の進化により、証券業務も大きく変わりつつあります。たとえば、AIを活用した投資アドバイスや、スマートフォン上で完結する証券口座の開設・運用などが一般化しています。
このようなデジタル化の流れは、業務の効率化を進めると同時に、新しいサービスを生み出す原動力にもなっています。変化に柔軟に対応できる人材や、ITリテラシーを持った人の価値は今後さらに高まるでしょう。
3. 顧客本位の営業スタイルへの転換
従来の「売ること重視」の営業から、「顧客の長期的な利益を第一に考える営業」への転換が、業界全体で進んでいます。これは金融庁が掲げる「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」に基づく動きです。
この変化は、単なる販売スキルではなく、信頼関係を築ける人材が評価される時代になったことを意味します。誠実さやコミュニケーション力が強みの人にとっては、まさにチャンスと言えるでしょう。
このように、制度の追い風、技術革新、そして営業スタイルの進化という3つの視点から見ても、証券会社の将来性は十分に明るいといえます。
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ネット証券や新興勢力との競争がチャンスに変わる理由
ここ数年で急成長を遂げているのが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券といった「ネット証券」と呼ばれる存在です。これらは手数料の安さや使いやすいスマホアプリを武器に、特に若年層を中心に利用者を増やしています。
一方で、こうしたネット証券やフィンテック企業の台頭は、大手証券会社にとって「脅威」であると同時に、大きな「変革のチャンス」でもあります。
ネット証券との違いは「人の力」
ネット証券が強みとするのは低コストやスピード感ですが、逆に人による丁寧なサポートや提案型の営業は、まだまだ弱い部分です。ここに、大手証券や対面型営業の価値があります。
特に高齢者層や初心者投資家にとって、「担当者がついてアドバイスしてくれる安心感」は大きな信頼材料になります。人とのつながりを大切にした営業スタイルは、ネット証券が簡単には真似できない強みです。
競争が促す「サービス品質」の向上
ネット証券との競争は、大手証券各社にとって、自社サービスを見直し、改善する契機となっています。具体的には、スマートフォン対応の強化、手数料体系の見直し、オンライン面談の導入など、デジタルと対面を融合させる動きが進んでいます。
このような流れの中で、柔軟に変化に対応できる人材や、新しいアイデアを持つ若手の登用が加速しているのも注目すべきポイントです。
フィンテックとの連携で新しいビジネスが生まれる
競合として見られがちなフィンテック企業も、実は連携・協業の対象になることが増えています。API連携によるデータ活用、ロボアドバイザーとの共同サービスなど、金融とテクノロジーを組み合わせた新たな取り組みが各社で進行中です。
つまり、変化の大きい市場環境の中で、新たなビジネスモデルをつくる人材が求められているのです。
このように、ネット証券や新興勢力の存在は競争を生むだけでなく、業界全体の成長と変革を後押ししています。環境の変化をポジティブに捉え、柔軟に対応できる人にとっては、まさにチャンスが広がっているといえるでしょう。
AI・フィンテック時代における証券会社の進化
証券業界は今、AIやフィンテックの導入により、従来のビジネスモデルを大きく進化させようとしています。この変化は単なる業務の効率化にとどまらず、新しいサービスの創出や顧客体験の向上という観点でも大きなインパクトを与えています。
ここでは、AI・フィンテックの活用が証券会社にもたらしている主な変化と、今後の可能性について解説します。
業務の効率化と高度化
まず、大きな変化が起きているのが、業務の自動化・効率化です。たとえば、以下のような業務がAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって支えられています。
資料作成やリサーチ業務の自動化
過去の取引履歴に基づいた営業アプローチの提案
顧客データを活用したパーソナライズド提案
これにより、営業担当者はルーティン業務にかける時間を減らし、より顧客との関係構築に注力できる環境が整ってきています。
ロボアドバイザーとハイブリッド型営業
AIを活用した「ロボアドバイザー」は、投資初心者でも簡単にポートフォリオを作成・運用できるサービスとして人気が広がっています。とはいえ、すべてを機械に任せるのではなく、人によるフォローと組み合わせたハイブリッド型の営業スタイルが注目されています。
「AIの提案+人の知見」によって、より精度の高い運用アドバイスや、顧客の心理に寄り添った対応が可能になるのです。
新しいビジネスの創出
さらに、AIやブロックチェーン技術を活用した新しい金融商品や投資プラットフォームの登場も加速しています。たとえば、セキュリティトークン(デジタル証券)を使った資金調達は、今後中小企業やスタートアップの資金調達手段としても注目されています。
これらの新サービスを開発・提供するには、柔軟な発想力やテクノロジーへの理解がある人材が不可欠です。つまり、証券会社は今、変革の主役になれる人を求めているのです。
テクノロジーの進化は「人の仕事を奪う」のではなく、人とAIが協力して、より高度で価値のある仕事を実現するチャンスでもあります。これからの証券会社は、変化に前向きに取り組める人にとって、まさに活躍の場が広がる業界といえるでしょう。
証券会社で今後求められる人物像とスキル
証券会社の将来性が明るいとはいえ、すべての人にとって「転職先として理想的」とは限りません。今後の証券業界で活躍していくためには、変化に対応できる力や新しい価値を提供できるスキルが求められます。
顧客志向・課題解決型の提案力
金融知識の有無よりも、「お客様のニーズを正確に把握し、最適な提案ができる力」が最も重視される傾向にあります。特にリテール営業では、ライフプランやリスク許容度に応じたきめ細やかなアドバイスが重要です。
変化を前向きに捉える柔軟性
業界全体が大きく変化している今、これまでのやり方に固執せず、新しい技術や仕組みに対して前向きに取り組める姿勢が求められます。自ら学び、成長できる人ほど、証券会社での活躍の幅は広がります。
テクノロジー・デジタルへの理解
証券業務においても、デジタルの知識はもはや必須です。ITリテラシーが高い人材は、業務の効率化だけでなく、新しいサービスや仕組みを提案するうえでも強みになります。
たとえば、以下のようなスキル・経験がある人は、証券会社から高く評価されやすい傾向にあります。
・営業経験(金融業界以外でも可)
・コンサルティング業務の経験
・FP、証券外務員などの資格保有
・DXやシステム導入などの企画・推進経験
これからの証券会社は、「金融知識が豊富な人」ではなく、「人の課題に寄り添い、変化に対応できる人」を必要としています。
まとめ|証券会社の将来性と転職に向いている人とは?
証券会社は、厳しい競争環境や変化の大きい業界でありながら、将来性は非常に高いといえます。特に個人の資産形成ニーズが高まる中で、その役割や存在感はむしろ増しています。
AIやフィンテックの導入により業務は効率化され、提案やアドバイスの精度も向上しています。これからの証券会社は、単なる販売の場ではなく、「信頼と付加価値を提供するパートナー」としての役割が求められていきます。
これらの背景を踏まえて、証券会社への転職に向いているのは、以下のような人です:
・顧客と信頼関係を築くことにやりがいを感じる人
・変化に前向きで、新しい知識・技術を学ぶ意欲がある人
・課題解決型の提案力やコミュニケーション力に自信がある人
証券会社は今、次の時代を担う人材を必要としています。将来性のある業界で、自分の力を試したい、成長したいという方にとっては、大きなチャンスが広がっていると言えるでしょう。
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