公認会計士はどこで働く?主な就職先と働き方を徹底解説
公認会計士は「監査のプロ」にとどまりません。監査法人で基礎を固め、事業会社の経理・財務や内部監査、M&A・フォレンジック等のコンサル、税務の専門家、独立開業、公的機関・大学での活躍など、キャリアの選択肢は想像以上に広がっています。
本記事では、国家資格としての位置づけや代表的な仕事内容、BIG4監査法人の実情、事業会社・コンサル・税理士法人・独立・公的機関といった勤務先ごとの役割と向き不向き、年収や働き方のリアル、そしてAI・DX時代に伸びる「会計+α」スキルまでを一気通貫で解説。
「会計士って実際どんな仕事?」「監査法人の次は?」「自分に合う働き方は?」という疑問に答え、長期的に納得できるキャリア設計のヒントを提供します。
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1. 公認会計士とは?資格の特徴と仕事内容の全体像
国家資格としての位置づけ
公認会計士(CPA)は、財務諸表の監査をはじめ、企業活動の透明性と信頼性を支える専門職です。
日本における三大国家資格(弁護士・医師・公認会計士)のひとつとも言われ、社会的信用が非常に高い職業です。
どんな仕事をするのか?
公認会計士の仕事は主に以下の4つに大別されます:
・監査業務(法定監査、任意監査、IPO準備監査)
・会計業務(財務諸表作成支援、会計指導、開示支援)
・税務業務(税理士登録後に可能)
・コンサルティング(M&A支援、内部統制整備、事業再生など)
取得難易度
公認会計士試験の合格率は例年10-15%とされ、取得までには平均して3-4年を要します。
しかし、その分就職先や年収水準は高く、長期的に安定したキャリアが期待できます。
2. 公認会計士の代表的な勤務先一覧
公認会計士の働く場所は「監査法人」だけに限りません。
実際には以下のようなさまざまな職場があります。
| 勤務先 | 主な役割 | 特徴 |
| 監査法人 | 監査業務 | 初期キャリアの王道。BIG4が有名。対象は大企業から中小・非営利まで幅広い。 |
| 一般企業(事業会社) | 経理・財務・内部監査 | 上場企業が中心だがベンチャーや外資系も増加中。 |
| コンサルティングファーム | M&A、業務改善支援 | 専門性を活かした高付加価値業務。非財務領域の需要も拡大中。 |
| 税理士法人・会計事務所 | 税務支援 | 地域密着型の実務が多い。税務業務には税理士登録が必要。 |
| 独立開業 | フリーランス業務 | 自由度が高く収入も青天井。営業力や人脈が大事。 |
| 公的機関・官公庁 | 監査、政策立案 | 公共性と安定性の高い職場。会計検査院・金融庁・国税庁など。 |
| 教育機関(大学など) | 教授・講師 | 専門知識を後進に伝える。実務経験を活かした活躍。 |
3. 監査法人で働く|BIG4を中心としたキャリアと実情
BIG4監査法人とは?
日本の監査業界を代表する「BIG4」は以下の4法人です:
・有限責任 あずさ監査法人(KPMG)
・有限責任監査法人 トーマツ(Deloitte)
・EY新日本有限責任監査法人(EY)
・PwC Japan有限責任監査法人(PwC)
これらの法人は、上場企業の大半をクライアントに持ち、国内外での大規模な監査業務を展開しています。
働き方の特徴
スタッフ(1〜3年目):複数企業の決算書をチェックする業務が中心。証票突合、棚卸立会などの監査実務を広く経験。
シニアスタッフ・マネージャー:監査計画の立案、チーム管理、クライアント対応、内部統制の評価を行う。
パートナー:法人の経営層として監査報告書に署名。年間2,000万円以上の報酬も珍しくない。
キャリアアップと転職
BIG4で数年働いた後、以下のような進路を選ぶ人が多いです:
・上場企業の経理・財務部門や内部監査部門に転職
・コンサルファームに転職(M&A、フォレンジック、ESGなどの専門領域を含む)
・海外法人やグローバル案件への異動(英語力や実績に応じて)
実際の声・事例
「新日本監査法人で3年間勤務後、IT企業の経理部へ転職。監査経験が買われ、年収も100万円アップ」(30代男性)
4. 一般企業(事業会社)で働く|経理・財務・内部監査
仕事内容
一般企業に転職した公認会計士の多くは、経理・財務・内部監査といった部門に所属します。
経理:決算業務、連結財務諸表の作成、開示書類の作成
財務:資金調達、予算策定、資金繰り管理
内部監査:業務プロセスの改善、内部統制の強化、リスク管理
特に上場企業や上場準備中のベンチャー企業では、公認会計士の専門性が重宝されます。
メリットとデメリット
メリット:
・ワークライフバランスが改善されやすい
・経営層に近い立場で仕事ができる
・将来的にCFO(最高財務責任者)を目指せる
デメリット:
・監査法人と比べると年収水準は低下することがある
・企業によっては会計士資格を活かしづらい業務も存在
実際の声
「製造業の経理部門に転職。監査法人時代よりも残業が減り、子育てとの両立がしやすくなった」(30代女性)
5. コンサルティングファームで働く|M&Aや内部統制支援
主な仕事内容
公認会計士がコンサルティングファームで活躍する領域は多岐にわたります。
・M&Aアドバイザリー(デューデリジェンス、企業価値評価)
・フォレンジック(不正調査、コンプライアンス対応)
・内部統制・ガバナンス強化支援
・ESGやサステナビリティに関するコンサルティング
働き方の特徴
コンサルティングファームでは、監査法人以上にクライアントとの密接な関与が求められます。
短期間での成果を期待されることが多く、プロジェクトごとにチームが組まれるのが一般的です。
特にM&Aやフォレンジックの分野では、案件単位での集中力とスピード感が必要とされます。
年収水準とキャリア
コンサルティングファームは監査法人よりも高年収が期待でき、30代で年収1,000万円超も珍しくありません。
その反面、ハードワークになる傾向があり、労働時間は長くなりがちです。
経験を積めば、独立系コンサルタントとしてのキャリアも可能です。
実際の声
「M&Aアドバイザリーに転職後、監査時代には得られなかったスピード感と責任感を実感。給与も大幅にアップした」(30代男性)
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6. 税理士法人・会計事務所で働く|税務の専門家としての道
仕事内容
税理士法人や会計事務所に所属する公認会計士は、主に以下の業務を行います。
・法人税、所得税、消費税などの申告業務
・税務相談や節税対策の提案
・資産税(相続税・贈与税)のコンサルティング
・中小企業や個人事業主への経営支援
監査法人に比べて中小規模のクライアントが多く、地域に密着した働き方となるのが特徴です。
資格との関係
公認会計士資格を持つと、税理士登録を行うことが可能です。
そのため、監査法人で経験を積んだ後に税理士法人へ転職し、税務を専門にキャリアを広げるケースもあります。
メリットとデメリット
メリット:
・独立開業への道が開ける
・地域の経営者と密接な関係を築ける
デメリット:
・繁忙期(特に確定申告時期)は非常に忙しい
・監査業務の経験を直接活かす場面は少ない
実際の声
「監査法人から税理士法人に転職。お客様との距離が近く、やりがいを強く感じる」(40代男性)
7. 独立開業という選択肢|フリーランス公認会計士
独立の形態
公認会計士は独立してフリーランスとして活動することも可能です。
独立のスタイルには以下があります:
・個人事務所を開設し、会計・税務業務を請け負う
・非常勤監査役や社外取締役として活動
・プロジェクトベースで企業の会計アドバイザーを務める
メリットとデメリット
メリット:
・収入は実力次第で大きく伸びる
・働く場所や時間を自由に選べる
デメリット:
・顧客獲得や営業活動が必須
・収入が安定しにくい
成功のポイント
独立で成功するには、人脈形成やマーケティング力が重要です。
また、監査や税務に限らず、コンサルティングや企業研修など収入源を複数持つことが安定につながります。
実際の声
「独立して非常勤監査役を複数兼務。自由度が高く、収入も会社員時代より増えた」(50代男性)
8. 公的機関・大学・自治体|社会貢献性の高いキャリア
会計士が求められる公共の分野
近年、公認会計士のスキルは公共分野でも高く評価されており、以下のような機関での活躍が増えています。
メリットと魅力
安定性が非常に高い
社会的意義の大きい業務に関われる
専門職としてのキャリアの幅が広がる
研究・教育分野にも展開できる
国際機関でのキャリアにつながるケースもある
採用例
会計士が自治体の外部監査人として任命されるケースも増加中
国立大学で「財務会計論」などの非常勤講師を務める会計士も
9. 公認会計士のキャリアパスと将来性
キャリアの広がり
公認会計士は監査法人を出発点とするケースが多いですが、その後の進路は多様です。
事業会社のCFO候補、経営企画部門
コンサルティングファームでのスペシャリスト
独立開業やフリーランスとしての活動
公的機関や大学での研究・教育
国際的キャリア(海外法人、外資系企業、国際機関など)
将来性
AIやDXの進展により、単純な仕訳や記帳作業は自動化されつつあります。
しかし、企業の不正会計防止、M&Aや国際税務、ESG・サステナビリティ対応といった領域は、むしろ会計士の専門性が必要とされています。
今後は「会計+α」のスキルを持つ会計士の需要が高まると見込まれます。
まとめ
公認会計士は、監査・税務・コンサル・企業経営・公共セクターなど、多彩なフィールドで活躍できる資格です。
特に若手のうちは監査法人で基礎を固め、その後自分の興味や強みに応じてキャリアを広げるのが一般的な流れです。
将来性も高く、長期的に安定した専門職として選ばれる理由があります。
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