デジタルBCG、デジタルマッキンゼー、デジタルコンサルって何？　デジタルコンサルタント 転職・求人特集！

デジタルBCG、デジタルマッキンゼー、デロイトデジタル、など大手コンサルティングファームが次々に立ち上げている「デジタル」組織。アクセンチュアにおいては「デジタル」はあらゆる領域で当たり前になっており、あえてデジタルと表現する必要ない」ということで、デジタルを冠とした組織を無くしているなど、コンサルティング業界で「デジタル」は身近なワードとなってきたことが伺えます。
しかし「デジタル」とは何なのか、何を「デジタル」と呼んでいるのか、そしてコンサルティングファームでのデジタル組織はいったいどんなプロジェクトを行っているのか、知っている人、理解できている人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、これらデジタル組織を立ち上げているコンサルティングファームに焦点を当て、近年のデジタルコンサルの変遷と共に、彼らが何をしているのかご紹介していきます。

デジタルに関わる領域は広く、特に決まった定義はないのですが、各コンサルティングファームが位置付けている「デジタルコンサルティング」は、「最先端テクノロジーを活用してコンサルティングを提供すること」、に共通しています。
少し勘違いをする方もいるかもしれませんが、ITコンサル＝デジタルコンサルではありません。たしかにITコンサルと内容が重なる部分もありますが、「デジタルコンサルティング」は戦略立案の上流から関わることが多く、上流領域を手掛ける大手戦略ファームや、総合系ファームが次々とデジタル組織を立ち上げているのです。

とはいえ「デジタル化」と叫ばれている昨今、なんでもデジタルと呼んでいる面もありますが、コンサルティング業界における「デジタル」は、

・クライアント企業をデジタルによって成長・進化させる
（最上流である戦略立案からデジタルを活用しており、ソリューションとしてデジタルを使うのではなく、デジタルありきでクライアント企業の戦略立案を行っています。）

・業務オペレーションのためにデジタルを利用する
（こちらはより一番身近なものかもしれません。レジ会計や店舗での注文、在庫管理、電子契約書など、人件費コストや消費者・ユーザーにとっても時間削減になり、企業にとってはよりスピーディーな事業展開が可能となりました。）

・デジタルによって新規事業や新しいビジネスモデルを生み出す
（コンサルティングファームでもより力を入れている領域でもあります。一例ですとメルカリなどがこちらになります。これまでネットオークションは数多くありましたがスマホ完結型で匿名配送ができるなど、ユーザー環境に合わせたサービス設計で、既存ビジネスと異なる価値を生み出し多くの利用者を獲得しました。またMicrosoftのオフィス365もこれにあたります。これまでパッケージソフトが主流だったOfficeをクラウドにした事例です。デジタルトランスフォーメーションの一例でもあります。）

などのプロジェクトを指し、いわゆるシステム導入や、Webサイト構築などはコンサルティングファームにおいては「デジタル」という定義から外れています。

デジタルコンサルティングについては、少し昔の話から始めるとより現状のデジタルコンサルティングについても理解が深まるかと思います。
（以前からデジタルという定義については様々でした。これが絶対というわけではありませんので、一部の話としてご理解ください。）

2000年前半ごろからAmazon、Apple、Facebook、Googleなどコンサルティングファームに限らず、最先端のデジタル技術やエンジニア技術により、様々なサービスは存在していましたが、コンサルティング業界で大きな注目を集めたのは2015年のマッキンゼーによるデザインファームの買収でした。これまで戦略・経営コンサルとしてトラディショナルなコンサルティングを展開してきた印象でしたが、経営コンサルとデザインの融合は今後のコンサルティングの新潮流の幕開けだったかもしれません。
その後、世界最大級規模のファーム、アクセンチュアがデジタルエージェンシーとして国内最大手だったIMJの買収ニュースが流れ一気にデジタルコンサルティングへの舵がきられました。その後デジタルBCG、BCGデジタルベンチャーズ、NRIデジタル、電通デジタルなどが立ち上げられました。
当時もデジタルコンサルティングとは何なのか？と疑問に感じていた方も多く、UXデザインナーやWeb関連のエンジニアを採用するファームが増え、結局はWebコンサルティングなの？という方や、最終的にはシステム導入やITを使った戦略策定ということでITコンサルティングの名称が変わっただけなのでは？と感じていた方も多かったです。

しかし、徐々に各コンサルティングファームが提供するデジタルコンサルの全容が目に見えるようになりました。
例えば業務オペレーションのためにデジタルを利用する、というプロジェクトから、AIを用いたビッグデータ解析、IoTを使ったデータ収集からのマーケティング施策や新規事業立案など、前述したデジタルコンサルティングが増えていき、現在ではDX（デジタルトランスフォーメーション）と呼ばれデジタルによって新規事業や新しいビジネスモデルを生み出すコンサルティングが主流となりました。

それではコンサルティングファームごとに、実際のデジタルコンサルティングの事例をご紹介していきます。
最近ではどのファームでも「デジタル」を使ったコンサルティングが当たり前になってきており、且つコンフィデンシャルとなっている案件も多いため、際立ったプロジェクト事例をあまりご紹介できないのですが、以下のようなプロジェクトがございます。

■NRIデジタル
オンラインとオフラインを融合させた新しい美容体験を創出 - 資生堂
ブランド体験を支える仕組みの構築やプロジェクト推進、ローンチ後のお客さま行動のモニタリングなどを支援。
店内での体験を丸ごと「持ち帰れる」。帰宅後にスマートフォンで体験を振り返ったり、試した商品をECで購入したりできる仕組み。導入したツールの1つが、リストバンドのSCONNECT。自分のスマートフォンを片手に、毎回写真をとるやり方では、美容体験に集中できません。リストバンドであれば、その煩わしさから解放され、シンプルな操作でデータを残せるようにしている。

■BCGデジタルベンチャーズ
百貨店ビジネスだけでは生き残れない・デジタル化戦略 - 三越伊勢丹
スタイリストがチャットでお客様の要望を掘り下げて聞き、自宅に配送する形でファッションを提案するサービス「パーソナルスタイリング」。キックオフから１週間でトライアルサービスをローンチ。そこからアジャイルで開発・修正を繰り返し、プロジェクトを進めていった。

■IBM
日本代表選手のサポート体制の強化を支援 - 国立スポーツ科学センター
卓球の試合映像分析をAIで効率化。ラリーシーンの自動検出アルゴリズムを共同開発。スポーツアナリストはより高度な試合分析への注力が可能となった。

■アクセンチュア
Tire as a Service - ミシュラン
輸送会社が走行距離に応じたタイヤ使用料を支払うというサービス型ビジネス「Tire as a Service」。本来の消耗期間よりも早く破棄されがちな商業用タイヤの有効活用を目的として始まりましたが、走行データなどのデータ分析も行い、輸送会社にとっては燃料削減、運行管理支援などタイヤを売るだけでなく、違うサービス領域も提供している。