公認会計士の転職理由10選!転職先別に刺さる理由の作り方を解説

会計士として転職を考え始めたとき、「転職したい気持ちはあるのに、理由をうまく言葉にできない」と悩む人は少なくありません。
特に面接では、退職のきっかけだけでなく、「次にどんな仕事で、どう価値を出したいのか」まで一貫して説明することが求められます。
転職理由は、不満だけを並べると愚痴に聞こえたり、「同じ状況になったらまた辞めるのでは」と受け取られたりしがちです。
一方で、これまでの経験で得た強みを土台にして、「次の職場で何を実現し、どう貢献したいか」までつなげれば、同じ本音でも納得感のある意思決定として伝わります。
この記事では、会計士に多い転職理由の代表例を整理したうえで、転職先別に伝わりやすい組み立て方、NGになりやすい言い方の言い換え、職務経歴書・志望動機・面接回答まで矛盾なくまとめる手順を、わかりやすく解説します。
【求人情報】ご応募はこちらから
会計士に人気の求人を一部抜粋してご紹介します。他にも多数求人取り扱っていますのでご志向・適性から最適な求人を知りたい方はお気軽にご相談ください。
会計士の求人一覧へ
会計士によくある転職理由10パターン
激務・繁忙期が長く持続できない
監査法人は決算・開示の締切に合わせて繁忙期が発生しやすく、業務量の波が大きくなりがちです。残業が続くと学習や家族時間が確保できず、長期で働くイメージが持てなくなる人もいます。
一方で、期限内に品質を担保してやり切った経験は強みです。「生産性を高め、持続的に成果を出せる環境でその強みを活かしたい」と事実(工数・役割)を添えて語ります。
監査より事業に近い仕事で価値を出したい
監査は第三者として妥当性を確認する仕事ですが、当事者として売上・コスト・投資判断に直接関わりたいと感じる会計士もいます。
事業会社の経理・財務や経営企画に移ると、月次で数字を回し、KPIの設計や改善提案まで踏み込む場面が増えます。「監査で培った業務理解と論点整理を、事業の意思決定に近い現場で活かし、成果に直結させたい」とまとめると前向きです。
会計・財務の専門性を深めたい(連結、IFRS、管理会計など)
監査の経験を土台に、連結決算、IFRS対応、管理会計の制度設計など、特定領域の専門性を深めたいという理由もよく挙がります。
グループ経営が進むほど会計方針の統一や開示の精度が重要になり、事業会社では基準対応だけでなく運用定着や業務フロー改善まで求められます。「実務の最前線で専門性を積み上げたい」と整理すると一貫性が出ます。
M&Aや再生などトランザクション領域に挑戦したい
監査で財務諸表を読み解く力が付くと、買収・売却の意思決定や企業価値評価に踏み込みたいと考える人もいます。
FASなどではデューデリジェンスやバリュエーション、PMI支援、再生計画の策定など、短期間で仮説検証し結論を出す仕事が中心です。「監査で培った分析力を、取引の意思決定を支える領域で発揮し、より直接的に企業価値向上に関わりたい」と語ると自然です。
経営に近い立場で意思決定に関わりたい(FP&A、経営企画など)
監査では経営層と対話する機会もありますが、最終判断は企業側が担います。そこで、FP&Aや経営企画として予算・予実管理、投資採算、KPI分析を通じて意思決定の当事者になりたい、という理由が出ます。
現場部門と調整しながら施策を回すため、会計知識に加えて説明力も伸びます。「数字から打ち手まで提案し、実行まで伴走したい」と整理すると伝わります。
DXやシステム導入で業務改善に関わりたい
会計・監査の実務はデータ量が多く、手作業の突合や資料作成に時間が取られがちです。だからこそ、ERP刷新や電子決算、ワークフロー整備など、システム導入で業務を標準化・効率化したいという志向が生まれます。
会計士は内部統制や証跡の観点も持てるため、改善とガバナンスを両立しやすいのが強みです。「仕組みでミスを減らし、付加価値業務に時間を振り向けたい」とまとめます。
年収・評価を市場価値に合わせたい
会計士は専門職ですが、同じスキルでも評価制度や配属で報酬が伸びにくいケースがあります。そのため「市場で評価される環境で挑戦したい」「成果に応じた報酬体系で納得感を得たい」という理由が出ます。
面接ではお金だけを前面に出さず、「難易度の高い業務で成果を出し、正当に評価される形でキャリアを築きたい」と役割・成長意欲とセットで語るのが安全です。
働き方を整えたい(勤務地、リモート、育児など)
結婚・育児・介護などライフイベントに合わせて、勤務地や働く時間を調整したいという理由も出やすいです。監査はクライアント先対応や繁忙期集中がある一方、事業会社や一部の専門職ではリモートやフレックスが整っている場合があります。
公認会計士は柔軟な働き方がしやすい資格とも言われます。「働き方を整え、安定して成果を出し続けるための選択」と説明すると前向きです。
英語・海外案件でキャリアの幅を広げたい
海外子会社監査、英語での開示対応、クロスボーダー取引など、英語が必要な場面は増えています。監査法人でも海外駐在や国際案件に関われる可能性があり、将来の選択肢を広げたい人は英語・海外経験を動機にします。
語学だけを目的化せず、「国際案件で専門性を発揮し、英文資料作成や海外メンバーとの協働経験を積みたい」と具体化すると伝わります。
独立・副業を見据えて経験を積みたい
将来の独立開業や、専門性を活かした副業を見据えて、事業会社やアドバイザリーで経験の幅を広げたいという理由もあります。
監査だけだと関与領域が限定されるため、IPO支援や内部統制、財務DDなど「顧客課題を解く」実務を積む目的で転職するケースです。独立意向は正直に述べつつ、「当面は組織で成果を出し、必要な経験を計画的に積みたい」と時系列で語ると安心感が出ます。
まずは話だけ聞いてみたい方も歓迎!お気軽にご利用ください。
転職先別:刺さる転職理由の作り方
事業会社(経理・財務)では「運用力」と「改善力」が刺さる
事業会社の経理・財務は、毎月の締めや決算を安定して回し、数字をタイムリーに出すことが最優先になりやすいです。
だから転職理由は「監査で鍛えた正確さを、日々の運用に落とし込みたい」と置くと自然です。加えて、締め作業の短縮やミス削減など、改善の経験があると説得力が上がります。「回すだけでなく、回りやすくする」意欲まで言えると伝わります。
FP&A・経営企画では「分析から提案まで」が刺さる
FP&Aや経営企画は、数字を集計するだけでなく「なぜそうなったか」を読み解き、次の打ち手につなげる役割が期待されます。
そのため転職理由も「分析が好き」だけでは弱く、「意思決定に役立つ形で示唆を出したい」と言えると筋が通ります。監査で培った論点整理を、予実差異の原因分解や改善提案に活かしたい、という流れにすると因果関係がきれいです。
IPO準備・スタートアップでは「仕組みづくり」と「泥臭さ」が刺さる
IPO準備やスタートアップは、制度や業務フローが未整備なことが多く、正解が用意されていない場面が増えます。
だから転職理由は「決まった型をなぞる」より、「ルールを作って運用を根付かせたい」が自然です。監査で見てきた内部統制や証跡の考え方を、会社の仕組みづくりに落とし込める点も強みになります。現場の調整や手を動かす覚悟も添えると、現実味が出ます。
FASでは「論点整理」と「数字で語る力」が刺さる
FASの業務は、短い期間で情報を集め、論点を切り分け、意思決定に必要な結論を出す仕事が中心です。そこで転職理由は「監査で数字を扱ってきた」だけでなく、「結論に直結する形で整理したい」とつなげると納得感が出ます。
たとえば、重要なリスクや収益性のポイントを抽出し、関係者に分かる言葉で説明したい、という方向です。スピードとアウトプット重視の環境に挑戦したい、まで言えると一貫します。
コンサルでは「課題解決」と「コミュニケーション」が刺さる
コンサルは、課題を見つけるだけでなく、関係者と合意しながら解決まで進める仕事です。よって転職理由は「専門性を活かしたい」に加えて、「相手を動かすところまで関わりたい」があると自然です。
監査経験は事実確認や構造化に強い一方、次は提案・実行まで踏み込みたい、という流れにすると因果関係がはっきりします。チームで成果を出す前提なので、協働の姿勢も一文入れると伝わりやすいです。
金融(投資・審査)では「リスク評価」と「財務の読み」が刺さる
投資や審査は、財務情報をもとに「返せるか」「損失が出るとしたらどこか」を見極めることが重要です。だから転職理由は「財務諸表が読める」だけではなく、「不確実性を言語化して判断を助けたい」とつなげると筋が通ります。
監査で身につけた数字の整合性チェックを、リスクの見立てや事業の持続性評価に活かしたい、という形です。与信・投資の現場で意思決定の質を高めたい、と締めると前向きになります。
会計事務所・税理士法人では「顧客志向」と「税務への興味」が刺さる
会計事務所・税理士法人は、税務申告だけでなく、顧客の経営相談に継続して伴走する色が強い仕事です。だから転職理由は「監査から税務へ」だけでなく、「顧客の意思決定に近い場所で支えたい」と置くと自然です。さらに、税務を学び直す意欲(どの領域を深めたいか)を具体化すると、入社後の伸びしろが伝わります。長く同じ顧客と向き合う働き方を希望する、という一文も納得感につながります。
公認会計士が転職理由を整理しておいたほうが良い理由
転職理由(退職理由)は、中途面接でほぼ必ず聞かれます。面接官は「同じ理由でまた辞めないか」だけでなく、「次の職場で何を実現したい人か」「そのために今回の転職が必要か」を確認しています。
理由が曖昧だと、職務経歴書・志望動機の内容とズレやすく、深掘り質問(なぜ今/なぜこの職種)に耐えにくくなります。
会計士の場合は、一般論としての“落ち着いて話せる”以上に、職業の前提として「独立した立場で財務情報の信頼性を支える」「投資者等の保護に資する」といった公共性が法令上も位置づけられています。
だから企業側は、スキルと同じくらい、倫理観・独立性・秘密保持などのリスク面も含めて見ます。転職理由を事実ベースで整理し、過去の経験→課題→次の貢献が一貫していると、「この人は判断軸が明確で、プロとして信頼できる」と評価されやすくなります。
まずは話だけ聞いてみたい方も歓迎!お気軽にご利用ください。
NGになりやすい転職理由と、落ちない言い換え
愚痴に聞こえる言い方はNG
「上司が嫌だった」「現場が最悪だった」だけだと、どこでも同じ不満を抱く人に見えます。言い換えるなら、課題は環境批判ではなく事実で述べ、次に実現したいことにつなげます。
例:「繁忙が長期化し、改善提案まで手が回らなかった。業務を改善しながら成果を出せる環境で力を発揮したい」
責任回避に見える言い方はNG
「任せてもらえない」「裁量がない」は、受け身に聞こえると不利です。言い換えは「自分がどう動いたか」を必ず入れます。
例:「現職では監査品質を最優先に取り組み、改善提案も試みたが役割上限界があった。次は当事者として運用と改善まで担い、成果に責任を持ちたい」
「楽をしたい」だけに見える言い方はNG
働き方改善は正当な理由ですが、「残業を減らしたい」だけだと逃げに見えることがあります。言い換えは「持続的に成果を出すため」です。
例:「繁忙期に集中して成果を出す経験は積めた。今後は生産性を高め、平時も含めて安定的に価値を出せる働き方で専門性を伸ばしたい」
事実とズレた盛りすぎはNG
面接では深掘りされるため、実態と違う表現は崩れやすいです。会計士は特に信頼が重要なので、担当規模や役割、成果は説明できる範囲に留めます。言い換えは「できたこと」と「伸ばしたいこと」を分けるのがコツです。
例:「主担当として論点整理はできる。次は意思決定まで近い領域で提案力を伸ばしたい」
本音を残したまま前向きに変換する3ステップがある
ステップはシンプルです。まず現状の困りごとを事実で言う(業務量、役割、制約)。次にそこで得た学び・強みを置く(品質、分析、調整など)。
最後に次の職場で何を実現し、どう貢献するかを言う。この順番にすると、本音を隠さずに前向きな意思決定として伝わります。
転職理由を一貫したストーリーにする手順
過去に得た強みを棚卸しする
まずは監査で何を積み上げたかを言語化します。担当業種、規模、役割、改善したことを短く整理すると、次の話が通りやすくなります。
ポイントは「できること」を先に示すことです。会計士は専門性が前提なので、強みが見えるだけで転職理由の説得力が上がります。
現在は課題を具体的な事実で説明する
次に「なぜ転職が必要か」を事実で述べます。感情ではなく、役割の限界や業務の構造で説明するのが安全です。
例として「監査で品質は高められたが、当事者として改善まで責任を持つ機会が少ない」などが挙げられます。課題が具体的だと、次の一歩も自然に見えます。
未来は次の職場での貢献を言語化する
最後に、転職先で何をしてどう貢献するかを明確にします。「学びたい」で止めず、「活かす強み」と「成果の出し方」まで言うのがコツです。
例として「運用を安定させ、締めの早期化と品質向上を両立する」など、業務に落ちる表現にすると評価されやすくなります。
最後に職務経歴書・志望動機・面接回答の矛盾を潰す
転職理由、志望動機、職務経歴はセットで見られます。ここがズレると「本当は何がしたいのか」が伝わりません。転職理由はキャリアの軸、志望動機はその会社での貢献、と役割を分けた上で、同じストーリーになるように言葉を揃えます。
まずは話だけ聞いてみたい方も歓迎!お気軽にご利用ください。
会計士の転職理由に関するよくある質問FAQ
会計士の転職に強い転職エージェントが疑問にお答えします!
まとめ
会計士の転職理由づくりで重要なのは、きれいな言葉を作ることではなく、因果関係を通すことです。
まず「何が課題だったか」を事実で説明し、次に「その環境で何を学び、どんな強みが身についたか」を置き、最後に「次の職場で何を実現し、どう貢献するか」まで言い切る。これだけで、転職理由は面接で深掘りされても崩れにくくなります。
また、転職先によって求められる役割は違うため、同じ経験でも伝え方は変わります。事業会社なら運用と改善、FASなら論点整理と結論の出し方、コンサルなら課題解決と巻き込み、というように、相手の仕事内容に合わせて理由を調整することが大切です。
最後に、職務経歴書・志望動機・面接回答で言っていることが同じ方向を向いているかを確認し、矛盾をなくせば完成度が一段上がります。
会計士の転職ならムービンにご相談下さい
転職サービスはすべて無料となっております。
ムービンではお一人お一人に合わせた転職支援、そしてご自身では気づかれないキャリアの可能性や、転職のアドバイス、最新の情報をご提供致します。
- 29年以上の転職支援実績と圧倒的なノウハウ
- 会計士の方の主要転職先を網羅
- 過去1,000名以上の会計士キャリア支援
会計士の転職ならムービンにご相談下さい
転職サービスはすべて無料となっております。
ムービンではお一人お一人に合わせた転職支援、そしてご自身では気づかれないキャリアの可能性や、転職のアドバイス、最新の情報をご提供致します。
- 29年以上の転職支援実績と圧倒的なノウハウ
- 会計士の方の主要転職先を網羅
- 過去1,000名以上の会計士キャリア支援
その他「会計士」転職事情・業界トピックス一覧