公認会計士が独立するためには何をすべき?メリットやタイミングなどを徹底解説
将来的に独立したいけど、なにをすればいいかわからない・・・という会計士の方も少なくないと思います。
独立のしやすさという観点でいうと、会計士の方は十分に優位性がありますが、監査のみのスキルで独立できるかというとそれはほんの一握りというのが実態です。
そのため、独立するにあたってどのような案件があって、どのような経験・スキルが必要なのか、独立までのステップを把握しておくと良いでしょう。
本記事では、独立後の働き方や必要なスキル、独立までのステップなどをご紹介いたします。独立を考えている方、また会計士で転職をお考えの方にぴったりの内容です。
公認会計士の独立後の働き方5選
独立した公認会計士の代表的な働き方を5つご紹介いたします。
非常勤として監査業務を受託する
公認会計士にとって、最もハードルが低い独立形態の一つが、非常勤として監査業務を受託する方法です。
独立前に勤務していた監査法人などで、常勤から非常勤へと契約形態を切り替えることで、リスクを抑えながらスモールスタートでの独立が実現できます。
この働き方の大きなメリットは、業務内容をほとんど変えず、これまで培ってきた監査経験をそのまま活かせる点です。新たな営業活動やスキル習得に追われることなく、早い段階から一定の収入を確保しやすいのも魅力といえるでしょう。
一方で、監査法人によっては「公認会計士登録済みであること」「インチャージ経験があること」などを条件としている場合も多く、一定年数の実務経験を積んでからでなければ切り替えが難しいという側面もあります。
独立を見据えるのであれば、在職中から経験の積み方を意識しておくことが重要です。
税務顧問・申告などの税務案件を受託する
公認会計士の独占業務である「監査業務」は、大企業や上場企業を主なクライアントとするため、個人で新規開拓して継続的に案件を獲得するにはハードルが高い分野です。
そこで、独立会計士の中で多く選ばれているのが、税理士登録をして「税務分野」での独立」というルートです。税務業務は、中小企業や個人事業主などの身近な顧客層をターゲットにできるため、顧問契約を中心としたストック型ビジネスとしても安定しやすい特徴があります。
また、公認会計士の資格を保有していれば、税理士試験の全科目が免除されるため、所定の実務経験と研修を経るだけで税理士登録が可能です。これにより、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」といった税理士の3つの独占業務も行えるようになります。
【税務業務で独立した場合の主な仕事内容】
・税務申告書の作成、税務相談、税務代理(税理士の独占業務)
・記帳代行や月次監査
・相続・事業承継支援、税務調査の立会い
・節税提案や資金繰りアドバイスなど、経営に近い支援も可能
税理士事務所として独立する場合、当然ながら監査業務だけでは不十分です。税務独自の知識・対応力が求められるため、独立前に税理士法人や会計事務所で実務経験を積んでおくと良いでしょう。
会計アドバイザリー案件を受託する
会計アドバイザリー業務で独立・開業する公認会計士も増加傾向にあります。
会計アドバイザリーとは、主に企業経営者や財務責任者を対象に、公認会計士としての専門知見を活かした助言や支援を行う業務です。具体的には、以下のようなニーズに対応します。
・決算業務の効率化・早期化
・IPO(株式上場)準備のサポート
・内部統制や管理体制の構築支援
・内部監査体制の整備・実行支援 など
関与のスタイルもさまざまで、経営陣の一員としてハンズオンで実務に関与するケースもあれば、月1回の定例会でアドバイスのみを提供する「会計顧問」的な関与もあります。最近では、スタートアップ企業や中堅企業から「内部監査の整備支援」など、実務経験に裏打ちされた実践的なサポートを求められることも増えています。
アドバイザリー業務は、監査とは異なる視点とスキルが求められる分野です。そのため、独立を視野に入れている場合でも、まずは監査法人のアドバイザリー部門や大手コンサルファームなどで実務を積むことが基本ルートとなります。
FAS(財務アドバイザリー)案件を受託する
公認会計士としての高度な知識と実務経験を活かし、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)業務で独立・開業するケースも増えています。
FASは、M&Aや事業再生、不祥事対応など、企業の重要局面に関与する専門性の高い業務です。
代表的な業務には以下のようなものがあります
・M&A(企業買収・事業承継)の実行支援、財務デューデリジェンス
・合併・買収に伴う会計処理やバリュエーション(企業価値評価)
・経営不振企業の再建・再生支援
・不正会計や不祥事発覚時の第三者調査、内部統制の強化支援
過去にFAS部門で豊富な実務経験があり、クライアントや金融機関との人脈を持っている会計士にとっては、独立後も継続的に高単価案件を受注できる可能性がある領域です。
公認会計士が独立・開業するメリット・魅力
監査法人や一般企業での勤務を経て、独立・開業という道を選ぶ公認会計士は年々増加しています。
ここでは、独立・開業するメリット・魅力を3つご紹介いたします。
大幅な年収アップを期待できる
公認会計士が独立・開業し、自ら事業主として働く最大のメリットの一つは、収入の上限が大きく広がる点にあります。
監査法人や一般事業会社に勤務している場合、順調に昇進すれば年収1,000万円?2,000万円程度に到達することも珍しくありません。ただし、給与体系が決まっている以上、どれだけ成果を出しても収入には一定の天井があるのが現実です。年収3,000万円を超える水準に到達できるのは、パートナーや役員など、ごく一部のポジションに限られるでしょう。
一方、独立・開業した場合には、年収の上限そのものがなくなります。顧客数や単価を伸ばし、年商を拡大できれば、その分だけ自分の年収も増やしていくことが可能です。公認会計士の仕事は、在庫や仕入れを必要とせず、固定費も比較的低いため、売上に対する利益率が高いビジネスモデルである点も大きな強みです。
受ける仕事を主体的に決められる
監査法人や一般企業で働く場合、どうしても「与えられた仕事をこなす」という受け身の働き方になりがちです。アサインされる業務や関与するクライアントは、基本的に組織の意向によって決まるため、自分の希望がすべて通るわけではありません。
一方で、独立・開業すれば、どんな業務を引き受けるか、どんなクライアントと関わるかを自分で決められるようになります。
得意分野に特化した案件だけを受注したり、苦手な分野や相性の合わない顧客を断ったりすることも可能です。たとえば、
・IPO支援に特化したアドバイザリー業務に集中する
・地元の中小企業に特化して顧問契約を増やす
・会計士のスキルを活かしてスポットコンサルを行う
など、自分の志向やライフスタイルに合わせて事業設計ができるのは、独立ならではの大きな魅力です。
さらに、仕事量を自分で調整できるという点も見逃せません。「もっと収入を増やしたい」と思えば案件を増やすことができ、逆に「家庭やプライベートを優先したい」と思えば業務を絞ることも可能です。
開業コストを抑えやすい
公認会計士が独立する大きなメリットの一つは、初期費用やランニングコストが比較的低く抑えられる点です。
飲食業や小売業などと異なり、在庫の仕入れや大規模な設備投資が必要ないため、無理なくスモールスタートを切ることができます。
特に、非常勤の監査業務や外部企業へのアドバイザリー・コンサルティング業務を中心に行う場合は、自宅を拠点にするだけでも十分に開業が可能です。事務所を構えずにオンラインで完結する案件も多く、最小限の投資で収益化できるのは大きな魅力といえるでしょう。
ただし、長期的に信頼関係を築き、大規模な案件を獲得していくためには、しっかりとした事務所を構えることも必要です。
公認会計士が独立するタイミング
公認会計士は、極論を言えば資格を取得した直後でも独立・開業は可能です。
しかし、実務経験や人脈が乏しい状態では、顧客から信頼を得るのが難しく、案件の獲得にも苦労するでしょう。そのため、実績・人脈・信頼性の3つが揃ったタイミングでの独立が、成功しやすくなります。たとえば、
・BIG4や上場企業など、信頼されやすい出身企業での経験を積んだ後
・顧客候補や紹介元となる人脈がある程度形成された段階
・「あの人に独立されたらお願いしたい」と言われるようになった時
このような状態であれば、独立初期から一定の仕事を受けられる可能性が高く、安定したスタートを切ることができます。
一方で、非常勤勤務や副業スタイルでスモールスタートする場合は、「思い立ったとき」がベストタイミングとも言えます。初期費用が比較的少ない士業ならではの強みを活かし、まずは小さく始めて徐々に顧客や業務を拡大していく方法も現実的です。
会計士が独立するのにどのようなスキルが必要なのか
それでは、どんなスキルがあるといいのか独立した会計士の方が案件として関わっている業務内容から見ていきましょう。
独立した会計士は下記の領域に携わっているケースが多く、幅広い領域の専門性を身に付けることが重要です。特に、
・会計コンサル(上場会社決算業務支援、内部統制構築・運用支援、IFRS支援等)
・IPO・M&A・資金調達・事業再生等に関わるコンサルティング
・税務業務 等
・その他、BPRやIFRS対応など
がニーズのある領域です。
独立した会計士は、前職からのつながりや証券会社等の太いパイプがある場合、そこから案件を受注するケースが多く、以前所属した監査法人を非常勤として手伝ったり、別の中小監査法人の非常勤スタッフとしてサポートすることもあります。
独立後の案件事例
【上場企業の内部統制支援プロジェクト】
・内部統制および決算プロセスの業務改善サポートを複数メンバーの一員としてジョイン
・海外子会社が複数ある中での内部統制と単体・連結決算業務の支援
・英語を駆使しての子会社とのコミュニケーション、財務諸表作成など、規模の大きい案件を遂行
【IPO支援】
・スタートアップの資本政策や事業計画を作成したり、ベンチャーキャピタルや事業会社からの資金調達を支援
・顧問契約で毎月訪問し、社長や取締役・経営企画や経理の方々との相談にのって、IPOに向けて会社の課題解決を実施。
これら実際の案件事例を見ますと、やはり監査法人から一足飛びに独立することは難しく、幅広い領域のスキルを身に付けることが重要かと思われます。
独立するために必要なステップは?
独立するための準備として、監査だけでなく幅広いスキルを身につける必要があるとご紹介しましたが、実際にどんなキャリアが考えられるか、独立した会計士の方を例に見ていきましょう。
監査法人⇒Big4 FASのM&A部門
監査法人⇒Big4 FASの再生部門
監査法人⇒金融機関の投資銀行部門
監査法人⇒事業会社の監査部
他にも場合によっては投資ファンドやマネジメントコンサルティング(経営コンサル)領域などもあります。
これらはいわゆる王道という感じでしょうか。
逆に、明確に「独立志望の会計士を求めているブティック系ファーム」もございます。
そのようなファームで求められるスキルは、監査法人での経験+αが必要となりますが、ジュニアな人材については明確なキャリアビジョンと遂行力があれば、+αのスキルは現時点では有していなくとも大丈夫なようです。
ブティックファームの場合、Big4をはじめとする大手ファームと比べ、
・クライアントの規模
・プロジェクトで経験できる幅・深さ
・昇進スピード
が大きく違っており、今後独立をお考えの方にとっては、独立後の仕事の仕方を、そのまま体現できる可能性の他、成長スピードも早いため、早期に独立へと近づけるかと思います。
ブティックファームの場合でも大企業のクライアントは数多くありますが、やはり大手ファームと比べると割合は少ないです。
プロジェクトでは、スタッフの頃からクライアントの役員クラスと接する機会を得られたり、少人数だからこそ裁量権を持って働くことができ、成長チャンスがつかめることもあります。昇進スピードも同様、少人数だからこそプロジェクトでバリューを発揮すれば早期に昇進できる可能性もあります。
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