会計士の英語力の必要性
今回のテーマは会計士の方に限らず、しばしばご転職希望者様からご質問いただく「英語力」の必要性についてとなります。世間一般で言われているように、ビジネスのグローバル化に伴い年々英語力の必要性は高まっており、勿論できるに越したことは有りませんが、他方で、
「実際にどれくらいの英語力が必要なのか?」
「必要なのは分かっているものの、現時点では決して英語が得意ではないのだが、そうすると転職は難しいのか?」
といった疑問は尽きないかと思います。
総論としては、ファイナンス・アカウンティングの分野は、他の分野と比しても英語力がキーになるポジションが多くビジネスレベルの英語力があることでキャリアが大きく広がりますが、いくつかの分野では必ずしも英語が必須では無く英語以外の会計士としての強み・経験を活かすことができます。
以下、英語力が重要なポジション、さほど英語力が重要では無いポジションに分けて、具体的な必要性についてまとめさせていただきます。
英語力が特に重要なポジション
細かいレベル感は1社1社異なりますが、大まかな傾向として、会計士の方がご検討される数ある転職先のうち、特に高いレベルの英語力が求められるのは、
- 外資系投資銀行/外資系M&Aブティックファームにおける投資銀行業務/M&Aアドバイザリーポジション
- 外資系投資銀行・商業銀行におけるミドル・バックポジション
- 外資系戦略コンサルティングファーム
- 大手総合系コンサルティングファーム(一部)
になります。
投資銀行業務/M&Aアドバイザリーにおいては、年々クロスボーダー案件の割合が高くなっており、特に外資系の投資銀行/M&Aブティックファームでは、スピーキング含めたビジネスレベルの英語力が必須となっており、英語面接も実施されます。
同様に、外資系投資銀行・商業銀行のファイナンスポジション等も、日々の業務のカウンタパートが日本のみならずニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポールなどの海外オフィスの同僚になるケースが多く、高度な英語力が求められます。
またTOP
TIERの外資系戦略コンサルティングファームでも日常的に英語を使うほか海外オフィスとの連携や、面接においても英語でのケース面接が実施されます。また一部大手ファームにおいてグローバルプロジェクトが多いファームでは英語が必須となっています。
投資銀行への転職について詳しく
【特集】投資銀行 M&Aポジションへの転職
数兆円規模の大型案件も手掛け、リーグテーブル上位には多くの投資銀行の名前が載っています。いわゆるニュースや新聞で大々的に取り上げられているM&Aの陰には彼らの活躍があります。
FAS系コンサル M&Aへの転職について詳しく
【特集】FAS M&Aへの転職
BIG4系のFASと独立系FASとさらに分けられますが、中規模〜大規模案件を手掛けておりトータルのM&A金額ランキングでも上位に顔を出す企業もあります。特徴としてはアドバイザーという立ち位置だけでなくM&A戦略からPMIまで一気通貫で取り組んでいることが挙げられます。
上ほどではありませんが、
- 日系投資銀行・監査法人系アドバイザリーファームのM&Aポジション
- 外資系企業の経理・内部監査・ファイナンスポジション
についても高度な英語力が求められ、読み・書きはビジネスレベルであることが必須、スピーキングについても、外資系投資銀行等の投資銀行部門/ミドルバック部門ほどではないにしろ、業務での使用経験ないしはある程度社内意思疎通ができるレベルが求められます。
あまり英語を使う場面が少ないというところでは
については、英語力が評価項目の1つとして判断要素になっておりますが、読み・書きがある程度できれば、スピーキングについては多少伸び代を勘案していただけるケースが多いので、1)〜4)に比べると「英語力があることが望ましい」と言えど、必須となるレベルは大分緩和されます。
英語力以外が評価されやすいポジション
逆に、英語力が重要では無いポジションとしては、
- 国内日系コンサルティングファーム
- 事業再生コンサルティングポジション
- 国内案件を中心としたM&Aアドバイザリーファーム
- 日系PEファンド
- ベンチャー企業のCFO(候補)・経理ポジション
等が挙げられます。
事業再生のコンサルティング案件は、足下では一部海外子会社の再生等英語を使う案件も出てきてはいますが、大半は国内の案件になり、英語を使うシーンは限定的であるため、財務・会計知識をはじめとした英語以外の経験・素養が評価されます。
また、国内案件を中心としたM&Aアドバイザリーファームも、クロスボーダーM&A案件を取り扱わない以上そこまで英語は重要では無く、特に昨今注目を浴びている事業承継系のM&Aアドバイザリーにおいては、英語力を問わず会計士の方を積極採用されるケースが散見されます。
人気業界であるPEファンドについても、たいていは投資対象が日本国内となるため、本国へのレポーティング・投資検討プレゼンが不要な日系PEにおいては、英語力は重要なファクターではありません(外資系PEは、上記本国とのやり取りのため、英語は必須です。)但し、PEファンドへの転職に際しては、M&Aアドバイザリー、戦略コンサルティング、事業再生コンサルティング等の経験が必要となりますので、こういった領域での専門性を磨くことが重要になります。
また、事業会社への転職においても、ベンチャー企業のように国内中心で事業展開をしている企業であれば、英語力は必ずしも必要では無く、確固たる会計知識と実務経験があれば歓迎されます。会計士の方の中には、将来的にはベンチャー企業のCFO候補ポジションを目指されている方もいらっしゃるかと思いますが、その際には英語よりもIPO支援経験、事業会社(ベンチャー企業)での実務経験、M&A・投資経験等、監査+αの経験を見につけることに重きをおかれた方が、結果として近道になるかと思います。
英語とどのように付き合っていくかお悩みの方は、キャリア相談会という形でざっくばらんにご相談も受け付けておりますので、ぜひ、お気軽にご相談いただけますと幸いです。
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