金融機関の80%がブロックチェーンの革新的なインパクトを予期し、 かつ3-5年以内の導入を予見

・ベイン・アンド・カンパニーとブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズとの共同調査によると、グローバルの金融市場エコシステムにおける年間のランニングコストと資本コストの削減額は合計で150〜300億ドルと推定される
・40%もの企業が分散型台帳技術(以下、DLT)の導入に対して様子見の姿勢をとっているものの、調査によると、DLTの不確実性にうまく対応し競争優位性を獲得するための「後悔のない投資」を識別することは可能
・80%以上の回答者は、清算や決済に与えるDLTのインパクトは革新的であると想定
DLTの導入時期・導入方法の異なる4つの市場タイプを特定
特定のアセットクラス・バリューチェーンにおいては早期のDLT導入の準備が整っており、オーストラリアや日本、中国のような統合された市場において、DLTは更なる統合を促進


ベイン・アンド・カンパニー(ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ協賛、以下ブロードリッジ)が新たに発表したレポート「金融市場におけるブロックチェーン − 競争優位を獲得するには」によると、DLTは金融市場において勢いをつけてきている。日本を含むアジア太平洋地域の金融機関の役員を対象としたインタビュー調査によると、80%以上もの回答者がブロックチェーンの金融市場に与える影響は変革的であると想定し、自社に2020年までに導入されると見込んでいる。

それと同時に、矛盾しているようだが、1/3以上(38%)の回答者がDLT導入に対して「様子を見る」としている。

トーマス・オルセン(ベイン・アンド・カンパニーのパートナー兼同社の消費者金融、投資銀行及びマーケットインフラ領域のリーダー)は「DLTの導入の遅れにかかわらず、金融機関はDLTについて話したり準備したりしているのは明確であり、DLTが市場構造に与える影響を無視することはできない」と言う。また、「企業はイノベーションラボの域を超えてDLTに対する評価を下さなくてはならない。大切なのはボトムアップの実験を補完するようなトップダウンの戦略的な視点が必要という点だ」と付け加えている。
グローバル金融市場に対するベネフィット

どのような選択をしたとしても甚大なリスクは存在する。ベインが行った調査によると、グローバルの金融市場エコシステムにおける年間のランニングコストおよび資本コストの削減額は、合計で150〜300億ドル(もしくはグローバルの総運用資産の2ベーシスポイント)に達する見込みだ。改善されたリファレンスデータ、分析および機械学習とAIの活用によってDLT導入がもたらす長期的な利益は規定される。

「金融市場におけるブロックチェーンの導入は、営業活動及び費用の効率化をはじめとして膨大な利益を生み出す」とヴィジェイ・マヤダス(ブロードリッジにおけるグローバル戦略および債券事業の責任者)は述べる。「オーストラリア証券取引所(ASX)などのプレーヤーは、取引後サービスの向上を狙ってDLTを用いた革新的な技術への投資をすでに始めている。プレーヤーが顧客確認システムの有用性やより効率的な清算と決済、リファレンスデータ管理の向上といったDLT導入の利点に気づくことで、この傾向は今後も継続していく。」

金融市場におけるDLTの導入

他にも、調査の結果DLTの与える影響及および時期は4つの市場タイプによって異なることが分かった。いつどのようにDLTを導入すべきかは、それぞれの市場によって規定される:

日本や中国などの国内主体の大規模かつ複雑な市場においては、DLTは現物株式取引の構造を更に統合させるだろう
一方で、アメリカやヨーロッパなどの大規模なフィナンシャルハブにおいては全く逆の働きをする。これらの市場において、DLTは複数の取引所から成り立つ市場の更なるアンバンドル化・細分化を促進する
オーストラリアやカナダ、ブラジルなどの国内主体の小規模かつ簡素な市場においては、すでに統合・集中管理型であり他のタイプと比べて障害が少ないため、現物株式取引への影響が最も早期に表れる。これらの市場においては市場のプレーヤーや規制当局が緊密に連携することによって包括的にDLTが発展すると考えられる
シンガポールや香港などの小規模なフィナンシャルハブにおいては現物株式取引の統合管理が続きそうだが、デリバティブやOTCにおいては一層グローバル市場を意識するようになる


異なる市場に位置する金融機関がDLT導入に対していかに異なったアプローチをとっているのかについて、興味深い調査結果となった。

地域における実施戦略

一部のインタビュー対象者はその地域のカストディアンと統合してジョイントベンチャーを設立しようと考えている。例えば、シンガポールの中央銀行を初めとするいくつかのプレーヤーは顧客確認システム及びデジタル認証の実現に向けて投資を行っている。DTCCは11兆ドルにも及ぶクレジットデリバティブ市場における清算及び決済にDLTを活用している。また、ブロードリッジ及びNASDAQ等は株主議決権行使や企業活動の効率化に努めている。

DLTの影響はアセットクラスによって異なった形で現れる。小規模かつ新興のOTC市場では未熟な構造およびリスクの低さから、大規模な現物株式取引市場に比べて取引が早く行われるようになってきている兆候が見られる(CMEやRoyal Mintのブリオン・イニシアチブやNASDAQのプライベートマーケットプラットフォーム)。

しかし、統合された市場インフラが存在する場合は、DLTを株式市場(ASX)にて導入しようとする構想もある。株主議決権行使や顧客確認システムなどの特定のプロセスにおける効率化を狙ったDLT構想はマーケットタイプにかかわらず起こっている。そのため、DLTはコスト構造や市場慣例を根本的に大きく変える機会であると同時にリスクでもあり、想定される影響は金融エコシステムをまたいで異なる。

DLTに備える

調査の結果、各企業は自身のエコシステムにおける立ち位置を踏まえたうえで正しいアプローチをとらなくてはならないことが分かった。

DLTに対して「後悔しない投資」をするにはどうすればよいのか、それを識別するために、特定のユースケースごとに優先順位の決め方を明確にする等、今すぐできることは少なからずあるはずだ。何にせよ、DLTを通じて競争優位性を獲得しようとするなら、既存のプロセスやポリシー、IT設計に大きな変更を加えなくてはならない。これらの多くは、DLTがどのように組み込まれるのか分からなくても着手することはできる。

DLT導入における勝者は不要なアクションに時間を費やさずに、より効率的なエコシステムに向けての推進や、自身の市場における立ち位置(何者で、何をどこでしているのかなど)と整合性のとれた長期的な戦略を発展させるのに尽力できる。

戦略的でない、または短期的な視野しかもっていない企業は競争優位性を失い、ビジネスの低迷を実感することになるだろう。

調査結果によると、勝者となるであろう企業はすでに金融市場エコシステムが今後どのように変化するかの分析を踏まえたうえで、トップダウンとボトムアップの両アプローチをDLTの導入に対して用いている。また、金融市場エコシステムに変革が訪れた際には、その市場においてどのような役割を担うことが出来るのかについても考えたうえでDLT導入のロードマップの優先順位付けを行っている。

2017年 2月9日
bain.com

ベイン・アンド・カンパニー
1973年にビル・ベイン他4名のコンサルタントによって設立され、2010年1月現在、世界27ヵ国の41拠点に事業所を展開している。プロジェクト後における顧客の企業価値の変化をモニタリングするシステムを導入する他、姉妹企業としてプライベート・エクイティ・ファンドのベインキャピタルや、非営利組織に特化したコンサルティングファームのブリッジスパングループを立ち上げるなど、コンサルティング業界に常に変革をもたらしつづけるイノベーターとしても知られる。

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